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「海洋汚染防止の調査研究」の報告書

 事業名 海洋汚染防止の調査研究
 団体名 日本海難防止協会 注目度注目度5


■事業の内容

A. 海洋汚染防止対策の調査研究
(1) 実施の項目
イ. IMO海洋環境保護委員会、バルクケミカル小委員会の審議事項の調査研究及び対処方針案の検討
ロ. IMO海洋環境保護委員会、バルクケミカル小委員会への代表者の派遣
(2) 実施内容
イ. IMOのMEPC及びBCHにおける審議内容の検討及び対処方針 案策定並びにMARPOL73/78の国内法化等に寄与するため、これら会議の前後に関係当局及び関係団体等で構成する連絡調整委員会及び作業部会を開催し、情報の交換、意見の調整及び対処方針案の審議等を行った。
ロ. IMO第21回、第22回MEPC及び第15回BCHに代表を派遣し、政府代表を補佐するとともに、会期中に設けられた作業部会に参画して、予め定められた対処方針に従い、わが国の意見の反映に努めた。
 また、会議の模様及び各国の動向を把握して委員会に報告し、さらに年間を通じ海洋汚染に関する国際関係資料の収集、ほん訳及び解析を行った。
ハ. 海洋汚染の科学的分野における専門家グループ(GESAMP)の有害物質評価作業部会(EHS・WG)に対応するため、GESAMP対応作業部会を開催し、新規化学品の汚染評価及び既存分類の見直しに関する国際動向を明らかにするとともに、わが国の化学品製造業界の意見を聴取し、対処方方針案の作成を行った。
B. 海上流入物質の海洋生態系に及ぼす影響の調査研究
(1) 実施の項目
イ. 非持続性油及び油類似有害液体物質の海産生物に及ぼす影響の実験研究
ロ. 液体化学物質の海産生物への着臭に関する実験研究
(2)実施の内容
イ. 油等の海産生物に及ぼす調査研究
(イ) 非持続性油の海産生物に及ぼす影響の実験
 非持続性油が、海産生物に及ぼす影響を明らかにするため、つぎの実験を行った。
a. 非持続性油による、イワフジツボの呼吸阻害に関する実験
b. 非持続性油による、イソスジエビの生残に関する実験
(ロ) 油類似物質の海産生物に及ぼす影響の実験
 油類似物質が、海産生物に及ぼす影響を明らかにするため、つぎの実験を行った。
a. 油類似物質による、イワフジツボの呼吸阻害に関する実験
b. 油類似物質による、イソスジエビの生残に関する実験
c. 油類似物質が、ヒトエグサの生育に及ぼす影響の実験
d. 油類似物質が、マルバアマノリの生育に及ぼす影響の実験
ロ. 液体化学物質の海産生物への着臭に関する調査研究
 液体化学物質が、どのように海産生物に着臭の影響を与えるかを明らかにするため、つぎの実験を行った。
(イ) スチレンモンマー及び2.4-ジクロロフェノールによる、コイ、マダイヘの着臭に関する実験
(ロ) ピリジン、0-ジクロロべンゼン、ジイソプロピルベンゼン及びメタアクリロニトリルによる、コイヘの着臭に関する実験
C. ばら積み有害液体物質の排出基準の調査研究
(1) 実施の項目
イ. ケミカルタンカーにおける通気清掃に関する調査研究
ロ. ケミカルタンカーのバラストクリーン化対策に関する調査研究
(2) 実施の内容
 IMOは、MARPOL73/78の附属書<2>のうち技術的に実施が困難な規定を実態に合わせて改正すること、及び科学的に再検討の必要な規定を改善することを本旨として、各国から提出された改正案を検討してきた。
 また、ケミカルタンカーからの貨物残留物及びその混合物の排出方法を規定する「有害液体物質の排出のための方法と設備の基準」(P&A基準)についても改正案が検討されてきた。なお、この基準案は、外航ケミカルタンカーを対象に検討されていることから、わが国の多くの沿岸航行小型ケミカルタンカーに適用する場合の妥当性についても考慮に入れる必要が生じた。
 このような「ばら積み有害液体物質」の海洋への排出規制についての問題点を的確に把握し、解明するため、2つの部会を設置して、それぞれ次の調査研究を行った。
イ. ケミカルタンカーにおける通風清掃に関する調査研究
 揚荷後の貨物タンクを洗浄する場合、蒸気圧の高い一定の物質については、通風清掃方法を用いることができる旨、P&A基準に規定されている。このような通風方法を船舶が実施するためには、積載物質と換気方法との関係を明らかにしなければならない。
 このため、通風清掃部会を設置して、代表的な化学物質を対象に実船実験を行い、通風清措マニュアルを作成するための資料とした。
ロ. ケミカルタンカーのバラストクリーン化対策に関する調査研究
 昨年度は、クリーンバラストを得るためのマニュアル案をバラストクリーン化部会において作成した。
 本年度は、昨年度に引続いてそのマニュァルに基づきケミカルタンカーにバラストを漲水し、そのバラストの清掃の程度を明確にし、マニュアル案の妥当性を検証するとともに、条約の規定するクリーンバラストに対応する客観的関係を明らかにした。
D. ばら積み海上輸送される液体化学物質についての情報収集と機械処理の調査研究
(1) 実施の内容
 FACOMシステム80の追加機材(増設マイクロディスク装置F5095B2 1台、増設マイクロディスク装置F5095B3 1台、日本語高速プリンター装置F6982A 1台)を設置した。また、データの収集を開始し、本年度は約400物質についてのデータ収集を行った。
E. 有害液体物質の残存濃度測定のための試料前処理に関する調査研究
(1) 実施の内容
 本研究の方針に従い、汚染分類A類の有害液体物質のタンク洗浄液中の物質残存濃度測定のための試料前処理法を実験的に実施し、その結果を検討した。
 試料前処理法の実験は、(社)日本海事検定協会及び(株)新日本気象海洋に委託した。
F. 海洋環境アセスメントに関する調査研究
(1) 実施の項目
イ. 日本周辺海域の油による汚染状況の調査及びアセスメント関連の内外の文献資料の収集
ロ. アンケート調査により、船舶の運搬に伴い発生する廃油に係る調査
(2) 実施の内容
イ. 委員会を開催して、本年度を初年度とする4年間にわたる調査研究の作業方針の検討を行った。
ロ. 海洋環境アセスメントの調査研究の基礎資料となるわが国周辺海域における油による汚染の現状も、環境庁、気象庁及び海上保安庁の実施している汚染に係る調査結果から明らかにした。
 また、アセスメントに係る内外の文献の収集を行った。
ハ. 昭和58年10月2日「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」の一部が改正され、油の排出規制の強化されたことから、船舶のビルジ及びタンク洗浄流液等の発生量、排出海域、排出油量及び廃油の受入施設等への処理等の変化を把握し、海洋に排出される油の量を推計するためにアンケート調査を船種船型別に4,986隻を対象に実施した。
■事業の成果

