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■事業の内容

(1) 写真による保護を要する観光資源の調査
 保護を要する歴史的・文化的価値の高い町並み・集落を取り上げ、全国的に36ケ所を調査の対象とし、撮影・収録した。
 なお、B5変型判16頁の調査写真目録3,000部を作成・配布し、PRにつとめた。
(2) 観光資源保護思想の普及、高揚
[1] 広報誌「自然と文化」の発行
 観光資源に関する基本的テーマの調査・研究を特集し、併せて観光資源のニュースを内容とする広報誌を作成・配布した。
規格    B5変型判 64頁 表紙 4色2頁
グラビア 4色4頁 本文 1色58頁
発行部数  年4回発行 各3,000部
79年夏季号  特集「明治を語る西洋館」
昭和54年6月15日発行
79年秋季号  特集「土に生きる農村」
昭和54年9月15日発行
80年新春号  特集「港町今昔」
昭和54年12月15日発行
80年春季号  特集「神々の宿る熊野」
昭和55年3月15日発行
[2] 観光資源のしおり作成・配布
 優れた自然景観及び歴史的文化的価値が高く、保護を必要とする下記2件について作成し、広く一般に配布した。
観光資源のしおり  11.伊勢の町並み  16頁 10,000部
(B5判)       12.木曾路と妻籠宿 20頁 10,000部
(3) 観光資源の保護
[1] 観光資源保護計画の作成
 緊急に保護を必要とする下記4件の観光資源について、その交通状況・起源・沿革・現状を調査し、保護対策の方向づけを行なった報告書を作成し関係個所に配布した。
規格  B5判 タイプオフ印刷 各200部
1) 観光資源保護計画調査報告書  標津の自然と遺跡群
2)       〃        関の町並み
3)       〃        伊勢河崎の町並み
4)       〃        有田古窯跡群と町並み
[2] 観光資源保護整備の実施
1) 景観の整備回復
 歴史的・文化的価値が高いにもかかわらず、放置され荒廃している緊急に保護を必要とする以下の観光資源について、環境整備工事(第2期造園工事)を実施することで、景観の維持回復を図り、観光資源としての活性化を図った。
旧日本美術院第一部五浦研究所跡
所在地 茨城県北茨城市大津町五浦
2) 解説板の作成・設置
 歴史的・文化的価値の高い観光資源の起源・沿革、特徴などを解説しその保護の必要を広く一般に周知せしめるため、下記のとおり解説板及び標柱を作成し、これを設置した。
イ 喜多方の町並み(解説板10基)
所在地 福島県喜多方市 国鉄喜多方駅前
〃    三津谷集落
〃    杉山集落
〃    寺町(島新商店)
〃     〃 (大和川酒蔵)
〃     〃 (中の越後屋)
〃     〃 (冠木薬局)
〃     〃 (甲斐本店)
〃    小田付町町並み
〃    安勝寺境内
ロ 美濃古窯跡群(解説板4基、標柱6基)
解説板
所在地  岐阜県土岐市泉町久尻  隠居西窯跡
土岐市泉町    元屋敷・隠居山遊歩道
瑞浪市陶町    大川東第三群窯跡
瑞浪市陶町水上字田尻2-1 水上田尻窯跡
標柱
所在地  岐阜県多治見市小名田町 白粉窯跡群
多治見市東町   生田7号窯跡
可児町下切東山  姫下切窯跡
笠原町3981    念仏窯跡
笠原町3071-2    稲荷窯跡
笠原町3894    西窯跡
ハ 小郡の町並み(解説板1基)
所在地  山口県小郡町  旧山陽道道標わき
■事業の成果

急激な産業開発・宅地造成等により歴史的・文化的価値の高い観光資源が破壊・損傷され、放置されている場合が多いので、観光資源の実態調査とその保護計画作成を行うとともに、観光資源保護整備の実施により景観の整備回復に着手、特筆すべき文化遺跡の保存を通じて地方文化振興に寄与した。
 さらに、観光資源に対する一段の理解と認識を深めるための各種の啓蒙活動観光資源の保護を図ったことは観光事業の振興に大いに寄与するものと思われる。





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