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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


社団法人神奈川県モーターボート競走会
 モーターボート競走法は神奈川県から生れたといって過言でない。
 終戦後の混乱から世の中がようやく落着きを取り戻した昭和二十四年頃渡辺儀重氏(元関東興業社長、神奈川県競走会副会長昭和三十七年五月逝去)は逗子市の海岸を散歩しながら、「モーターボートの時代が必ずくる」と一人でつぶやき、かつ予言した。渡辺氏は大型船舶から小型船舶の時代がくる事を信じ「この風光明媚な逗子海岸でアマチュアによるモーターボートレースをやってみたい」と考え意中を友人、知己に話すと共に当時副会長をやっていた逗子観光協会に正式に提案した。満場一致協会はこの案を採諾し昭和二十五年五月六日、七日の両日日米対抗モーターボートレースを開催した。
 大会は数万の観衆で埋め尽されモーターボートに対する関心の強さに驚くと共に、その際出場の米人ボートマンの素晴らしい妙技と、優秀なエンジンボートに目を見張った。渡辺氏はこの成果に自信をもち、心中秘かに期する処あり当時戦災復興の為に公営競技として競輪が行なわれている事に着目し、公営競技としてのモーターボートレースを計画し、友人の自由党神奈川県連幹事長、前衆議院議員山本正一氏、参議院議員大隅憲二氏(前神奈川県競走会長)等に相談、協力方を要請する一方、逗子観光協会更には数名の県会議員の協力を得て神奈川県の観光協会も正式にこれが計画に協力し、別紙の如き小型自動艇競艇法制定に関する請願書が請願人神奈川県観光協会、逗子町観光協会両会の連名で昭和二十六年二月正式に衆、参両院に提出され之が今日のモーターボート競走法誕生の発端となり波乱万丈の末、ようやく同年六月競走法が成立したことは衆知のところである。これを機に当会も競走会設立にとりかかり同年七月運輸大臣に対し競走会設立許可申請書を提出し同年十月五日官文一、一三六号にて設立許可をうけたのである。
(別紙)
請願の趣旨
 本件の請願は小型自動艇(モーターボート)の競艇に付て競艇法の制定あらん事を請願する。
競艇法制定の趣旨
 海洋思想の普及を通じて海洋スポーツを奨励し、観光地に於ける競艇によって観光の内容を充実し、舟艇工業の発展を促して貿易を興し、競艇収益と併せて中央地方の財政強化に寄与せんとするものであり、其の概要は次の通りで有る。
一、海に住む日本、而かも戦後の食料、海防の事情を想ふ可き日本に於て広く海洋思想を普及し船舶舟艇の技術を磨き工業を興し、内には水産食料と海防の安固を画り外には産業貿易を補けて国力の振興に寄与する事は国家の大計として正に緊要焦眉の急務と謂ふ可きで有る。
二、近来みる青少年道義の頽廃は誠に憂ふ可き処、ふに戦後に於ける思想の混乱と健全娯楽の不備に加え、競輪の出現に依って射倖遊惰の風潮とみに漲り現に識者をして慨歎憂慮せしめて居る。
此の際、特に之れ等の青少年に対し娯楽を含む海洋スポーツを奨励し、其の身神を煉りつつ海国男児の誇を体得させる事は、次代の国運を担ふ人材養成の意味に於て正に亦国家大計の急務で有る。
三、観光の極致は、水陸綜合の景観にある。
凡そ観光の地には海浜湖沼が伴ふ、否、むしろ海浜湖沼ありてこそ其の地帯が観光の地となり、内外幾多の人々は其の景観に世俗を忘れ、偉大なる自然にふれて悠久の人生を愉しむ。
此の海浜湖沼に舟艇を泛べ大自然の景観を水陸から堪能し、而かも能ふれば猛速波涛を蹴る飛燕の競艇を展観し得るものとすれば正に之れ画龍に点晴と言ふ可く斯くして観光の内容は充実し此の地に蝟集する幾千幾万の人々は、或は青春をい或は家族と団欒し、健康にして明朗なる一日を楽しみ、教義をして説かずとも文化と平和を愛好するに至り、延いて亦世道人心の刷新も期して侯つ可きで有る。
四、競艇は敷地を要せず、施設と経費が僅少である。
競艇は海洋湖沼で行ふが故に競馬競輪の如く尨大の敷地に依って地上生産を害する事なく、而かも観衆は陸地丘陵に在るので競艇に因って観衆に及ぼす事故の虞は絶無で有る。
又、施設の面に於ても、グランドは海洋湖沼であり観覧席は大自然のスタンドたる海浜の砂丘か陸地の丘陵で有るから殆んど施設を要しない。
五、競艇法の制定は世界嚆矢の快事で有る。
近代的海洋スポーツを法制化し、之れを広く世界に普及奨励する事は、特に戦後の吾が国として実に痛快事たるを失はない。
現に、戦前吾が隅田川、荒川放水路等に年々行はれた一般日本選手権大会の壮観は欧米人士に羨望され、戦後(昭和二十五年の夏)逗子湾に於ける日米対抗の競艇は吉田首相、運輸大臣、通産省、其の他国内官公庁、民間団体、及び連合軍最高司令部、横須賀米海軍基地司令官、横浜米第八軍等の熱烈なる協賛の下に行はれ観衆無慮十数万を前にして日米の精鋭は猛速飛燕の如き火華を散し、競艇が如何に高尚にして、又近代的超スリル、レースで有るかを烙印の如く印象せしめ、更らに戦後第二回の日米対抗競艇は昨年十月、秋晴れの荒川放水路に於て行はれ観衆正に十五万、堂々たる両国の選手は勇壮豪快の秘術を尽くして闘ったが此の二回の競艇によって、吾が国産舟艇の優秀さと選手の教養と操技が卓越して居た事を宣明し、日本国民の為めに万丈の気を吐き日米交歓親善の為にも、大なる意義を齋したもので有ったが、其の後内外各方面に於て「須らく競艇を法制化し其の健全なる発達を図る可きである」との極めて熱烈なる意見が澎湃として擡頭した事は特筆大書す可き事実で有る。
 
競艇運営の要領
一、用艇の構造は、普及性と貿易性を参酌した工業振興の見地に重点を置く。
二、選手の養成は、人格と操技を併行し主として舟艇製作の関係範囲から優秀適格者を選抜して教養する。
三、競艇規則は、概ね競輪規則に準ずるが、競艇の性質上準用不可能の部分は新たに補足し、公正性と道義性を強化宣明する。
四、運営主体は、株式会社を以て当るが其の株主は地方公共団体を主とし、若干の個人を加える。
五、経理と監督は、最も公明の経理と厳正の監督を行い得る機構とし、経理の内容は地方公共団体の財政強化を主眼とする。
本件請願の要旨は右の通りで有ります。何卒適当なる御審議を経て速やかに競艇法の御制定あらん事を請願いたします。
昭和二十六年二月 日
右請願人
神奈川県観光協会
会長 内山岩太郎
逗子町観光協会
会長 荒井友三郎
副会長 渡辺儀重
理事長 田村四郎


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