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2・6 小型船舶安全規則
第一章 総則
(適用)
第一条 船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第二条第1項の規定により漁船以外の小型船舶に関し施設しなければならない事項及びその標準については、他の国土交通省令の規定(船舶安全法施行規則(昭和三十八年運輸省令第四十一号)第二章の三の規定を除く。)にかかわらず、この省令の定めるところによる。
 
(定義)
第二条 この省令において「小型船舶」とは、次の各号のいずれかに該当する船舶であつて、国際航海に従事する旅客船以外のものをいう。
一 総トン数二十トン未満のもの
二 総トン数二十トン以上のものであつて、スポーツ又はレクリエーションの用のみに供するものとして告示で定める要件に適合する船体長さ(船体の強度、水密性又は防火性に影響を及ぼすことなく取り外しできる設備を取り外した場合における船体の前端から後端までの水平距離をいう。)が二十四メートル未満のもの
2 この省令において「特殊小型船舶」とは、次に掲げる要件を満たしている小型船舶をいう。
一 船の長さ(上甲板の下面における船首材の前面から船尾材の後面までの水平距離をいう。)が四メートル未満で、かつ、船の幅(船体最広部におけるフレームの外面から外面までの水平距離をいう。以下同じ。)が一・六メートル未満であること。
二 最大搭載人員が二人以上のものにあつては、操縦場所及び乗船者を搭載する場所が直列であること。
三 ハンドルバー方式の操縦装置を用いるものその他の身体のバランスを用いて操縦を行うことが必要なものであること。
四 推進機関として内燃機関を使用したジェット式ポンプを駆動させることによつて航行するものであること。
3 この省令において「沿岸小型船舶」とは、沿海区域を航行区域とする小型船舶であつて、その航行区域が次に掲げる区域に限定されているものをいう。
一 平水区域
二 本州、北海道、四国及び九州並びにこれらに附属する島でその海岸が沿海区域に接するものの各海岸から五海里以内の水域
4 この省令において「二時間限定沿海小型船舶」とは、沿海区域を航行区域とする小型船舶であつて、その航行区域が平水区域から当該小型船舶の最強速力で二時間以内に往復できる区域に限定されているものをいう。
5 この省令において「検査機関」とは、管海官庁又は小型船舶検査機構をいう。
6 前各項に規定するもののほか、この省令において使用する用語は、船舶安全法において使用する用語の例による。
 
(同等効力)
第三条 小型船舶の船体、機関、設備及び属具であって、検査機関がこの省令の規定に適合するものと同等以上の効力を有すると認めるものについては、この省令の規定にかかわらず、検査機関の指示するところによるものとする。
 
(小型船舶安全規則に関する細則)
(同等効力)
3.0(a)「検査機関が、この省令の規定に適合するものと同等以上の効力を有すると認めるもの」に該当する物件は、次のものとすること。
(1)表3.0〈1〉左欄に掲げる物件に相応する右欄に掲げる物件
 
表3.0〈1〉
小型船舶用膨脹式救命いかだ
  以下略
小型船舶用信号紅炎
信号紅炎(救命設備規則第35条)
小型船舶用極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置
浮揚型極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置
(救命設備規則第39条)
小型船舶用レーダー・トランスポンダー
レーダー・トランスポンダー
(救命設備規則第40条)
小型船舶用液体消火器
  以下略
 
(2)〜(3)略
(b)次に掲げる設備を備え付けているものは、本条の規定により第58条第4項に規定する小型船舶用信号紅炎を備え付けているものと同等とみなして差し支えない。
 ただし、限定沿海区域を航海区域とする総トン数5トン未満の旅客船及び平水区域を航行区域とする旅客船にあっては、次の(1)から(9)に掲げる設備を小型船舶用信号紅炎の同等物として認めることはできない。
 なお、次に掲げる設備を、関係規則の要件に上乗せして施設する場合については、これらの追加して施設される設備を、小型船舶用信号紅炎の同等物として扱って差し支えない。
(1)漁業無線
(2)マリンVHF
 ただし、16ch(156.8MHz)(緊急通信用)付きのものに限る。
(3)国際VHF(VHF無線電話)
(4)サテライト・マリンホン
(5)サテライトホンDoPaN21
(6)ワイドスター・マリンホン
(7)ワイドスターDoPaN21
(8)ワイドスター・デュオ
(9)インマルサットミニM
(10)携帯・自動車電話(当該船舶の航行区域が携帯・自動車電話のサービスエリア内にあるものに限る。)
(11)浮揚型極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置(船舶救命設備規則第39条の規定に適合するもの。)
(12)小型船舶用極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置(小型船舶安全規則第57条の3の規定に適合するもの。)
(13)持運び式双方向無線電話装置(船舶救命設備規則第41条の規定に適合するもの。)
 
