事業名 | 総合的海洋管理に関する調査研究等 |
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団体名 | 日本財団 (The Nippon Foundation) |
団体名ふりがな | にっぽんざいだん |
協力団体名 | |
年度 | 2001年度 |
事業種別 | 自主事業 |
実施地域 |
アジア 北米 ヨーロッパ アフリカ |
実施国 |
韓国 日本 米国 カナダ フランス 英国 南アフリカ |
事業金額 | 事業費:¥32,184,821 |
事業内容 |
◇実施の内容◇
1.海外の海洋管理の取組みについて調査を実施した。また、実施されている事業の実情を把握し理解するとともに、採択可能な新規案件を発掘するための調査を行った。 (1)南アフリカ a.日時:2001年4月20 〜 4月28日 b.用務:ウェスタンケーフ゜大学におけるインターネットを利用した遠隔教育の視察等 (2)フィリヒ゜ン a.日時:2001年7月12日〜15日 b.用務: 東アシ゛ア海洋上級専門家政策会議出席など (3)イキ゛リス a.日時:2001年8月5日〜17日 b.用務:国際海事大学連合ステアリンク゛ホ゛ート゛出席及び加盟校との打合せ等 (4)アメリカ・カナタ゛ a.日時:2001年9月6日〜15日 b.用務:海洋管理教育を実施している大学の実情調査、海洋管理教育ネットワーク構想への参加の打診 (5)日本(神戸) a.日時:2001年10月1日〜6日 b.用務:国際海事大学連合第2回総会に関する打合せ・調査及び出席 (6)韓国 a.日時:2000年11月14日〜15日 b.用務:マラッカ・シンカ゛ホ゜ール海峡の利用に関する意見交換、韓国における海洋政策等の現状調査 (7)アメリカ a.日時:2001年11月25日〜12月2日 b.用務:国連総会出席および情報収集等 (8)フランス a.日時:2001年11月30日〜12月9日 b.用務:Global Conference on Oceans and Coasts at Rio+10 出席及び事業確認等 (9)アメリカ・カナタ゛ a.日時:2002年2月23日〜3月3日 b.用務:国際海事大学連合ステアリンク゛ホ゛ート゛会議出席等 (10)韓国 a.日時:2002年3月18日〜22日 b.用務:PEMSEA(東アシ゛ア海域のための環境管理フ゜ロク゛ラム)主催による会議出席等 2.海洋管理研究会の開催 (1)開催回数:研究会3回 ワーキンク゛ク゛ルーフ゜10回、分科会1回 (2)委員構成:海洋関係有識者12名 (3)内 容:総合的な海洋管理を研究し、政策提言を実現するために3つのテーマを取上げ、分科会形式で検討した。 a.海上輸送ルートの安全確保:マラッカ海峡を中心とする中東から日本に至る海上輸送ルートの安全確保について、海洋法、航海の安全、セキュリティーの確保、国際協力などの観点から検討した。 b.持続可能な開発:日本の沿岸域で起っているローカルな問題を重点的に取上げ、沿岸域の統合的管理の視点から検討した。 c.海洋政策:カナタ゛、オーストラリア、アメリカなど世界各国は海洋管理時代に対応するための海洋政策の策定、海洋管理の実現に取り組んでいる。 昨年からの海洋管理の研究を踏まえ、わが国の海洋政策を具体的に検討し、政策提言を作成した。 3.海洋等に関する新規分野開拓のための調査研究 (1)「マラッカ海峡利用に関する非公式会合」の開催 a.開催日時:2001年5月10日(木)13:30-17:00 b.参加者:中国(大連海事大学助教授 Han Lixin、コスコ・シ゛ャハ゜ン株式会社取締役副社長 福ア 隆)、韓国(韓国海洋大学校教授 Dr. Lee Yun-Cheol)、日本(慶應義塾大学法学部長 栗林忠男、(財)マラッカ海峡協議会理事長 犬井圭介、社団法人日本船主協会常務理事 増田恵、日本財団常務理事 寺島紘士) c.