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■事業の内容

(1) 油水分離器
[1] 「船舶の機関室に発生するビルジの性状」及び「舶用油水分離器点検・整備要領」の作成のための調査研究
A. 船舶の機関室に発生するビルジの性状
 油水分離器の開発、改善使用法及び保守等のための基礎資料として、昭和53年度及び54年度に当会において実施したビルジ性状の資料、並びに他の関係資料をもとに、調査検討し、まとめた。
B. 舶用油水分離器点検・整備要領
 定期的検査の実施に伴い、法定検査の円滑な運用に資するため、昭和53年度及び54年度に当会において実施した実態調査、経年劣化試験並びに他の関係資料をもとに調査検討し、要領としてまとめた。
(油水分離器委員会  3回)
(2) 排出油防除資材(オイルフェンス)
[1] オイルフェンスの経年変化を調査するため、4種類を選び、新製時と性能を比較検討し、オイルフェンス保守点検要領を作成するための調査研究
A. オイルフェンスの経年変化試験
 オイルフェンス保守、点検要領作成の基礎資料として、代表的使用方法のものを4種類選び、使用・保管及び保守・点検等の状態を現地で調査した。
 調査先及び型式
a 堺市、ゼネラル石油(株)堺製造所 ブリヂストンPS-PT
b 横須賀市、海上災害防止センター横須賀基地
中村船具工業ナスコー 4EC
B. オイルフェンス保守・点検要領の作成
 緊急事に問題なく使用できるように、保守・点検するための要領を昭和54年度に当会で実施した調査資料及び上記Aの試験結果を参考にして作成した。
(排出油防除資材委員会(オイルフェンス)  3回)
■事業の成果

(1) 油水分離器
 「船舶の機関室に発生するビルジの性状」について詳細な資料が収集でき、調査及び試験の結果がまとめられた。
 ビルジの性状については、これまで各種機関又は団体の調査が行なわれてきたが、今回これも含めた機関室のビルジの傾向として集約できた。これらの資料を利用することにより、今後の油水分離装置の開発、改良及び保守等が効果的に実施できる。
 また、「舶用油水分離器点検・整備要領」は、新海洋汚染防止条例の発効に伴い油水分離器の定期的検査が義務づけられる際に、検査側(運輸省)及び受検側(使用者、製造者、修繕業者)が点検・整備方法の標準として利用することにより、検査制度の円滑な運用と、油水分離器の性能維持に寄与するところ大なるものがある。
(2) オイルフェンス
 昨年度の調査資料及び今年度実施したオイルフェンスの経年変化状態調査結果をもとに、「オイルフェンスの保守・点検要領」としてまとめられた。
 オイルフェンスは、排出油の防除資材の一つとして、緊急事に備え備蓄されているもので、使用の際問題を生じてはならない。このためには、常に保守・点検が必要であり、本要領は備付状態に応じた標準的な保守・点検及び修理方法をまとめてあり、これを利用することにより、オイルフェンスを良好な状態に保つため保守・点検及び修理方法の向上に寄与するところ大なるものがある。





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