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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


松茂町
一 松茂町の概要
 松茂町は明治二十二年、町村制の施行以後、松茂村と呼ばれていたが、昭和三十六年八月一日、町に変更した。面積一三、四一平方粁。人員八、五〇〇人。板野郡の東端に位置し、長岸、中喜来、広島、笹木野、住吉、豊中、豊岡、満穂、豊久、長原の一〇大字よりなり、東一帯は茫洋(ぼうよう)たる海原に面し、遥かに紀伊諸山の連峰と、浪の彼方に横たわる淡路島、今切港を隔てて徳島市に、粟津港をはさんで鳴門市と境し、町を左右に環流する旧吉野川と今切川に囲まれている。
 今切港の船舶の出入は徳島港を凌駕し、陸路は徳島市中心部へ七粁、鳴門市へ六粁、徳島県庁を起点とする国道一一号線は、町内を横断して愛媛県松山市に至り、輻輳する諸車は昼夜の別なく往来している。
 昭和三十三年海上自衛隊第三航空群の設置と、四十二年民間航空ターミナル建設は、空港としての整備を強化し、四国の表玄関として生まれかわった。
 当町は、かつて吉野川のデルタ地帯として発達し、藩政時代の大半は芒野であった。郷土の先人たちは幾多の苦難とたたかい、困苦勉励、力を合わせて茅野を開拓して沃地とし、住民のほとんどが農をもって主業としており、その代表的産物は、米穀、蓮根、西瓜など京阪神市場を独占していた。
 昭和十二年、京阪神地区防衛のため、旧海軍航空隊建設に伴い、中心部の実田四五〇ヘクタールを提供、耕作するに田畑はなく、町外に出て土地を求める者が続出した。
 戦後の打撃も大きく、何から手をつけてよいか一時は呆然と虚脱状態となった。加えて南海地震の余波は全町に地盤沈下をきたし、既耕地の塩害甚だしく、多くの不毛の地が続出、離農者も出る始末で、研究の結果、客土工事が実施された。地盤沈下はその後も続き、飲料水の塩分含有は日毎に増し、これが促進となって、上水道の設置、文化生活移行への原動力ともなった。
 なお終戦を機に返還をうけた旧航空隊敷地の開墾。周囲を海川でかこまれ、しかも戦時中荒れるがままに放置され老朽化した堤防の復旧。相次ぐ台風災害。戦後十五年は地域住民にとってもいばらの道であった。昭和三十一年町財政も極度に疲弊し、ついに財政再建団体の指定をうけ再建に取組んだ。
 町民の血のにじむ努力、町の財政再建の意欲、加えて政府の高度経済成長政策などにより短年月で赤字を解消。昭和三十八年新産業都市徳島地区として指定を受けるや、地区内の町として、いち早く建設計画を策定、積極政策に切替えて以来僅かな年月にめざましい発展をとげつつある。
足ることを知れば茶ですむ月見かな
 この句は宗祗法師が、この景勝の地に杖をひき詠んだ名句で、今もなお白砂青松の長原月見ケ丘に苔むす句碑として昔語りを残している。この地は近ごろ海水浴場として足を運ぶ者が多く、海水浴場月見ケ丘の名は、新名所として知られている。
 