内容:マラッカ・シンカ゛ホ゜ール海峡における海上輸送ルートの安全確保について海洋法、航行安全、国際協力の視点から、本海峡の主要な利用国である日本、中国、韓国の専門家及び船社関係者による情報共有と利用国の対応について意見交換を行った。 (2)共同研究(「21世紀の海洋の管理」講座設置)の実施 a.開講日:2001年10月1日から11月19日までの毎週月曜日、合計7回 b.共同研究先:東京商船大学 c.内容:海洋の持続可能な利用、海洋環境の保全、安全な海上交通の確保等をテーマに多角的に考察し、将来の我が国海洋管理政策を担う人材の育成と海洋管理教育の浸透に寄与することを目的に講座を設置し、大学院生を中心に講義を実施した。 (3)海外海事教育訓練機関の関係者(モンテネク゛ロ大学海事学部長)招聘 a.日 程:2001年11月16日(金)〜24(土)日9日間 b.招聘者:Prof.Borislav Ivosevic,Ph.D(モンテネク゛ロ大学 海事学部長) c.内 容:国際船員時代の船員教育を担う各国海事大学とのネットワーク作りの一環として、我が国の海事関連機関の視察、情報・意見交換を行い、モンテネク゛ロの海事教育訓練機関の向上を図ると共に、海事教育訓練機関の国際的ネットワークを拡充した。 (4)「わが国海洋政策に関するアンケート調査」の実施と作業の委託 a.調査名:「わが国海洋政策に関するアンケート調査」 b.調査対象:海洋関係有識者約400名 c.委託先:(社)海洋産業研究会 d.内容:過去に実施した「海洋管理研究会」の成果を踏まえながら、21世紀にあるべきわが国の海洋政策についての提言を行うために、海洋関係に詳しい有識者を対象としたアンケート調査を実施。434名に配布し、178名からの回答を得た。 (5)国際連合経済社会理事会におけるConsultative Status(協議資格)の取得 a.目的:当財団が実施する海洋分野の活動について、国際連合との間の相互利益的な作業関係の構築、海洋分野における世界情勢をつかむための情報収集、および当財団の調査研究に基づく政策提言による国際貢献活動の実施をする。 b.内容:国連経済社会理事会が非政府組織に対して付与している「Consultative Status(協議資格)」の取得申請と関係者と意見交換を行った。 ◇実施の方法◇ 当財団事務局および必要な場合に外部の専門機関を委託先として指定して事業を実施した。 ◇事業の成果◇ 「海洋管理」の分野で先駆的な取組みが実施されている事業の内容と実情を把握できたことは、世界的視野からの社会の情勢に適応した事業を発掘するうえにおいて参考となった。また、海外の現状調査ならびに国際海事大学連合の事業等により、海事教育・訓練分野のみならず、海洋問題全般に渡り国際的な人的ネットワークが広がりつつあり、今後の事業の方向性と可能性を検討するうえで、効果的なツールとなっている。 「海洋管理研究会」を開催し、海洋関係有識者から海上輸送ルートの安全確保、持続可能な開発、海洋政策、海に関する教育・啓発等に関する意見を徴収することにより、今後当財団が「海洋管理」をテーマとする事業を実施するうえで有効に生かすことができると思料される。またそれぞれのテーマに併せた会合の開催、アンケート調査の実施、報告書の作成など国内の海洋関係者への当財団としての指針もアヒ゜ールできた。 上述の調査研究事業を実施したことにより、国際的なネットワークの構築、世界的な視野に立つ社会情勢に適応したいくつかの事業の具現化に目途がたったことは、大きな成果と思料される。 |
成果物 |
海洋と日本 21世紀におけるわが国の海洋政策に関する提言
21世紀におけるわが国の海洋政策に関するアンケート調査 報告書 |
備考 |