日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 法律 > 成果物情報

犯罪被害者週間全国大会2006

 事業名 犯罪被害者支援に関する周知啓発及び支援体制整備
 団体名 全国被害者支援ネットワーク 注目度注目度1


犯罪被害者等基本法(平成十六年十二月八日法律第百六十一号)
目次 前文
第一章 総則(第一条―第十条)
第二章 基本的施策(第十一条―第二十三条)
第三章 犯罪被害者等施策推進会議(第二十四条―第三十条)
附則
 
 安全で安心して暮らせる社会を実現することは、国民すべての願いであるとともに、国の重要な責務であり、我が国においては、犯罪等を抑止するためのたゆみない努力が重ねられてきた。
 しかしながら、近年、様々な犯罪等が跡を絶たず、それらに巻き込まれた犯罪被害者等の多くは、これまでその権利が尊重されてきたとは言い難いばかりか、十分な支援を受けられず、社会において孤立することを余儀なくされてきた。さらに、犯罪等による直接的な被害にとどまらず、その後も副次的な被害に苦しめられることも少なくなかった。
 もとより、犯罪等による被害について第一義的責任を負うのは、加害者である。しかしながら、犯罪等を抑止し、安全で安心して暮らせる社会の実現を図る責務を有する我々もまた、犯罪被害者等の声に耳を傾けなければならない。国民の誰もが犯罪被害者等となる可能性が高まっている今こそ、犯罪被害者等の視点に立った施策を講じ、その権利利益の保護が図られる社会の実現に向けた新たな一歩を踏み出さなければならない。
 ここに、犯罪被害者等のための施策の基本理念を明らかにしてその方向を示し、国、地方公共団体及びその他の関係機関並びに民間の団体等の連携の下、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する。
 
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、犯罪被害者等のための施策に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体及び国民の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等のための施策の基本となる事項を定めること等により、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もって犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「犯罪等」とは、犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。
2 この法律において「犯罪被害者等」とは、犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族をいう。
3 この法律において「犯罪被害者等のための施策」とは、犯罪被害者等が、その受けた被害を回復し、又は軽減し、再び平穏な生活を営むことができるよう支援し、及び犯罪被害者等がその被害に係る刑事に関する手続に適切に関与することができるようにするための施策をいう。
(基本理念)
第三条 すべて犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。
2 犯罪被害者等のための施策は、被害の状況及び原因、犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて適切に講ぜられるものとする。
3 犯罪被害者等のための施策は、犯罪被害者等が、被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間、必要な支援等を途切れることなく受けることができるよう、講ぜられるものとする。
(国の責務)
第四条 国は、前条の基本理念(次条において「基本理念」という。)にのっとり、犯罪被害者等のための施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等の支援等に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(国民の責務)
第六条 国民は、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することのないよう十分配慮するとともに、国及び地方公共団体が実施する犯罪被害者等のための施策に協力するよう努めなければならない。
(連携協力)
第七条 国、地方公共団体、日本司法支援センター(総合法律支援法(平成十六年法律第七十四号)第十三条に規定する日本司法支援センターをいう。)その他の関係機関、犯罪被害者等の援助を行う民間の団体その他の関係する者は、犯罪被害者等のための施策が円滑に実施されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
(犯罪被害者等基本計画)
第八条 政府は、犯罪被害者等のための施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、犯罪被害者等のための施策に関する基本的な計画(以下「犯罪被害者等基本計画」という。)を定めなければならない。
2 犯罪被害者等基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 総合的かつ長期的に講ずべき犯罪被害者等のための施策の大綱
二 前号に掲げるもののほか、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 内閣総理大臣は、犯罪被害者等基本計画の案につき閣議の決定を求めなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、犯罪被害者等基本計画を公表しなければならない。
5 前二項の規定は、犯罪被害者等基本計画の変更について準用する。
(法制上の措置等)
第九条 政府は、この法律の目的を達成するため、必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。
(年次報告)
第十条 政府は、毎年、国会に、政府が講じた犯罪被害者等のための施策についての報告を提出しなければならない。
 
