日本財団 図書館


7. 四国中央(しこくちゅうおう)いわくら太鼓(だいこ)ろうあ部会(ぶかい)「鼓龍会(こりゅうかい)」 (愛媛県)
― プロフィール ―
 「ろうあ者も頑張れば太鼓が打てるはず!!」そんな思いで昭和62年7月、耳の聞こえない仲間が集まりました。日本太鼓の勇壮な響きを何とか自分たちで表現したいと、磐座太鼓保存会の指導を受け、練習が始まりました。
 太鼓は叩けば音が出ますが、演奏となると全員が同じ「テンポ」で叩く必要があります。それまで音楽の世界を知らなかった私たちには、この「テンポ」をつかむのが大変な苦労でした。
 一つの太鼓を皆で囲んで叩いたり、一列に並んで「1、2、3、4 1、2、3、4・・・」と歩調を合わせて歩く事によって「テンポ」を理解したり・・・と、様々な工夫をしてようやく太鼓の「演奏」ができるようになりました。
 そして今年、私たちは結成20周年を迎えることができ、それを記念して、7月2日には初めての自主公演を開催しました。
 会場の確保やポスター・チケットの作成、舞台進行など、ほとんどを自分たちの力で進め、成功のうちに終了することができました。
 もちろん、私たちを支援してくださる方々や、大勢の協力者の力もお借りしての成功だと思っていますが、私たちの大きな自信となりました。
 また、7月21日から25日の間、初めての海外演奏となる韓国へも行くことができ、素晴らしい経験をしてきました。
 
 
― 実践報告 ―
 皆さんこんにちは。愛媛県から来ました、四国中央いわくら太鼓ろうあ部会「鼓龍会」と言います。
 毎年楽しみにしているこの日本太鼓全国障害者大会への参加も今回で6回目となります。今年もこうして皆さんとお会いできてたいへんうれしく思います。
 さて、私たち鼓龍会は今年で結成20周年になりました。20周年の記念に何かできたらいいなぁと思っていたところ、ある雑誌に私たちが取り上げられた事がきっかけとなって、7月2日には20周年記念公演を、そして7月21日〜25日には初めての海外遠征となる韓国での演奏と、大きな事業を二つも経験できました。
 20周年記念公演では、会場の確保からポスター・チラシの作成、協力出演者の交渉、舞台進行などすべてを自分たちの力で行い、まだまだ不十分な面もあったとは思いますが、周りの方々の力もお借りして、なんとか成功させることができた事は私たちの大きな自信となっています。
 そして、韓国での演奏では観客が立ち上がっての拍手をいただき、ろう者の太鼓、日本の太鼓の素晴らしさを充分伝えることができたと思っています。
 また、韓国の人たちとも身振り手振りで楽しく通じ合うことができました。聞こえる人たちよりもスムーズに、深く分かり合えたような気がしています。
 日本に帰ってからも韓国の方とメールでの交流が続いたりと、鼓龍会の活動も新たな展開がありそうな予感です。
 不思議なことに、20周年と言う節目の年にこのような大きな出来事が続きましたが、この経験をバネにしてこれからも力の続く限り太鼓を叩いていきたいと思います。


前ページ 目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION