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■事業の内容

A 観光資源の調査
 観光資源保護計画の作成のための調査はすでに観光資源専門委員会の議を経た下記5件の調査対象について実施した。
1) 調査項目
[1] 自然的、歴史的、社会的条件
[2] 現状
[3] 住民意識
[4] 保護・利用の構想
2) 調査方法
 斯界の学者、学識経験者等による調査団に委託し、現地調査を行ない報告書を作成した。
3) 調査対象
[1] 南部の曲り家      岩手県遠野市
[2] 葛城の道        奈良県御所市
[3] 黒江の町並みと町屋   和歌山県海南市
[4] 利神城と平福の町並み  兵庫県佐用町
[5] 長崎・中島川       長崎県長崎市
4) 報告書の作成
[1] 規格   B5判又はA4判 タイプオフセット印刷
[2] 部数   200部
[3] 配布先  官公庁、都道府県(市町村含む)、報道関係、図書館、関係団体、調査対象関係先等
B 観光資源保護思想の普及高揚
1) 広報誌・資料の作成・配布
a 広報誌「自然と文化」の発行・配布
 観光資源に関する基本的問題についてテーマごとに特集し、その調査研究の成果及びニュースなどを掲載する広報誌を作成、配布した。
 なお、今年度は本誌の発行の意図をより明確に読者に訴えるため、特集テーマに応じて2回増頁した。
58年夏季号 特集「渚と日本人」昭和58年 6月15日発行
58年秋季号 特集「東京論」  昭和59年 9月15日発行
59年新春号 特集「蔵の文化」 昭和58年12月15日発行
59年春季号 特集「風」    昭和59年 3月15日発行
[1] 規格B5変型判64頁(夏号・新春号)、
72頁(秋号・春号)
[2] 数量   3,000部×4回  12,000部
[3] 内容   観光資源に関する情報、調査、研究の成果等を掲載する。
[4] 配布先  官公庁、都道府県(市町村を含む)、報道関係、図書館、博物館、観光関係団体、自然保護団体、審議会委員等
b 「観光資源のしおり」の作成・配布
 歴史的・文化的価値が高く、保護を要する文化財又は優れた自然景観等の普及啓蒙資料として、下記観光資源を対象に作成し、広く一般に配布した。
観光資源のしおり  「佐原の町並み」
規格        B6判 24頁
発行部数      10,000部
C 観光資源保護整備の実施
(1) 環境の整備
 歴史的・文化的価値が高いにもかかわらず、放置され荒廃して、緊急に保護・整備の措置を必要とする下記の観光資源について、景観・環境や建物の維持回復を図る環境整備工事を実施した。
[1] 大平宿
所在地  長野県飯田市大平
 昭和55年度の家屋改修計画の企画研究に基づいて、集落保存再生のモデルとして「満寿屋」(屋号)改修の整備工事(第2期)を実施し、同事業を完了した。
[2] 大美和の社
所在地  奈良県桜井市三輪
 三輪山周辺の豊かな自然的・歴史的な環境の保全と山の辺の道における観光レク者の散策・憩いの場づくりを目的として、観光資源保護財団、飛鳥保存財団、大神神社の三者の共同事業として進めている大美和の社整備事業の第1期事業として、第1次植栽工事(アラカシほか595本植樹)を実施した。
(2) 標柱の制作設置
 歴史的・文化的価値の高い観光資源の起源・沿革、特徴などを解説し、その保護の必要を広く一般に周知せしめるため、下記のとおり標柱の制作設置事業を実施した。
有田古窯跡群  (標柱8基)
所在地  佐賀県西松浦郡有田町
 窯名
楠木谷窯跡    1基
枳藪窯跡     1基
年木谷2号窯跡   1基
西登窯跡     1基
天神町窯跡    1基
外尾山窯跡    1基
天神森窯跡    1基
源左衛門窯跡   1基

■事業の成果

産業開発、宅地造成等により歴史的・文化的価値の高い観光資源が破壊・損傷され、放置・放任されている場合が少なくない。
 よって、本事業により、これら観光資源の保護計画作成及び補修整備を実施し、併せて広報誌・資料と作成配付したことは、一般の人々の観光資源に対する理解と認識を高め、ひいては、観光事業の健全な発展に大いに寄与するものと思われる。





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