■事業の内容
(1) 世界解撤船腹量の推移とその変動要因の調査分析 1970年から1980年までの間の世界解撤船腹量の推移を調査しこれを船種、船型、船令別その他の角度から検討するとともに、関係諸指標との関連を分析した。 [1] 調査分析事項 a. 各年毎の船種別、船令別、トン数別、船籍国別、市場別解撤量 b. 各分類毎の現在船腹量との対比率 c. 海上運賃、保有量、船価、鉄屑価格等、他の係数との関連 d. 解撤量変動の特殊要因 [2] 調査・分析結果にもとづく事項別トレンドの作成 [3] 報告書を作成し、関係方面へ配布した。 (2) 鉄屑、伸鉄材の需給動向と価格変動要因の調査分析 内外の経済変動に伴う鉄屑、伸鉄材の需給動向と価格変動要因の連動について調査分析した。 [1] 調査・分析事項 a. 時系列による需給と価格の変動を調査するとともに、これと他の経済指標との関連 b. 価格の地域格差、品質格差その他の格差の実態及びその発生要因の調査分析 c. 輸入鉄屑(C&F)と国内購入屑との価格関係の軌跡とその需給に及ぼす効果 [2] 解撤船舶の処理材(回収材)の鉄屑、伸鉄材一般の需給動向、価格変動との係り合いの分析 [3] 報告書を作成し、関係方面へ配布した。 (3) スペインの船舶解撤業の動向調査 世界の船舶解撤業界においても最も近代的経営方法を行っていると思われるスペインの解撤業の実態を調査した。 [1] 調査事項 a. 船舶解撤業者の実態、欧州鉄鋼業界との結びつき及び政府施策の方向 b. 近代的な特定船舶解撤業者についてのケーススタディー [2] 経営実態、経営方法についての評価 [3] 報告書を作成し、関係方面へ配布した。
■事業の成果
[1] 世界解撤船腹量の推移とその変動要因の調査分析 1970年から1980年までの間の世界解撤船腹量の推移を調査してみて、解撤船腹量の増減変化と解撤船価の動きとが必ずしもパラレルなものでなく、両者の間にはそれぞれ固有の変動要因があること、また、解撤船腹量と世界総船腹量との間においても海運、造船固有の理由により、各年の船種別、船型別、船籍国別の解撤船腹量とその関係指標との間にある関連を知るに足る資料を得た。 [2] 鉄屑、伸鉄材の需給動向と価格変動要因の調査分析 内外の経済変動に伴う鉄屑、伸鉄材の需給動向と価格変動要因との連動について調査分析を行い、特に時系列によるこれら変動の推移と経済諸指標との関連を解明した。 これにより価格の地域格差、品質格差を知るとともに、輸入くずと国内購入くずとの需給及び価格関係の軌跡を把握し、また、鉄屑、伸鉄材の売却先による販価の分析を行って、船舶解撤業者のこれら事項に対する判断資料を得た。 [3] スペインの船舶解撤業の動向調査 世界の船舶解撤業において最も近代的な経営方法により操業すると思われている有力企業を擁し、ヨーロッパ解撤船市場の雄といわれているスペイン船舶解撤業の実態を調査し、また、特定の業者についてのケーススタディーをも併せ行って、今日のスペイン船舶解撤業の実情を知るに足る資料を得た。
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