第六章 救命設備
第一節 救命設備の要件
(小型船舶用極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置)
第五十七条の三 小型船舶用極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置は、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
一 非常の際に極軌道衛星及び付近の航空機に対し必要な信号を有効確実に発信できるものであること。
二 水密であり、水上に浮くことができ、かつ、5メートルの高さから水上に投下した場合に損傷しないものであること。
三 信号を発信していることを表示できるものであること。
四 手動により作動の開始及び停止ができるものであること。
五 浮揚性の索が取り付けられたものであること。
六 誤作動を防止するための措置が講じられているものであること。
七 24時間以上連続して使用することができるものであること。
八 適正に作動することが極軌道衛星を利用することなく確認できるものであること。
九 操作方法が装置本体に簡潔に表示されていること。
十 非常に見やすい色のものであること。
 
(小型船舶用レーダー・トランスポンダー)
第五十七条の四 小型船舶用レーダー・トランスポンダーは、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
一 非常の際に付近の他の船舶又は航空機のレーダーに対し有効、かつ、確実に応答することができるものであること。
二 非常の際に未熟練者でも使用することができること。
三 レーダーに応答したことを可視又は可聴の手段により示すことができるものであること。
四 待機状態であることが表示できるものであること。
五 48時間の待機状態を続けた後、8時間以上連続して応答することができるものであること。
六 前条第二号、第四号から第六号まで、第九号及び第十号に掲げる要件
 
第二節 救命設備の備付基準
(救命設備の備付数量)
第五十八条 近海以上の航行区域を有する小型船舶には、次に掲げる救命設備を備え付けなければならない。
一〜八 略
九 小型船舶用極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置 1個
十 小型船舶用レーダー・トランスポンダー 1個
十一 持運び式双方向無線電話装置(船舶救命設備規則第四十一条の規定に適合するもの。以下同じ。)2個(旅客船以外の小型船舶にあっては、1個)
2 沿海区域を航行区域とする小型船舶には、次に掲げる救命設備を備え付けなければならない。ただし、限定沿海小型船舶(総トン数5トン以上の旅客船を除く。)は、第三号から第八号までの規定(沿海小型船舶にあっては、第六号の規定を除く。)に代えて第4項第三号及び第四号の規定によることができる。
(注)「沿海小型船舶等」とは沿海小型船舶及び2時間限定沿海小型船舶をいう。
一〜八 略
九 小型船舶用極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置 1個
十 小型船舶用レーダー・トランスポンダー 1個(同様の機能を有する設備であって国土交通大臣が定めるものを備え付けている小型船舶を除く。)
十一 持運び式双方向無線電話装置 1個(旅客船又は国際航海に従事する小型船舶に限る。)
3 前項の規定にかかわらず、沿海小型船舶等及び航行区域が瀬戸内(特殊貨物船舶運送規則(昭和32年運輸省令第62号)第十六号の瀬戸内をいう。)に限定されている小型船舶には、前項第九号から第十一号までに掲げる救命設備を備え付けることを要しない。
4〜8 略
 
(小型船舶安全規則に関する細則)
(救命設備の備付数量)
58.1(a)第9号から第11号までに掲げる設備は、施行規則第4条第1項の規定により、無線電信等を施設することを免除された同項第3号に掲げる搭載船には備え付けることを要しない。
58.2(a)「非常の際に付近の船舶その他の施設に対し必要な信号を有効確実に発信できる設備であって国土交通大臣が定めるもの」とは、小型船舶安全規則第58条第2項第1号aの設備を定める告示(運輸省告示第343号平成6年5月19日)によるが、同告示第4号の「非常の際に陸上との間で有効かつ確実に通信を行うことができる無線電話装置」とは、次に掲げる無線電話とする。
(1)漁業無線
(2)マリンVHF
 ただし、16ch(156.8MHz)(緊急通信用)付きのものに限る。
(3)国際VHF(VHF無線電話)
(4)サテライト・マリンホン
(5)サテライトホンDoPaN21
(6)ワイドスター・マリンホン
(7)ワイドスターDoPaN21
(8)ワイドスター・デュオ
(9)インマルサットミニM
 
第三節 救命設備の積付方法
(小型船舶用極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置及び小型船舶用レーダー・トランスポンダー)
第六十三条 小型船舶用極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置及び小型船舶用レーダー・トランスポンダーは、非常の際に小型船舶用膨脹式救命いかだのいずれか一隻又は小型船舶用救命浮器のいずれか1個とともに使用することができるように積み付けなければならない。
 
(救命設備の迅速な利用)
第六十三条の二 救命設備は、航海中いかなる時にも良好な状態を保ち、かつ、直ちに使用することができるようにしておかなければならない。







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