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気象海象のはなし

 事業名 小型船舶の安全確保
 団体名 関東小型船安全協会 注目度注目度5


2-6 津波(参考文献14)
 津波は、海底の広い範囲では地震による海底の隆起沈降のような急速な地形の変化があった時に発生する。地震による津波は、波浪による沿岸災害に比べて、発生頻度は少ないが、一般に伝搬範囲が広く、エネルギー規模も巨大でその影響が大きく、一度発生すると大きな沿岸災害をもたらすので、相当の注意警戒を要する。近海に地震が発生した場合には、津波の襲来まで非常に短時間の場合があるので、各人が迅速な対応をとる必要がある。
(1)地震による津波の発生の仕組み
 海域での地震により海底の変動(隆起および沈降)が生じると、この海底の変動はその上にある海水を持ち上げ、もしくは引き下げる。すると海面には海底の変動と同時にほぼ同様な変動が現れる。この海面の上下変化は、波長の長い伝播性の波となって四方に広がって伝わり、沿岸で異常な大波となる。この現象を津波という。
(2)津波の伝わる速さ
 津波の伝わる速さは
 V=√gH ここでg=9.8m/s H≒水深(m)である。
 平均水深2,000mとすると地震津波の伝わる速さは、時速500kmで新幹線の約2倍の高速となる。水深が浅くなるに従って遅くなり、水深約10mでは10m/sで世界の短距離走者並となり、5mでは7m/s以下で、人の走る速さとなる。
(3)津波予報
 全国の海岸を66の予報区に分け、また、震源地が本州・四国・九州・北海道の沿岸から約600km以内の地震については、6ケ所の津波予報中枢が「地方中枢」として、それぞれの担当区域に津波予報を発表する。
 約600km以上離れた場所で発生した地震については、気象本庁が「全国中枢」として全津波予報区を担当する。
(4)津波予報の種類と内容
 津波予報は、津波警報と津波注意報からなり、予想される津波の高さにより「大津波」、「津波」、「津波注意」の3段階に区分される。
 
津波予報の種類 解説 発表される津波の高さ
津波警報 大津波 高いところで3m以上の津波が予想されますので、厳重に警戒して下さい。 3m、4m、6m、8m、10m以上
津波 高いところで2m程度の津波が予想されますので、警戒して下さい。 1m、2m
津波注意報 津波注意 高いところで0.5m程度の津波が予想されますので、注意して下さい。 0.5m
 
(5)津波情報の種類と内容
 津波予報が発表される場合、本庁及び管区気象台等から、「津波情報」として、津波の到達予想時刻、津波の高さの予想及び満潮時刻等、津波への対応に必要な情報が随時発表される。
 
津波情報の種類 内容
津波の到達予想時刻・予想される津波の高さに関する情報 各津波予報区の津波の到達予想時刻や予想される津波の高さをメートル単位で発表
各地の満潮時刻・津波の到達予想時刻に関する情報 主な地点の満潮時刻・津波の予想到達時刻を発表
津波観測に関する情報 実際に津波を観測した場合に、その時刻や高さを発表
 
