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震災がつなぐ全国ネットワーク移動寺子屋 特別編 報告
日時:2007年2月27日(土)18:30〜21:00
会場:被災地NGO協働センター 会議室
襟を正して、伝統民家と向き合ってきた10年とは?
◆日本の伝統民家は世界最高水準のエコロジー建築だ!
いつもより少し多い目の19名の参加を得て、移動寺子屋「巨大地震にも備える住まいを創るには?」を終えました。講師には木質構造学のご専門である鈴木有先生をお招きして約1時間半にわたって、たっぷりと伝統工法による日本独特の民家が、いかに地震にも強く、環境に負荷をかけない、世界で最高水準のエコロジー建築であるかの講義を受けました。先生は、耐震工学、木質構造学の専門家としていち早く被災地に入り、阪神・淡路大震災の惨状と向き合ったとき、一番最初の印象は、「正直言って、やはり屋根の重たい伝統民家はこれほどの巨大地震には耐えられないか」と思ったそうです。ところがその後、震源地である淡路の北淡町に入ったときに、あの巨大なエネルギーに耐えて、見事に残った伝統民家の姿を見て、「最初に思ったことは間違いではないか、むしろ伝統工法による木造住宅だからこそ残ったのではないか?」と思い直されたそうです。
それからは、「襟を正して、民家と向き合う」ことを決意し、以後徹底した調査と実験を繰り返し、伝統工法によって培われた「匠の技」とその技術によって創られていく「木造民家」のすばらしさを発見されました。先生は「まだ、こうした研究は10年ほどです。従ってこうした研究の結果が生きるのかどうかは分からないところもあります。そういう意味では、私はフロントランナーのようなものです。」と控えめにおっしゃっていました。
◆フロントランナーとしての仮説は正しかった!
その後実は新潟中越地震のあと栃尾市半蔵金の被災家屋の調査に入り、被害を受けた1軒1軒のお宅を訪ね、丁寧にお話を聞いて廻られたそうです。その上で信頼関係ができたお家の詳しい調査に入らせて貰い、伝統工法による民家が「あの地震に耐えて、どれだけ振る舞ったのか?」をつぶさに見られたのです。その結果、伝統工法のすばらしさを再確認されたとのことです。みなさまに写真や映像をお見せできないのが残念ですが、ほんとに「匠の知恵と技」というのがすばらしいということが伝わってきます。「襟を正して向き合う」とおっしゃったように、講演の中での言葉づかいや表情などを見ていても、先生の「住まい」に対する姿勢には、ほんとうに感動しました。少し例えとしてはふさわしくないかもしれませんが、大切に育てた子どもが、あらゆる困難に立ち向かい、次から次へと困難を乗り越える「さま」を、温かく見守り続けている好々爺のお姿です。最後に先生がおっしゃったのは「伝統民家の智慧は、資源を完全に循環させ、自然と人とが持続して共生しうる仕組みを生むものだ」ということです。ほんとに学びの多い寺子屋でした。ありがとうございました。
(移動寺子屋担当 被災地NGO協働センター 代表 村井雅清)
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