日本財団 図書館


4 講師依頼・会場準備・予算
会場
 講義の参加人数が入れるスペースを確保するほか、3グループの実習が可能な複数の部屋スペースがのぞましい。ホワイトボード、マイクなど。
 
スタッフ
 公開講座講師1名、実習講師3人、実習補助者3人。
 各地域の発達障害者支援センター、大学などの専門機関と連携し協力を得る。
 実習講師は自閉症相談に関する経験と専門知識を持ち、実習を行える人に依頼する。
 実習補助者としてメンター資格を持つ親にも協力を得る。
 
予算の確保
(例)ベーシックコース
(収入)
・公開講座参加費 \1,000×200人=\200,000
・メンター養成講座参加費 \3,000×30人=\90,000
(合計\290,000)
(支出)
・会場費(2日間分) \50,000
・講師謝金(公開講座1人+実習講師3人) \150,000
・講師旅費(近隣講師4人分) \12,000
・スタッフ旅費(4人) \8,000
・案内・当日資料作成費 \50,000
・通信費・雑費 \20,000
(合計\290,000)
 
5 対象とする参加者
対象
 支部やブロックにおいて相談活動を行っている家族。またはこれから行う家族。
 知的障害のある自閉症、高機能・アスペルガータイプなど様々な障害のタイプの相談に対応できるよう各支部の中で複数の家族が参加できる方がのぞましい。
 
参加人数
 30人程度
 
6 養成講座の提供者
 支部または近隣の複数の支部が協力して開催する。
 
7 リソースブックの準備
・まずは、地域の行政が出している福祉の案内を集める。
・親同士の生の情報を反映させる。
(病院・美容室・理容室・買い物に利用できる店・余暇活動に利用できる施設等)
・災害に際して、避難場所の確保・情報は大事。
・はじめから完成したものを作らなくてもよいと考える。
・他地域のサービス情報を掲載しておき、自分の地域でも作るきっかけとする。
 
8 相談実習に関する資料と留意点
<相談実習の目的>
・事後に相談者役、観察者役と意見交換をすることにより、どのようにイメージして話を聴いているのかという自分の癖に気づく
・始め方と終わり方の対応を学習する。
・わからないことについての応対の仕方について学習する。
 
<進め方>
・相談者役は相談内容をイメージする。例)過去に自分が受けた相談。
・相談役に意識してもらうポイント。
挨拶や切り出し方について
電話をかけてくれたことに対してのお礼、ねぎらい
自分の立場(専門家でなくて親の立場)の伝達
可能な相談時間の説明を早い段階で伝えておく
声のトーンや声量
言葉の選択など
 
 約5分程度たったら観察者役が合図を出し、終わり方の練習をする。
 流れを見て「そろそろお約束の時間が近づいてきたのですが、今日はお電話をありがとうございました」など切り出す。
 次回の流れについて確認する。次回の相談日や時間、交流会の参加など。
 
<観察者やスーパーヴァイザーがコメントする際のポイント>
・共感的な聞き方について
・こちらの話が相手に伝わっているか
・相手を不快にさせたり、その逆に持ち味となっているくせは何か
・話のテーマとして不明な点は、明らかにしているか
・答えられない質問についての対応は適切か
・自然な流れで終われたか
 
 スーパーヴァイザーは担当する各グループを見て回り、適時コメントを行う。
 1回のロールプレイは約8分→感想用紙記入もしくは口頭での意見交換7分×3回(役割を交代して行う)全体のまとめ10分。
(電話相談実習の進め方の例)
20人規模の場合
 3人ずつの6グループをつくる。2グループにSV1名と補助者1名がつく。
 グループ3人(電話相談員、相談者、観察者)に分かれる。
 相談者と電話相談員は背中合わせになって座る。
 観察者は電話相談員と相談者の視界に入らないような位置に座り観察する。
 その他は、面接基礎実習と同様。
 
<面接基礎実習:気をつけたいポイント>
・はじめに立場と相談可能な時間を伝える。
・メモを取るときは、事前に確認を「メモを取らせていただいていいですか?」。
・分からないことを聞かれたときには、正直に「分かりません」「調べておきます」「適切な機関をご紹介します」等を伝え、また連絡をいただく形を取る。
・相手の相談内容を整理し、確認を取りながら相談を進める。「今のご質問はこういうことですね?」。
・相づちが単調にならないように、相づちレパートリーを増やしましょう。「そうですね」「なるほど」「よかったですね」「大変ですね」「すばらしい」(共感を持つ相づちを心がけて)。
 
<電話相談実習:気をつけたいポイント>
・はじめに立場と相談可能な時間を伝える。
・対面の時よりも、相づちをはっきりと(表情は見えないので)。
・相手が安心できるように、電話口の環境を整える(他の人が周りで聞いていると感じると、相談者は不安になります)
・声のトーンは大事(非対面と対面の違いに気づく)
・相談電話がかかってきたときに、相談を受ける体制でないときは、日時を改めて指定して、正直に断る。
 
9 グループ相談実習に関する資料と留意点
<目的>
・多数の会員が参加する例会等の場で行なわれる相談への対応について、役割分担や進行過程などを意識できるようにする。
 
<グループ相談実習:気をつけたいポイント>
・アイデアが気軽に出せるような雰囲気作りを心がける。
・アイデアが抽象的な場合には、デモンストレーションを行うなどして、アイデアを具体的にすることも必要。
・批判的なコメントに対しては、司会者がきちんとコントロールする。
・ギャラリーが進行を妨げないように協力を依頼しておく 等。


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