海洋汚染防止に関する調査研究は、優先的課題としてMAPOL73/78条約の附属書<2>(ばら積みの有害液体物質による汚染の規制のための規則)の技術的問題の解明におき、ついで本質的な海洋生態系への汚染物質の影響などの研究に焦点をしぼって実施した。
 国際的には、IMOの海洋汚染防止分野における活動への貢献が挙げられる。上述の附属書<2>は、昭和62年4月6日に実施になることが合意されているが、この規則の改正及び方法と設備の基準の見直しに当っては、専用ケミカルタンカーに対する排出方法の緩和規定、油類似物質の運送要件の新設及びタンク内貨物残留量の算定方法などについて、バラストのクリーン化及び貨物タンク通風浄化方法の調査研究が活用されている。
 また、わが国ばら積み運送されている有害液体物質のうち、特に水生生物に対して着臭性のある物質及び暫定分類のものの汚染分類確定に、生物実験の結果がGESAMP EHSを通じて反映され、附属書<2>の物質表の作成に利用されている。
 一方、国内的には、MARP073/78条約の実施に当って、MEPC及びBCHの会議報告などを通じて官民の意志疎通が図られ、効果的な国際対応及び附属書<2>の円滑な国内法化に寄与した。
 また、条約の議定書I(MARPOL73/78条約第8条に基づく有害物質に係る事件の通報に関する規則)の国内規則制定に際しては、排出有害物質の要通報量の設定の基礎資料として水生生物の実験結果が採用されている。
 以上のように、基礎的かつ本質的な調査研究の蓄積が、その時に応じて大きく貢献しているものと思われる。





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