◆これだけは押さえておきたいDV防止法のポイント◆
〜2004年法改正の内容を含む〜
1. 「配偶者からの暴力」の定義〜「身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命または体に危害を及ぼすもの)」または「これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」とされ、一次改正により、対象となる行為の範囲が拡大。
2. 「配偶者暴力相談支援センター」の設置〜都道府県だけでなく、市町村でも機能を果たすことができることとなった。支援センターで担う業務は次の通り。
(1)相談または相談機関の紹介
(2)カウンセリング
(3)被害者及び被害者の同伴者の一時保護
(4)被害者の自立生活促進のための就業促進、住宅確保、援護等に関する制度の利用についての情報提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助
(5)保護命令制度利用についての情報提供、助言、関係機関への連絡その他の援助
(6)被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助
※業務を行うにあたり、必要に応じて民間組織との連携に努めることも新たに規定
3. 保護命令〜「更なる身体に対する暴力によりその生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きい」とき、裁判所が被害者からの申し立てにより加害者に対し発する命令。接近禁止、退去命令、とも、改正により再度の申し立てが可能となった。
(1)接近禁止命令
加害者に、被害者の身近へのつきまとい等を6か月間禁止するもの。一次改正により、被害者だけでなく、被害者と同居する子どもについても接近禁止命令を出すことが可能となった。
(2)退去命令
加害者に、2か月間、住居からの退去を命じるもの。改正前は2週間であった。
※保護命令に違反した者には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
4. 被害者の自立支援〜「国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止するとともに、被害者の自立を支援することを含め、その適切な保護を図る責務がある」と明記
5. 基本方針・基本計画〜内閣総理大臣・国家公安委員会・法務大臣及び厚生労働大臣が定めた基本方針に即して、都道府県は、基本計画を定めるものとされた。2005年度中に、全国の都道府県で、それぞれの状況に即したDV対策基本計画が策定されている。
6. 被害者の適切な保護〜被害者からの苦情の適切かつ迅速な処理が明記。また、職務関係者によ配慮の規定に、「被害者の国籍や障害の有無を問わず、被害者の人権を尊重」し、「安全の確保・秘密の保持に十分な配慮」をすることが明記された。
7. 民間団体への援助〜DV被害者保護を行う民間団体に対し、国及び地方公共団体は、必要な援助を行うよう「努める」とされた。
8. 3年後の見直し〜改正法施行後、3年を目途として施行状況を見直す。
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