第5章
競艇関係団体が一致協力する 〜特別協賛事業
特別協賛は、競艇関係団体が一致して協力する国際博覧会その他高度な公益性がある事業に対し、競艇の特別競走から生じる交付金を拠出するものであり、1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)への協賛に始まり、国際科学技術博覧会、国際船と海の博覧会などの国際博覧会の開催や、笹川平和財団が行う国際理解、国際交流および国際協力を推進する事業に対して協賛金を拠出している。
この10年間も、引き続き国際博覧会の開催その他の事業に協賛してきたが、特に1995年1月に発生した阪神・淡路大震災の際には、被災地復興のための特別競走の実施が速やかに決定され、地域の復興に役立つ各種事業に対して協賛金を活用することができた。
(1)1998年リスボン国際博覧会
バスコ・ダ・ガマのインド到達500周年を記念して、1998年5月から9月にかけて、ポルトガル共和国リスボン市において「リスボン国際博覧会」が開催された。公式参加数は、160カ国・機関(146カ国と14機関)。
日本財団は、全国モーターボート競走施行者協議会とともに、日本館の出展や、日本の「海の日」に合わせて開催されたジャパンデー公式催事、「海と人間〜地球財産への道」をテーマに開催した海洋シンポジウムを支援するため、特別協賛金および助成金を拠出した。
「海洋−未来への遺産」をテーマとする本博覧会は、海の利用と、人類が後世への遺産としての海とどのように共生していくかを考える機会を我々に提示したものとして大変意義深いものであった。
日本館の展示は、単にハイテクの誇示による機能美の追求に終始したものではなく、「交流」「文化」「資源」「環境」の4つの視点を通じて、海を通じた日欧交流の歴史や今日の海をめぐる文化と技術を音と映像を巧みにアレンジして紹介するものであった。
また、次世代を担う子供たちが楽しみながら学ぶことができるよう、参加体験型の展示や粘土人形を用いた3Dシアター(立体映像)を通じて、海の豊かさ、大切さを来館者に伝えた。
日本館への入場者は169万人に達し、参加各国の中でも特に秀逸であるとの高い評価を得た。
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特別協賛金等内訳 |
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全国モーターボート競走施行者協議会 |
7億5,000万円 |
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日本財団 |
特別協賛金 |
7億5,000万円 |
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助成金 |
3億円 |
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合 計 |
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18億円 |
マスコット ジル君(左)と公式エンブレム(右)
リスボン博覧会の会場
来場者(上) 3Dシアター「海はともだち」(下)
東西ドイツ統一10周年という歴史的な節目の年に、大阪万博(1970年)、セビリア万博(1992年)に次ぐ、20世紀最後の一般博覧会として「ハノーバー国際博覧会」が、ドイツ連邦共和国のハノーバー市で開催された。「人間−自然−技術」を基本テーマとした同博覧会は、1992年にリオデジャネイロの国連環境会議で採択された「アジェンダ21」を軸に、21世紀に「持続可能な開発」をしていくために人類が直面する地球的諸課題を見据え、国や個人、企業等が地球レベルで解決策を考えようというものであった。
2000年6月から10月までの153日間にわたる開催期間中、博覧会史上最多の173の国・地域、国際機関が公式参加したほか、10のNPO、NGOが非公式参加機関として初参加し、延べ1,810万人が来場した。
日本館は紙の持つリサイクル性に着目し、再生紙からできた「紙管」を建材とする博覧会史上初のユニークな発想のパビリオンを建築した。地球温暖化問題をメインテーマとする展示では、「地球温暖化防止への挑戦−減らそうCO2!」をキーワードに、地球温暖化問題の緊急性と重要性を訴え、温暖化の主原因であるCO2排出削減に向けた具体的な取り組み等を紹介し、延べ315万人の来館者を迎えた。
また、ジャパンデー公式催事では、和太鼓と西洋のドラムスによる和と洋の競演、これらに加えて尺八、津軽三味線による迫力あるセッションと、女性ダンスグループによるパフォーマンスが、超満員の会場をわかせた。
日本財団は、全国モーターボート競走施行者協議会とともに、日本館の出展、ジャパンデー公式催事を支援するために特別協賛金を拠出した。
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特別協賛金等内訳 |
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全国モーターボート競走施行者協議会 |
3億円 |
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日本財団 |
3億円 |
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合 計 |
6億円 |
ハノーバー博覧会の会場
日本館の外観
日本館の館内
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