空の玄関、空港ビル
 
二 モーターボート競走施行までの経過
(合併の流産と競走事業の誕生)
 いささか逸脱の感があるが、行政上の問題を述べたい。
 本町は、前述したとおり、徳島、鳴門両市の中間にある小さな町で、新産都市徳島地区の中央部にあり、将来一人歩きはおぼつかなく、地方自治団体の適正規模、即ち広域化は、現時点、更に将来において地方行政運営上の必須要件となる。昭和二十八年町村合併促進法施行とともに、合併は全国的に促進され、県内でも同法施行前一二八市町村を数えたものが、今では五〇市町村と減少している。
 本町も広域行政には常に前向きで検討してきたと自負している。
 過去において三度そのチャンスがあったが、しかし事ごとに隘路にさえぎられた。見方によっては町民の後進性ともいえるかも知れない、また他面恵まれた地域環境によることも遠因であろう。
 たまたま昭和四十年、合併問題について真剣な検討が行なわれた時があった。徳島、鳴門の両市の間にぽつんとある本町は、両市からの勧誘に町民の意志はまたも二分されついに流産となった。然しこの過程において、本町のモーターボート競走事業が誕生したのは幸いだった。合併協議の基本計画策定協議においては当然のことながら両市町の財政の現況、見通しなどが比較検討されたが、この時点において鳴門市長谷光次氏がご検討になり、本町の災害復旧費充当財源として「競走事業指定の申請をしてはどうか、市として協力しよう」との厚意あるご提案をいただいたもので、当時本町と同一歩調をとっていた大麻町とともに認可申請を提出する運びとなった。
 以下認可申請より事業開始までの概要を記すこととする。
 昭・四〇・五・二一(松茂町より鳴門市長あて)鳴門市モーターボート競走場貸与願提出。
 昭・四〇・一〇・一五(鳴門市議会)松茂町に鳴門市モーターボート競走場を貸与することにつき承認議決。
 昭・四〇・一一・一五(松茂町議会)モーターボート競走施行町の指定申請について(議決)
 昭・四〇・一一・二七(町長より知事あて)モーターボート競走法第二条に基づく指定申請につき副申依頼について。
 昭・四〇・一二・一(知事より自治・運輸両大臣あて)モーターボート競走法第二条の規定による指定の申請について(副申)
 昭・四一・三・一四(松茂、大麻両町長より知事あて)一部事務組合設立認可申請について。
 昭・四一・三・一六(知事名にて)大麻町、松茂町競艇事業組合の設立について認可。
 昭・四一・五・一(大、松競艇事業組合)大麻町、松茂町競艇組合管理のもとに事業執行。
 昭・四二・一・一(大、松競艇事業組合)大麻町の鳴門市との合併により一部事務組合解消。
 この間鳴門市、県、国、その他関係機関のご厚意、ご指導を本紙上を通じ深謝申し上げる。
 
三 競走事業の成果
 いよいよ昭和四十一年五月より大麻、松茂競艇組合管理の下に事業を実施、鳴門市のご協力により順調な運営ができたが、昭和四十二年一月一日大麻町が鳴門市に合併したため、一部事務組合を解消、本町の単独実施となる。
 以下決算額により成果を記す。
(一)昭和四一年度(大麻、松茂競艇事業組合)
 A 昭和四一年五月より鳴門市と共催(月二日)で当初は十四日開催となったため売上げの低下も予想されたが、人口密度の高い地域に重点的にPRを実施し、新しいファンの獲得に努めた結果、順調な伸展を見せた。
1 営業収益 三五一、四一八、二四三円
2 営業費用 三三八、四五〇、二五六円
3 営業利益 一二、九六七、九八七円
4 一町当り配分 六、四八三、九九三円
 以上は一部事務組合主催の八ヵ月間の成績である。
 B 昭和四二年一月一日大麻町の合併にともない、本町の單独開催(月二日)として事業を執行した。四二年に入りめざましい伸長を示し、舟券売上げも三ヵ月で、一八三、二〇四、七〇〇円と好成績を収めた。
(以下三ヵ月の成績)
1 営業収益 一八五、二八四、七六二円
2 営業費用 一八二、二〇二、三五二円
3 繰出金 三、〇八二、四一〇円
(二)昭和四二年
 本年度に入り更に飛躍的伸展を示した。それは重点的PRと健全娯楽としての育成、堅実運営の成果であった。
1 営業収益 七五二、七九四、八四六円
2 営業費用 七三六、六七二、一六七円
3 繰出金 一六、一二二、六七九円
 
中川武夫町長
 
松茂町庁舎の全景
 
四 町財政への貢献
 本町一般会計の決算額と本事業の収益繰入額を比較し、町財政への貢献度を対照してみると
A 町の昭和四一年度歳入決算額
一九三、八九五、六〇八円
B 町の昭和四一年度災害復旧及び建設事業費の総額
一三、五三〇、〇〇〇円
C 昭和四一年度町の基準財政需要額
五八、四七五、〇〇〇円
D 昭和四一年度競走事業会計より繰入額
九、五九九、四〇三円
E 競艇収益繰入額の町決算額に占める割合
D/A 四・九五%
D/B 八・四六%
D/C 一六・三四%
A' 町の昭和四二年度歳入決算額
一九二、三三一、五七八円
B' 町の昭和四二年度災害復旧費及び建設事業費の総額
九六、六七二、〇〇〇円
C' 昭和四二年度町の基準財政需要額
七四、八四八、〇〇〇円
D' 昭和四二年度競走事業会計より繰入額
一六、一二二、六七九円
E' 競艇収益繰入額の町決算額に占める割合
D'/A' 八・三八%
D'/B' 一六・六八%
D'/C' 二一・五四%
 本事業収益繰入金が、地方公共団体の財政にいかに高度に貢献しているかがうかがわれる。本町として今後一層事業の堅実な運営に努めたいと考えている。
 なお最後に、本史発刊の企画をいただいた関係者のみなさんに深く敬意を表すると共に、今後本事業の益々振興発展されるよう祈念するものである。


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