第二章 基本的施策
(相談及び情報の提供等)
第十一条 国及び地方公共団体は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため、犯罪被害者等が直面している各般の問題について相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行い、犯罪被害者等の援助に精通している者を紹介する等必要な施策を講ずるものとする。
(損害賠償の請求についての援助等)
第十二条 国及び地方公共団体は、犯罪等による被害に係る損害賠償の請求の適切かつ円滑な実現を図るため、犯罪被害者等の行う損害貝剖賞の請求についての援助、当該損害賠償の請求についてその被害に係る刑事に関する手続との有機的な連携を図るための制度の拡充等必要な施策を講ずるものとする。
(給付金の支給に係る制度の充実等)
第十三条 国及び地方公共団体は、犯罪被害者等が受けた被害による経済的負担の軽減を図るため、犯罪被害者等に対する給付金の支給に係る制度の充実等必要な施策を講ずるものとする。
(保健医療サービス及び福祉サービスの提供)
第十四条 国及び地方公共団体は、犯罪被害者等が心理的外傷その他犯罪等により心身に受けた影響から回復できるようにするため、その心身の状況等に応じた適切な保健医療サービス及び福祉サービスが提供されるよう必要な施策を講ずるものとする。
(安全の確保)
第十五条 国及び地方公共団体は、犯罪被害者等が更なる犯罪等により被害を受けることを防止し、その安全を確保するため、一時保護、施設への入所による保護、防犯に係る指導、犯罪被害者等がその被害に係る刑事に関する手続に証人等として関与する場合における特別の措置、犯罪被害者等に係る個人情報の適切な取扱いの確保等必要な施策を講ずるものとする。
(居住の安定)
第十六条 国及び地方公共団体は、犯罪等により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等の居住の安定を図るため、公営住宅(公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第二条第二号に規定する公営住宅をいう。)への入居における特別の配慮等必要な施策を講ずるものとする。
(雇用の安定)
第十七条 国及び地方公共団体は、犯罪被害者等の雇用の安定を図るため、犯罪被害者等が置かれている状況について事業主の理解を高める等必要な施策を講ずるものとする。
(刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備等)
第十八条 国及び地方公共団体は、犯罪被害者等がその被害に係る刑事に関する手続に適切に関与することができるようにするため、刑事に関する手続の進捗(ちょく)状況等に関する情報の提供、刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備等必要な施策を講ずるものとする。
(保護、捜査、公判等の過程における配慮等)
第十九条 国及び地方公共団体は、犯罪被害者等の保護、その被害に係る刑事事件の捜査又は公判等の過程において、名誉又は生活の平穏その他犯罪被害者等の人権に十分な配慮がなされ、犯罪被害者等の負担が軽減されるよう、犯罪被害者等の心身の状況、その置かれている環境等に関する理解を深めるための訓練及び啓発、専門的知識又は技能を有する職員の配置、必要な施設の整備等必要な施策を講ずるものとする。
(国民の理解の増進)
第二十条 国及び地方公共団体は、教育活動、広報活動等を通じて、犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏への配慮の重要性等について国民の理解を深めるよう必要な施策を講ずるものとする。
(調査研究の推進等)
第二十一条 国及び地方公共団体は、犯罪被害者等に対し専門的知識に基づく適切な支援を行うことができるようにするため、心理的外傷その他犯罪被害者等が犯罪等により心身に受ける影響及び犯罪被害者等の心身の健康を回復させるための方法等に関する調査研究の推進並びに国の内外の情報の収集、整理及び活用、犯罪被害者等の支援に係る人材の養成及び資質の向上等必要な施策を講ずるものとする。
(民間の団体に対する援助)
第二十二条 国及び地方公共団体は、犯罪被害者等に対して行われる各般の支援において犯罪被害者等の援助を行う民間の団体が果たす役割の重要性にかんがみ、その活動の促進を図るため、財政上及び税制上の措置、情報の提供等必要な施策を講ずるものとする。
(意見の反映及び透明性の確保)
第二十三条 国及び地方公共団体は、犯罪被害者等のための施策の適正な策定及び実施に資するため、犯罪被害者等の意見を施策に反映し、当該施策の策定の過程の透明性を確保するための制度を整備する等必要な施策を講ずるものとする。
 
第三章 犯罪被害者等施策推進会議
(設置及び所掌事務)
第二十四条 内閣府に、特別の機関として、犯罪被害者等施策推進会議(以下「会議」という。)を置く。
2 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 犯罪被害者等基本計画の案を作成すること。
二 前号に掲げるもののほか、犯罪被害者等のための施策に関する重要事項について審議するとともに、犯罪被害者等のための施策の実施を推進し、並びにその実施の状況を検証し、評価し、及び監視すること。
(組織)
第二十五条 会議は、会長及び委員十人以内をもって組織する。
(会長)
第二十六条 会長は、内閣官房長官をもって充てる。
2 会長は、会務を総理する。
3 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員がその職務を代理する。
(委員)
第二十七条 委員は、次に掲げる者をもって充てる。
一 内閣官房長官以外の国務大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者
二 犯罪被害者等の支援等に関し優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する者
2 前項第二号の委員は、非常勤とする。
(委員の任期)
第二十八条 前条第一項第二号の委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 前条第一項第二号の委員は、再任されることができる。
(資料提出の要求等)
第二十九条 会議は、その所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。
2 会議は、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
 