 津波は、その発生場所や地震の起こり方などにより様々なタイプがあり、一般に津波の周期は、数分から数十分と長く、何回も繰り返し来襲し、場合によっては何時間も続くことがある。また、第1波より何回か後の波の方が高くなるのが普通である。
 津波警報や津波注意報が発表されたら、個人の判断や憶測により行動することは危険なので、気象庁では警報・注意報が解除されるまで、テレビ・ラジオなどから得られる情報をもとに慎重に行動するよう求めている
(6)津波に対する心得
(1)一般編
イ 強い地震(震度4程度以上)を感じたとき又は弱い地震であっても長い時間ゆっくりとした揺れを感じたときは、直ちに海浜から離れ、急いで安全な場所に避難する。
ロ 地震を感じなくても、津波警報が発表されたときは、直ちに海浜から離れ、急いで安全な場所に避難する。
ハ 正しい情報をラジオ、テレビ、広報車などを通じて入手する。
ニ 津波注意報でも、海水浴や磯釣りは危険なので行わない。
ホ 津波は繰り返し襲ってくるので、警報、注意報解除まで気をゆるめない。
(2)船舶編
イ 強い地震(震度4程度以上)を感じたとき又は弱い地震であっても長い時間ゆっくりとした揺れを感じたときは、直ちに港外退避する。
ロ 地震を感じなくても、津波警報・注意報が発表されたら、すぐ港外退避する。
ハ 正しい情報をラジオ、テレビ、無線などを通じて入手する。
ニ 港外退避ができない小型船は、高い所に引き上げて固縛するなど最善の措置をとる。
ホ 津波は繰り返し襲ってくるので、警報、注意報解除まで気をゆるめない。
(注)港外:水深の深い、広い海域。港外退避、小型船の引き上げ等は、時間的余裕がある場合のみ行う。
(3)津波避難の心得・・週去に助かった人の実体験等による・・
イ 海釣り、サーフィン、スキューバダイビングなど海辺にいる人々の避難
A 海浜に出かけるときは、事前に海洋生物の異常行動に関する情報を集めるなど、地震津波に普段から関心を持ち、ラジオ等を携行し、津波注意報、津波警報の発表や地震を感じたときは、釣り等を止め浜や磯から離れ高台に避難する。
B 次のような変化があり、いつもの海と異なるときは、すぐに高台へ避難する。
a. 早く大きな引き潮や、著しい潮位の低下が見られる。
b. 急に海藻が揺れ始めたり、倒れたり、流れや渦流が突発的に生じたり、底砂が舞う。
c. 沖に怪光を見たり、大砲か遠雷のような怪音が生じたりする。
d. 海水が濁ったり、黒ずんだりして壁のような高波が沖に見えぐんぐん近付いてくる。
C 防波堤や岩礁の上に居て、津波に気付いたときは高台に避難する余裕が全くないなど、津波に飲み込まれることが必至なとき。
a. 息を大きく吸い込んで丈夫な突起物、岩礁などにしがみつき、息を止めて出来る限り水中で我慢し限度が来たら手を放し水面に浮き救助を待つか、泳いですぐに陸上に避難する。
b. 救命具・ブイ等を身に着け、海に飛び込み、津波や流れによる力で岸壁等に叩きつけられる恐れのない広い場所に浮かび、再び水が引いたら直ぐに陸上に避難する。
c. 救命具や突起物がないときに、水を飲まないようにして水中から浮かび上がり、本片や小舟などの漂流物につかまり、大声で助けを呼ぶなど救助を待つか、遊泳して海浜に上陸して高所に避難する。
d. 大きく丈夫な樹木や電柱等によじ登り、激しい水流から身を守る。終止、沈着機敏に行動しあきらめないことが大切である。
ロ 船に乗っている人の避難
A 地震情報などにより、避難する時間的余裕のある時は、乗客等を下船させ、直ちに港湾外の水深の深く、広い海域に退避する。また、退避できない小型船などは、高台に引き上げ固縛するなど流出防止に努め、乗員は直ちに陸上の高台に避難する。
B 沿岸や内湾に居て地震情報を入手したり、地震を感じた船の人々は直ちに全速で沖出して、真っ直ぐに1〜3マイル以上、水深25〜100m以上の広い海域に避難する。
 原則的には、津波の第一波の来る前の地震後、数分以内に緊急出港し、直ちに沖出しする。しかし、状況により第一波の引き潮でも逃げられるとき、また、第二波でも沖出しができるときは、沖出しする。
 なお、津波が十数分以内で来るときは、チェーンやロープを切断し大至急沖出しする。
C 次のような異常な状況に会ったときは、地震情報を入手しながら直ちに全速で沖出し避難する。
a. 沿岸海域で、風波とは異なる船底を突き上げるような振動、又は押し上げるような感じ、或いは地割れのような水中音を感じたとき。
b. 沖に怪光を見たり、火砲や遠雷のような怪音を聞いたとき。
c. 海藻が急に揺れ始め、一斉に横倒しになり、また底砂が舞う。
D 沿岸に居て津波が白波となり近づくときは、一般に船の長さの半分以下の波高なら波に向かって直進し全速力で乗り切る。
 また、港口や狭水路の激流を受けたときは静まるのを待ち、直ちに沖出しする。
E 港内や岸壁に居て、津波との距離により、沖出しはできないが、若干の余裕があるときは直ちに増索、防舷または双錨投入などの保船措置を施し乗組員は陸上の高台に逃げる。
F 船の目前または遠浅の海岸において4〜5m以上もある高波(ボア)が来たとき、沖出しを止め岸に逃げ、船を捨てて直ちに陸上の高台に逃げる。
 不幸にして船が巻き込まれたときは、船や木片にしがみつき助けを求める。
 
津波の特徴
《気象庁パンフレット「津波から命を守るために」(平成16年3月)》
(拡大画面:199KB)


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