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VI 「PSC検査官ネットワーク」マレーシア編
現地日程表
項目 場所
2007年1月23日(火) 移動(バンダルスリブガワン〜シャーアラム)
2006年1月24日(水) ポートケラン及び他の地域のPSC検査官とネットワーク構築事業に関するミーティング(出席者名簿は別紙5) マレーシア海事局(在ポートクラン)
PSC検査官との懇親会
2006年1月25日(木) ポートクラン港湾視察 ポートクラン
2006年1月26日(金) 移動(シャーアラム〜東京)
 
(国内作業)
1. 名簿の作成
 各国のPSC検査官のデータベースを整備するために、まず、マレーシア人PSC検査官で、過去12年間に亘る東京エムオウユウのPSC検査官研修プログラムを受講したことのある者の名簿を作成し、完成名簿のひな型とした。
 
 同時に、事務局を提供している国として、日本の現PSC検査官の名簿も作成、提出した(巻末別表1参照)。
 
(海外作業)
2. ネットワーク構築調査
(1)ネットワーク構築に当たり、まず東京エムオウユウの過去の研修プログラム受講者に中心的存在になってもらおうと、過去の研修プログラム受講者への事業概要の説明、打ち合わせのために、下記の日程でマレーシアの海事局が在るポートクランを訪問した。
 
(2)日程
1)平成19年1月24日(水)終日、マレーシア海事局において、マレーシア全土から集まったPSC検査官とのネットワーク構築事業に関するミーティング及び意見交換等を行なった。PSC現場で直面している問題等について説明も受けた。その夜、事務局が夕食会を催し、関係者との情報交換並びに懇親の場を持った。
2)翌25日(金)ポートクランの港湾施設を視察した。
 
(3)現地派遣者
寧 正  財団法人 東京エムオウユウ事務局 企画課長
秋元 文子  財団法人 東京エムオウユウ事務局 業務課長
小久保 佐恵喜 国土交通省 海事局 総務課 外国船舶監督業務調整室 専門官
 
.1 趣旨説明
 まず事務局が、以下の説明を行った。
.1.1 本事業は、日本財団助成事業として、過去12年間に「基礎研修コース」及び「フェローシップトレーニング」を受講した各国のPSC検査官延べ約430名(内マレーシアからの受講者は延べ39名)の人脈を実際のPSCに有効的に活用するため、ネットワークを作るための事業であることを説明するとともに、受講者がネットワークの中心となって機能することを希望する。
 
.1.2 「基礎研修コース」及び「フェローシップトレーニング」の他に、ポートクランには2000年に2回、2001年及び2004年度に1回ずつ計5回に亘り、東京エムオウユウの費用でニーズに応じた専門家を派遣(Expert Mission)し、延べ101名が受講した。
 
.1.3 具体的なネットワークの活用法として、前寄港地で指摘された欠陥を、次港で是正する必要が生じた場合、次港への通報を、補完するために使用することなどが期待される。
 
.1.4 上記目的のため、PSC検査官名簿の作成が重要である。
 
.1.5 ネットワーク構築の基幹となっている、「東京エムオウユウの研修プログラム」について、事務局業務課長がプレゼンテーションを行なった。
 
.2 ネットワーク構築事業に対するマレーシア側の対応
.2.1 東京エムオウユウ設立以来、マレーシアのPSC官が検査官研修プログラムで積極的に学ぶ機会を与えられており、支援を行っている日本財団、国土交通省海事局及び事務局に感謝するとともに、ネットワーク構築への理解を示し、構築に協力を惜しまない旨の発言があった。
 
.2.2 事務局がひな型として作成したマレーシア人PSC検査官名簿に基づき、全PSC検査官を網羅した、本年1月現在の地域(港)別PSC検査官の名簿が提出された。これは、研修受講時から所属先の異動があった者に対しては現在の所属先に変更し、また東京エムオウユウのPSC検査官研修プログラムを受講していない検査官を加え、マレーシア全域のPSC検査官を網羅する最新のものである。
 
.2.3 マレーシアPSC検査官名簿の作成、更新を含めたネットワークの責任者として、船舶安全班(Ship Safety Unit)の首席である、Abdul Samad Shaikh Osman氏が指名された。
 
.3 ネットワーク構築にわるその他の情報
.3.1 各国のPSC検査官が実際に他国のPSC官と連絡を取り合い、ネットワークを構築し、サブスタンダード船の欠陥の是正を求める必要を促すため、「東京エムオウユウの活動」について、事務局企画課長がプレゼンテーションを行った。
 
.3.2 次に、事務局のホスト国として、国土交通省外国船舶監督業務調整室専門官から、日本のPSCの実績並びにPSC官の配置等についてのプレゼンテーションが行なわれた。
 
.4 マレーシアのPSC体制の現状
.4.1 マレーシアでは、PSC業務は兼務であり、専門官が存在していないとの報告があった。
 
.4.2 事務局企画課長がプレゼンテーションで扱った東京エムオウユウの技術的なトピックに対し質問が集中したことから、事務局がその都度各国に配布するPSC関連の技術的な情報が、中央政府から地方の検査官まで十分に行き渡っていないとの印象を受けた。
 
.5 ポートクラン港湾施設視察
.5.1 1月25日(木)、ポートクランの港湾施設のうち、北港ターミナル、西港ターミナル及びスタークルーズ(客船)専用ターミナルを見学した。北港と西港は、マレーシアが誇るコンテナターミナルであり、経営は政府が50パーセント出資している民間会社である。またスタークルーズのターミナルでは、ISPSコードを非常に意識している印象を受けた。
 
3. とりまとめ作業
 国内作業1. を元に、2. の海外作業で得られた情報、意見を勘案して、具体的な成果として次のリストを作成した。(○印はネットワーク責任者)
 
■マレーシアPSC関係者名簿(巻末別表6)


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