附則(抄)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
〔※平成十七年政令第六十七号により平成十七年四月一日から施行〕
 
犯罪被害者の権利宣言
1999年5月15日
全国被害者支援ネットワーク
 
 我が国の犯罪被害者は、生命身体等に重大な侵害を受けた事件の重要な当事者でありながら、長い間刑事司法制度からも社会からも「忘れられた存在」であった。多くの犯罪被害者は、我が国の犯罪被害者支援の充実を願いながらも、声をあげることさえ出来ず、苦しんできた。
 犯罪は社会の規範に反し、人間の基本的な権利を侵害するものであり、また誰もが犯罪被害者となりうる。それゆえに、犯罪被害者を理解と配慮をもって支援し、その回復を助けることは、本来、社会の当然の責務である。
 犯罪被害者が大きな打撃から立ち直り、人間としての幸福を求めて再び歩み始められるように、犯罪被害者の権利を確立することは、単に福祉の増進にとって必要であるばかりでなく、国民の刑事司法に対する信頼を高め、社会全体の利益につながるものである。
 国、地方公共団体は、被害者支援のための総合的な施策を講ずる責務を担うべきである。また、国民は、犯罪被害者のおかれている状況を理解し、支援に協力することが求められる。
 全国被害者支援ネットワークは、このような認識に立ち、ここに以下の犯罪被害者の権利を宣言する。
 
(公正な処遇を受ける権利)
1. 犯罪被害者(犯罪によって害を被った者及びその家族をいう。以下同じ。)は、公正で、かつ個人の尊厳に配慮した処遇を受けるべきである。
 
(情報を提供される権利)
2. 犯罪被害者は、被害を受けた事件の刑事司法手続きおよび保護手続きに関する情報、ならびに被害の回復のために利用できる諸制度に関する情報の提供を受けることができる。
 
(被害回復の権利)
3. 犯罪被害者は、受けた被害について迅速かつ適切な回復を求めることができる。
 
(意見を述べる権利)
4. 犯罪被害者は、刑事司法手続きおよび保護手続きの中で、意見を述べることができる。
 
(支援を受ける権利)
5. 犯罪被害者は、医療的、経済的、精神的及びその他の社会生活上の支援を受けることができる。
 
(再被害からまもられる権利)
6. 犯罪被害者は、再被害の脅威からまもられるべきである。
 
(平穏かつ安企に生活する権利)
7. 犯罪被害者は被害を受けたことからおこるプライバシーの侵害からまもられ、平穏かつ安全な生活を保障されるべきである。
 
編集後記
 昨年末に「犯罪被害者等基本計画」が閣議決定され、いよいよ「犯罪被害者等基本法」の熱いメッセージが具体的に実現の方向に歩み始めた手応えを感じました。さらに、内閣府に設置された3検討会での内容の濃い緻密な論議は被害者や被害者支援に携わる者への大いなる励ましです。
 そのような中、本年も犯罪被害者団体ネットワークとNPO法人全国被害者支援ネットワークの共催による全国大会を開催することができました。今年は、犯罪被害者・遺族も支援者も互いをよりいっそう理解し合いたい、知り合いたい、そのため草の根交流をしようと考え、前泊して語り合いました。
 犯罪被害者団体ネットワークの皆様との半年以上に渡る共同作業では、あらためて友情と連帯の素晴らしさを感じ取ることができました。
 日本財団及び犯罪被害救援基金からは変わらぬ強力な支援を頂戴しました。ボランティアの皆さんの支えも力強いものでした。
 今年の全国大会を支え励まし続けてくださった全国の多くの方々に心より御礼を申しあげます。
NPO法人全国被害者支援ネットワーク 渡辺 直


前ページ 目次へ





サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら
競艇の収益金はあなたの街でこのように使われています



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
4,567位
(24,541成果物中)

成果物アクセス数
458

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2008年11月22日

関連する他の成果物

1.海洋法の執行と適用をめぐる国際紛争事例研究報告書
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から