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■事業の内容

(1) FRP船廃船解体方法確立のための調査研究
A FRP試験用構造物による基礎実験
a 試験用構造物の作成
 下記のとおり試験用構造物を作製した。
 種類及び寸法
ガンネル部    1m×1m×(25mm〜30mm)
ビルジキール部  1m×1m×(25mm〜30mm)
二重底部     1m×1m×(25mm〜50mm)×700mm
主機台部     1m×1m×(25mm×30mm)×600mm
キール部     1m×1m×500mm×(300mm×250mm)×25mm
スケグ部     1m×1m×1m×25mm
(各単板構造及びサンドイッチ構造)
 数量
6種×2種×2個  合計 24個
 作製場所
(株)西井造船所(伊勢市)
 作製期間
8月15日〜9月30日
b 試験体の切断実験
 基礎実験
実施日程 9月9日〜10日(2日間)
実施場所 魚津 (株)スギノマシン
実施方法 アクアジェットカッターによる切断
実施条件 吐出圧力 3,000〜4,500Kgf/cm2
ノズル径 φ0.3〜0.4mm
切断速度 1m/min〜2m/min
調査員  竹鼻 三雄、船越 卓、職員1名
 第1次実験
実施日程 10月27日〜28日(2日間)
実施場所 魚津 (株)スギノマシン
実施方法 アクアジェットカッターによる切断
実施条件 吐出圧力 3,500〜4,000Kgf/cm2
ノズル径φ0.3〜0.4mm
切断速度 0.5m/min〜2m/min
実施数量 6種×2種×各1個=12個
調査員  船越卓、吉田 公一、職員1名
 第2次実験
実施日程 12月4日〜5日(2日間)
実施場所 魚津 (株)スギノマシン
実施方法 アクアジェットカッターによる切断
実施条件 吐出圧力 4,000Kgf/cm2
ノズル径φ0.4mm
切断速度 0.5m/min〜1m/min
実施数量 6種×2種×各1個=12個
調査員  藤村 譲、鈴木 敏夫、職員1名
c 基礎実験結果の解析
実施内容 基礎、第1次・第2次実験結果の解析
実施場所 (株)スギノマシン
B FRP船廃船解体システムの設計
a 基礎実験解析結果の検討
 基礎、第1次・第2次実験の解析結果を検討
b 廃船解体システムの総合設計
 下記のとおりFRP船廃船解体システムの総合設計を実施した。
 種類及び内容
FRP船廃船切断装置フローシート
増圧機、アキュームレータ
油圧ユニット外観図
給液ユニット外観図
ビーム方式、ノズル移動装置
台車
(運営委員会  5回開催
幹事会    4回開催)
■事業の成果

FRP船は耐久性に富み、価格も比較的低廉等により近年、船復量が増加し漁船についてはその約半数にも達している。このため将来FRP船廃船の相当量の出現が予想される。FRPの不朽性により、他のプラスチックと同様大きな社会問題となりかねない。また一方環境規制の面からみてもFRP船廃船の海洋投棄を規制する動きがあり、早急にFRP船廃船解体処理問題を解決するため、FRP船廃船解体処理方法に関する調査研究を実施した。
 これにより、FRP船廃船解体処理問題の具体的な解決方法を見出すとともに、今後の研究成果をふまえ、社会的問題の惹起防止を図るとともに、FRP船造船業の安定経営のための経営多角化を促進したことは斯界の健全なる発展に寄与するところ大なるものがある。





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