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■事業の内容

大深度用水中浚渫ポンプ開発の最終年度として、昭和55年度の陸上試験及び56年度の実船試験の結果を総合的に調査解析し、各種のケースに適合する水中浚渫ポンプ実用機の試設計を行った。
(1) 実船試験結果の調査解析
 富津地区及び御前崎地区において実施した実船試験終了後、ポンプ及び電動機の開放点検を行い、各部の機能、摩耗、汚れなどを調査した。さらに、両地区で取得したデータを整理解析した。
(2) 試験資料の総合的検討
 陸上試験及び実船試験の結果から、装置にかゝる振動、ポンプの性能、シール部の耐水・耐久性、電動機の冷却機能・絶縁抵抗および保護監視装置について総合的な検討を行い、実用機試設計に関する資料を得た。
(3) 実用機の試設計
 8000、6000、5000、4000馬力ホンプ浚渫用としての4種の大きさ(900、600、500、400kW)のラダーポンプの試設計を行うとともに、ラダーポンプ搭載に伴う効果ならびに改装上の諸問題の検討を行った。

■事業の成果

大深度浚渫を行う場合、もっとも適切な手段は水中浚渫ポンプ方式である。本事業は、機能面、駆動方式、設置可能水深などにおいて将来のものより優れた特長を有する大深度用水中浚渫ポンプ装置を開発するものである。
 本年度においては、陸上試験及び実船試験で得たデータを総合的に検討して設計に反映する諸事項を抽出し、それらをもとに現有ポンプ浚渫船用ラダーポンプ4種を試設計し、さらにラダーポンプ搭載時の諸問題ならびに効果を検討した。なお、本水中浚渫ポンプをポンプ浚渫船に搭載すれば、大深度浚渫においても高含泥率スラリーを吸揚でき、工費の低減、工期の短縮など経済的な効果は勿論、海外工事や輸出船の競争力強化に役立つとともに、海底骨材の採取、海底パイプラインの敷設、ダム推砂の除去など、単独装置としての広範囲の利用が期待される。





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