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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


旧浜名湖競艇場の開場
 名古屋以東のトップを切って設立された浜名湖競艇場は大願なって、昭和二十八年八月七日、開場の運びとなった。
 この日場内は万国旗で飾られるほか、スタンド前には、色鮮やかな、真新しい浜名湖競艇組合旗と、静岡県モーターボート競走会旗が、真夏の朝風にはためき、関係者一同万感胸にせまるものがあった。
 ところが、この競走場、既に競走場登録認可も与えられての開場式であるように見えるが、決してそうではなかった。
 この日開場式を行なうことになったということは、当日までに競走場登録認可が出来るという確認を得て、開場式を行なうことになったもので、当日の朝は、まだ至る所で大工の槌音がして居る状態で、運輸省、連合会の競走場検査では、競走場内が未完成であるとの理由で、登録認可が遅れていたのには、関係者も狼狽してしまったが、種々懇談の末、今後、未完成の箇所は、期限付で完成するとの条件(誓約書)に基づいて、競走場登録許可が与えられ、漸く、レースが開催出来ることとなったのである。従って、旧浜名湖競艇場の競走場登録認可は昭和二十八年八月七日の開場式当日というわけである。
 
雨中の浜名湖競艇場―昭和28年開設当初―
 
 さて、この日の場内は、初めて見るモーターボートレースとあって、近郷近在よりの見物客で立すいの余地もなく埋まっていた。定刻九時、観客で埋まった南側スタンド(土盛スタンド)前で、静かに奏でる君が代と共に日章旗が高々とメインポールに掲揚され、ここに浜名湖競艇場は誕生したのである。
 やがて第一回、第一レースの展示航走が開始され紺碧の湖上を疾走する六隻のモーターボートのスピードと爆音にその爽快なスリルを満喫していた。
 第一レースの発売が開始されると、観客の動きも一段とはげしくなって来たが、これに反し、従業員の慣れぬ仕事の不手際で、発走時間は遠慮なく延び関係者を憂慮させたが、幸い、第九レースまでは事故もなく、レースを進めることができた。ところが、この時、突如として天候急変し雷鳴と共に篠つくような雨が襲いかかり、観客は右往左往に逃げ惑ううち再び起る雷鳴は、遂にレース場東側岸壁に落雷し、雨はますます猛威を振うという有様で、レース継続は不可能となり、開場第一日は、第九レースで中止の止むなきに至った。
開場第一日
売上金額
一、五五八、七〇〇円(返還なし)
入場人員 四、〇〇〇名
 
台風十三号によるレース場壊滅
 誕生後、一応順調な歩みを続けたかに見えた浜名湖競艇に、生れ出る以上の苦しみを見舞ったのが、東海地方、特に静岡県西部では未曾有といわれた台風十三号の来襲であった。
 九月第二節の前検日(昭和二十八年九月二十五日)突如として襲った台風十三号のため折角、苦心して建設したレース場は見るも無惨に壊滅してしまったのである。
 審判台は後向きに倒れ、大時計は海中に没し、ピットは流失、入場券発売所も流失、その他の建物も多くは倒壊し、特に国道一号線よりレース場に至る道路とレース場正門前の橋梁(姿橋)は、破壊、流失して見る影もなく、再建出来るかどうかも危ぶまれる状況であった。然し是非、一日も早く復興しようとする従業員の熱意は、女子職員にいたるまで、連日、モンペ姿でモッコ担ぎという努力に駆りたて、意外に再建整備が進み、僅か一節を休んだのみで、レースが再開出来たことは奇蹟に近いことであろう。
 また、開設以来忙しい金繰りを続けて来た資金計画がこの台風のため、全く狂いを生じ金庫の中は空っぽとなり、どうにも繰廻し出来ない状態までにもなった。
 
