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B&G「体験クルーズ」テキストについて
 このテキストには、B&G「体験クルーズ」で行う、船内での研修や小笠原での体験活動に必要な情報が、たくさん載っています。体験クルーズが始まる前に、必ずよく読んで、勉強してください。また、テキストの中には、問題があります。その答えはB&G財団のホームページにありますので、答えあわせをして、学習の効果を高めてください。
 なお、このテキストは、今回の体験クルーズ以外でも、川や海といった水辺で楽しく、安全に遊ぶための情報や、B&G海洋性レクリエーション指導員の資格を取るために必要なことなども載っています。体験クルーズでの研修が修了しても、必要なときに思い出せるように、大切に保管してください。
 
海について
7つの海
 みなさんは、「7つの海」という言葉を聞いたことはありますか?まず、地球には五大陸(ごたいりく)があるのは知っていますね。ユーラシア大陸、オーストラリア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸です。それぞれの大陸を取り囲む(かこむ)海は、大きく3つに分けられます。もっとも広い太平洋、2番目に大きな大西洋、そしてインド洋です。この太平洋と大西洋を北と南に分け、北極海(ほっきょくかい)と南極海(なんきょくかい)を加えたものが、「7つの海」と呼ばれています。
 
地球は水球
 「水のかたまり」である地球は、その表面積(ひょうめんせき)の約70%が海です。北半球(きたはんきゅう)と南半球(みなみはんきゅう)で比べると、北半球の方が陸地の部分は多く、海の割合は60%です。一方の南半球では、80%とほとんどの部分が海となります。これが、「地球は水球である」といわれる理由です。
 
 
海のふしぎ
 みなさんは、日ごろ、なんとなく海を眺めて(ながめて)いると思いますが、海にはふしぎなことがたくさんあります。
 
【海の水はどうして塩からいの?】
1. 何十億年も昔、まだ地球が誕生(たんじょう)したばかりのころ、大気(たいき)には、塩分(えんぶん)を含むガスがありました。やがて、これらの成分は雨に溶け(とけ)、地上へ降り(ふり)注いで(そそいで)大きな水たまりをつくりあげました。これが海の原点です。
2. その後も、雨はまわりからいろいろな物質(ぶっしつ)を溶かして海へと流れ込み、まざりあって食塩(しょくえん)になりました。この頃の海水は酸性(さんせい)ですっぱかったそうです。
3. このような状態がくりかえされ、海水中に食塩がふえ、塩からくなりました。
 
海流(かいりゅう)はどうしておきるの?
 いつもだいたい同じように進んでいる海水の流れを「海流」といいます。海流が起きる原因(げんいん)はいろいろありますが、最大の原因は風です。また、地球の自転(じてん)も海流に影響(えいきょう)しています。
 
 
海流を起こす風
 1年中ほぼ同じ方向に吹く「貿易風(ぼうえきふう)」と「偏西風(へんせいふう)」が、大きく影響しています。
 
貿易風は太平洋の赤道付近(北緯15度付近を中心に)で東から西へ向かって吹く風のことをいいます。エルニーニョ現象を引き起こす原因と考えられています。
偏西風は南北両半球の緯度45度付近を中心に西から東に向かって吹く風のことをいいます。
 
 
 
地球の自転(じてん)
 地球の自転の影響を受けて、海流は北半球(きたはんきゅう)では右回りに、南半球(みなみはんきゅう)では左回りに流れます。もし、旅行などで南半球に行く機会(きかい)があったら、トイレや洗面所で水の流れを観察(かんさつ)してみましょう。
 
 
潮の満ち干(みちひ)はどうして起こるの
 月に面した側は、月の引力がもっとも強いので海水はそこへ引き寄せ(よせ)られ、海面(かいめん)がもりあがり満ち潮(みちしお)となります。月の反対側では、遠心力が強く働いて海水を引き寄せるため、海面がもりあがり、同じように満ち潮となります。これと90度の方向では、海面が下がり引き潮(ひきしお)になります。
 また、潮が満ちてきて、海面が1日でもっとも高くなったときを満潮(まんちょう)、潮が引いてもっとも海面が低くなったときを干潮(かんちょう)といいます。


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