■事業の内容
(1) 多島、屈折海域における海上交通情報機構のシステムに関する調査研究 [1] 委員会及び作業部会による調査研究 委員会を開催して調査研究方針を定め、作業部会で具体的検討を行った。 A 陸上レーダ局の陰影部、偽像発生海域等の現状と問題点を抽出し、調査研究方針をたてた。 B データ収集の場所(東京湾)、方法(仮設レーダ車)、時刻その他の要領を定めた。 C レーダ装置に関する基礎資料の検討を行った。 [2] 補助レーダ装置の性能に関する調査研究 A データ収集 東京湾内の2箇所(千葉県富津岬および横浜市幸浦)にレーダ及び測定装置を装備したレーダ車を仮設し、観音崎レーダ局と同時刻に映像を収録した。 B データの解析 沖電気工業株式会社東京工場において切替盤によりレーダデータを照合、解析して基礎資料を得た。 ・ 委員会 レーダ映像合成システム調査研究委員会 4回 同 作業部会 4回
(2) 陸上レーダにおける航行援助情報画像の伝送方式に関する調査研究 [1] 委員会および作業部会による調査研究 委員会を開催して調査研究方針を定め、作業部会で具体的検討を行った。 A 陸上レーダ局から船舶へ画像その他の情報を伝送するシステム B 情報を伝送するための通信容量 C 試作装置の主要諸元等の仕様 D 試作装置の室内実験のデータ評価 [2] 受像機用付加装置の試作による調査研究 A 付加装置の設計 a 情報を受像するシステムの設計 b 試作装置の基本システムの設計 c 回路の設計 設計のために、次の検討・調査を行った。 イ市販のテレビ受像機(三菱電機製・CITY-FACE2000)のRF(VHF-2CH)とRGB入力について映像の明瞭度の比較検討 ロ 東京湾を想定したマップデータを作成し海岸線、航路、目標物を記憶・表示する方法の研究 ハ 移動情報の伝送内容の調査 B 付加装置の製作 a 構成部品の購入 b 組立、調整、検査 試作した付加装置は イ 任意地点を中心とした任意スケールのズームアップ機能 ロ 自船の識別 ハ 危険船の表示 ニ 大、中、小型船の表示 ホ 船速/針路の表示 が可能なものとして設計・製作し、評価実験を行った。 C 付加装置の室内評価実験をシュミレーションにより実施した。 イ 性能試験 ロ 特性試験 ハ 記憶試験 ・ 委員会 画像伝送システム調査研究委員会 4回 同 作業部会 4回
(3) 航路標識機能に影響を及ぼす背景光対策のための調査研究 [1] 委員会による調査研究 A 委員会を開催して、次のとおりの調査研究を行った。 a 横浜港、神戸港における背景光の実態調査結果から標識の誘目性、識別性及びその向上手段について評価、検討を行った。 b 背景光模擬装置の基本構想について検討し概要を決定した。 [2] 背景光の実態調査 横浜港、神戸港において委員等により海上より背景光の実態調査を次のとおり行い視認観測及び背景灯火の輝度測定、8ミリ撮影機による記録を実施した。 横浜港 神戸港 調査 昭和57年8月26日 昭和57年9月1日 日・時 18:00〜22:00 17:30〜22:00 調査人員 14名 14名 [3] データ整理及び解析 実態調査で得られた、視認観測記録、写真等のデータを整理し、資料より背景光の輝度及び分布状況の解析を行った。 ・ 委員会 航路標識背景光調査研究委員会 4回 同 作業部会 1回
(4) IALA工業会員委員会への出席及びIALA理事会での意見交換 [1] 工業会員委員会 A 第5回IALA工業会員委員会が6月24日フランス(パリ)において開催された際、本協会副会長宮村栄輔を同委員会に出席させ、各国関係者と機器の開発情報意見の交換を行った。 B 期間 57.6.20〜57.6.27(8日間) [2] IALA理事会 A 第56回IALA理事会が4月15、16日フランス(パリ)において及び第57回同理事会が11月24、25日チリ(バルパライソ)において、それそれ開催された際、本協会嘱託片山雅弘を同理事会に政府委員の補助者として参加させ参加各国と技術上の情報収集及び意見の交換を行った。 B 期間 第56回理事会 57. 4.12〜57. 4.19 第57回理事会 57.11.21〜57.11.29
(5) 諸外国航路標識事業及び関係システム等の開発状況の実態調査 57.11.13〜57.11.26本協会嘱託伊藤昭三九、宮村栄史をイギリス、オランダ、西ドイツの3カ国に派遣し、各国の航路標識事業及び関係システム等の開発状況の実態調査及び関係資料の収集を行った。
■事業の成果
標路標識については、その監視不能海域、陸上レーダー局と船舶のTV受像機との伝送上の問題点、市街灯火等航路標識に影響を及ぼす背景光対策、ならびに国際的な意見交換による情報収集等航路標識事業として明らかにしなければならない技術上、運営上の問題点がある。これらの実情を調査研究し、各種データを備えることによってわが国の航路標識事業の発展に寄与するところ大なるものがある。
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