13号台風により倒壊した主審判台と大時計
―昭和28年9月―
 
 幹部の努力と関係者の絶大な協力により、どうにかこの危機を乗り切る事が出来たが、この時、開設当初ヤマト発動機株式会社から購入したモーター及びボートの代金、約一千二百万円の約束手形の支払期日が重なり、当時の事務局長斉藤勝治氏と収入役真野俊明氏はどうやりくりしても金策のつかぬまま、上京し、この苦衷を連合会会長笹川良一先生に訴えたところ、笹川会長の奔走により、
「ある時払いの、催促なし」という誠に有難い計らいに九死に一生を得て帰浜した。もし、この時この様な計らいがなければ、どうなっただろう。実に感慨深いものがある。
 この年の十二月三日、開設後初めて売上金額四百万円を突破し、関係者全員万歳をして、初めての大入り袋を手にした。その後、売上も順次上昇の一途を辿り昭和三十七年七月度には売上一億突破の浜名湖新記録をつくった。その八月隣県の愛知県蒲郡市に新設された蒲郡競艇の意欲的な宣伝活動には眼をみはらせるものがあり、浜名湖競艇にも相当の影響が懸念されたが、競艇ファンの人口増加に拍車を掛ける好影響はみられたが、売上の低下はみられず、かえって、記録更新という好成績をみた。
 以後、昭和三十一年五月、多数の競艇ファンを擁する浜松市に、オートレース場が新設され、この年の十一月、競艇界最大の行事である第四回全日本モーターボート選手権大会を開催したが、オートレースとの競合も災いして、レースの華やかさにくらべ、売上は予想以下の低調さであった。このことは事後の運営について、大きな反省材料となった。
 また、昭和三十四年十一月十四日十三時二十分頃、競艇場にある競走会の食堂厨房の煙筒付近から出火、整備課事務室、競走会事務室、食堂、選手控室等を含む木造平家建四六〇平方米と倉庫二棟を全焼した。一時はモーター庫、艇庫なども危険に瀕したが、必死の消火活動の結果、延焼を免れたのは不幸中の幸いで、その日のレースを中止しただけで翌日より平常通りレースを開催した。爾後は特に防火運動に力を入れるようになった。
 その後大過なく経過したが、昭和三十八年四月十一日、昭和三十八年度の第一回第一節第一日という縁起の良い日に、異常干潮によるレース中止という最悪の事態が起こった。この日、朝より多少潮位が低かったが第五レースに到り水深は約四〇糎となりレース続行不可能な水面状態のため、止むをえず第六レースをもって中止した。
 この弁天島レース場は、昭和二十八年開設以来、レースコース近くに一般航路があり、漁船、遊覧船等の通行があること。浜名湖特有の流砂の障害に対して、レースコースの水深維持等、競走水面についての問題が数々あったがこの異常干潮により、これらの欠点が表面化したものであった。この異常な事態に対し早速に対策をたて、サンドポンプによる昼夜兼行の浚渫作業、手掘りによる部分的な工事等を強行したが、作業は思うようにはかどらず、この節中、レース進行時間を満潮時に合わせるなど苦肉の策によって翌日よりのレースを継続した。
 この事態に対し、四月二十日、施設改善調査会の調査を受け、
「規定の水深一・五米を必ず保つよう早急に作業をすること。もし、これが実行出来ぬ時は、場合によりレース中止の命令を出す事態になるやも知れぬ」
 という強い勧告を受けた雄踏町長中村繁氏、新居町長守田雪雄氏、舞阪町長渡辺八平氏はレース場移転について、是か非かを検討の上、早急に競艇組合議会に計ることとし九月上旬の競艇組合議会全員協議会において、レース場移転を全員賛成の下に決定し、新レース場建設についての諸問題を専門的に検討し、作業の推進を図るため議会議員九名をもって建設委員会を組織した。また昭和三十九年春に建設関係の専任事務局として建設部をもうけ、部長に真野俊明氏(現競艇企業団企業次長)を任命し、鋭意新レース場の建設に邁進することとなった。
 新レース場建設予定地を一応、舞阪町弁天島の旧塩田跡(現渚園)とし、土地造成の方法、資金計画、また舞阪町より旧塩田跡の権利譲渡問題、浚渫作業時における問題、漁業権補償等について検討を始めた。
 こうしている間に運輸省より石島補佐官が来場し、
「現在の処(旧レース場)では、危険が多く公正安全なレースが出来ないので、このままレースを開催させることは無理である。移転することも、移転予定地も決定しながら何をしているのか、移転計画の話を聞いてより、もう一年もたつ現在になっても具体的な線が出ていないというのはどういうことか、本当にレース場を移転する計画があるならば、今日より半年以内に出来得るような計画を立てて報告してもらい度い」
 という強い言葉を受けた。
 中村繁、守田雪雄、渡辺八平の三町長と、真野建設部長は、昭和四十年末までに移転を完了する移転計画案を作成し、運輸省に石島氏を訪れ、この計画案を説明、了承を得たが、この時、施設改善調査委員会のメンバーである建築設計士、鎌田守逸氏の紹介を受けたが、後に、鎌田氏は新浜名湖競艇場の設計一切を行なったのである。


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