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■事業の内容

A 学術図書の作成及び配布
1) 題名  『マメ科資源植物便覧』
2) 規格  B5判/上製/口絵4色印刷8ぺージ、本文1色印刷
538ぺージ、計546ぺージ/和文
3) 数量  500部、国内 407部、海外 93部
4) 内容
 食糧の増産とエネルギー資源の確保は、21世紀につながる最大課題である。
 マメ科植物は、キク科植物およびラン科植物に匹敵する大分類群であり、その数は、約700属17,000種を越し、数多くの有用植物があり、食糧資源性に着眼してもイネ科に次いでおり、高蛋白資源として、将来、重要性を増すことは、疑いのないことである。
 本便覧では、現在利用されているか、未利用だが過去につかわれたり、また、将来性のある種類400属2,650種を取りあげ、見出し語は、学名として、アルファベット順に配列した。各項目の記述は、分布、植物体の形状、花や果実のどの形状、利用面、成分、毒性、特質などを記述し、さらに、新しい分類学的知見や染色体数の決定などをくわえて、学術上価値あるばかりでなく、また、用途別索引、英名・和名索引をくわえて検索の便をはかった。特に生物資源活用の面で役立つ便覧とした。
B 自然をみるつどい
1) テーマ  自然をみるつどい
2) 内容
[1] 大型バスを利用した日帰りの自然観察行とし、車中においては、専門講師によるハナショウブの植物形態、花色生化学、車窓からの風景は地学的面から解説し、自然景観の「なりたち」について学び、花菖蒲園では、ハナショウブを教材にして、実物観察による植物形態や新品種の作出のことなどについて学習した。
[2] 玉川上水付近の樹木の名前調べ、薬用植物の基礎的知識を学習した。
[3] 古生代の樹木すなわち化石と現世代の樹木との相似する点を化石実習と自然観察とにより学習し、森林の効用とその保護の重要性を学習した。
 身近かな自然を科学的にとらえる見方、自然のなりたち、しくみなどを学ぶとともにあわせて心身の健康を養い、人と自然との調和ある自然保護の重要性を知らしめた。
3) 開催場所、開催回数、開催日数
東京近郊1回1日、近県2回日帰り1回、1泊2日1回、計年3回
[1] 静岡県掛川市原里110 加茂花菖蒲園
(開催日 6月7日、第48回)
[2] 東京都小平市中島町 東京都薬用植物園ほか
(開催日 10月19日、第49回)
[3] 栃木県那須郡塩原町塩原、奥塩原新湯
(開催日 11月15〜16日、第50回)
4) 講師人員  各回2名(計6名)
5) 参加者数  [1] 開催日 6/7、49名、[2] 開催日 1O/19、31名、
[3] 開催日 11/15〜16、42名、  合計121名
6) 対象    一般、教員等

■事業の成果

本事業は、東京農業大学名誉教授 近藤典生博士監修 湯浅浩史・前川文夫編『マメ科資源植物便覧』を作成し配布できたことは、これらに関係する専門機関、専門学者等に対するマメ科植物資源の活用および研究の展開を啓発するとともに、あわせて専門学者の指導による自然観察会“自然をみるつどい”を開催したことは、ひろく一般に科学する心を啓発することとなり、もって科学の振興に資するところ大なるものである。





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