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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


西武建設株式会社
一、競艇場の所在地
 多摩川の清流は水質が布晒しに適し且つ浅瀬が多いので昔は多麻川と呼んでいた。
万葉集にも
多麻川に晒すてつくりさらさらに
なにぞこのこのここなかなしき
と詠まれている。
 この多麻川は奥多摩の秩父山系の雲取山に源を発し、更に遠く山梨県丹波山村からの水源は、西多摩の小河内に至って日本最大の上水貯水池となり、東京都民一千有余万に給水される外、水力発電をも起し、ここで蜂谷川と合し更に日原川、秋川、浅川をも併呑して府中市の南部を流れ、調布、狛江を経て東京湾に流入しているが、昔時は当競艇場所在地が川筋で、度々の水害により人家や社寺は北へ北へと移動し、現甲州街道沿いの部落を形成したのであって従っていつの頃からか三〇〇米余南の現川筋となったが、当時は沢井、青梅辺りから筏を組んで薪炭類その他を河口の六郷まで四、五日がかりで運び、之を現金に替えて帰途府中に立寄り遊んだもので、川畔には筏宿も多数あったばかりでなく、遊廓も相当あった模様で、府中市の川崎街道沿いにある現村上病院の建物は、昔の遊廓がそのまま現存している唯一の名残りである、と伝えられている。
 当競艇場の所在地は府中市是政であるが、この是政は天正十八年八王子城(城主北条氏照)陥落の際、落人となって府中へのがれて来たその家臣井田摂津守是政(畠山重忠の後裔で三河国井田村に属して井田と改姓し、その数代後の政能の子が是政)の開拓した部落で、その子太郎左衛門是勝が父の名をつけて是政と称したのであって、東京競馬場内の東側第四コーナーの内側に古色蒼然とした墓がスタンドより見えるが、これは井田是政のもので、競馬場造成の際他に移転せんとしたところ、種々不幸が重なり、崇りがあると称して未だに現存して居り、これは東京都の文化財に指定されている。
 ちなみにこの井田是政の何代目かの子孫井田俊平は、西武鉄道多摩川線是政駅長から現在は西武高田馬場駅長として活躍している。
二、競艇場の沿革
 当競艇場は昭和二十七年七月東京モーターボート競走場株式会社(社長宮本 求)が企画したもので、競艇場の設置に当っては、最初調布市上石原(当時調布町)の砂利採取跡を選定したが、買収した土地の所有権が問題となって抗争することとなり、早急に競走場を設置する事が不可能となったので、施行者の青梅市と協議の上、止むを得ず復興社(西武建設株式会社の前身)の砂利採取跡即ち現在の場所(当時多磨村常久)に変更したところ、附近住民の一部の反対を受け、村長のリコール問題にまで発展したが、結局これが否決されたので、監督官庁を始め関係の向に認可申請の手続をし、同二十八年十一月自治庁より正式の指定(自治庁告示第二九号)を受け、更に翌年二月運輸省船舶局長より認可されたので、直ちに工事に着手し、これが建設に当っては復興社が当初より全面的に協力したが、競艇場の予定敷地内には村立多磨中学校があり、これを移転させるため他に四、二〇〇余坪の土地を買収し、更に三二〇坪の校舎を新築して提供する外、水中にある国鉄武蔵境給電区の川崎方面送電用六万ボルトの高圧線大鉄塔は、移転許可を得るに困難であったばかりでなく、移転地の買収、鉄骨鉄桁その他資材の購入は勿論、これが建設に苦難を重ね漸く解決したと思えば、水面東部にある買収土地四、三〇〇坪の水面拡張工事が、東京都の認可が得られず、一部設計を変更するの止むなきに至る等、種々の難問題も逐次解決したので、先ず舟券売場従業員を西武園競輪場、川口オート場等において実地訓練させると共に、一般の宣伝は勿論地理的不便をも考えて池袋、新宿、渋谷、吉祥寺、小金井、立川、府中本町の各駅周辺より直通の無料バスを運転してファンの吸収に努める等、全般的に準備が完了したので、昭和二十九年六月「府中競艇」として初開催の運びに至ったのである。
 然るにその翌年は年初より降雨、降雪が少く、従って奥地よりの雪解けの水も減少し、多摩川も枯渇せんとするの状態で、一衣帯水、多摩川の水流の増減により左右される砂利層の当競艇場は、湧出量並びに上流河川より流入の水も少く、加えて水面の水は常時吸収されて附近民家の井戸水となって居る関係から、水深は減少するばかり、よって砂利採取のため凹凸のある水底を十数名が水中に飛び込んで連日これをならし、三月二節の初日は辛くも開催出来たものの、二日目には第一マーク附近の水深は三〇糎となって、策の施しようもなく、万事窮してレース中止の止むなきにいたったが、これを契機として遂に会社は倒産するに至ったので、復興社がそのまま継承し、五月より名も「多摩川競艇」と改めて新発足し、今日に至ったのである。
 当社が継承した当時の五月の一日平均売上は二百万余円(最低の日の売上は百四十一万円)、入場人員千二十四人(最低の日は七百八十五人)で、広い競艇場は閑古鳥も鳴くやと思うばかり、哀れと言うよりもむしろ悲惨と言う状態であった。
 従って三十年中の売上は二億九千四百余万円(一日平均二百五十余万円)、入場人員十四万五千余人(一日平均千二百余人)を計上するに過ぎず、これを如何に打開するかについて、日夜苦心を重ねたのであった。
 その現われとして三十一年にはチンドン屋に依る宣伝を計画し立川、荻窪駅間の中央線沿線を始め府中、調布等の近郊の街から街ヘビラを撒き乍ら宣伝すると共に、レース中のアトラクションとして鶴田六郎、山路ゑり子の歌謡曲を、次いで浪曲の木村重友、広沢虎造、浪花家辰造等を招聘して興行する一面、中央線沿線の各駅並びに新宿、池袋駅周辺のバー及び飲み屋、パチンコ店等にポスターの配布都内外における開催日程の電柱張りと宣伝カーによる宣伝の外、レースの無い日を利用し水上スキー教室を開講して宣伝大いに努めた結果、三十一年の売上は四億七千七百余万円(一日平均三百三十余万円)入場人員二十万八千余人(一日平均千四百余人)と漸増はしたものの、なお所期の目的にはホド遠く、一時は収支計算上宣伝費の削減も考慮されたが「売上の悪い現状こそむしろ宣伝費は増額すべきである」との見地から、新聞広告、立看板並びに駅その他における建植看板の外無料バスの増発等、宣伝とサービス向上に努力した結果、三十五年には売上八億三千六百余万円(一日平均五百八十余万円)、入場人員二十一万二千余人(一日平均千四百余人)となり、更に三十六年には十二億千三百余万円(一日平均八百四十余万円)、入場人員二十三万余人(一日平均千六百余人)と漸くにして燭光を認めたのであった。
 然るに翌三十七年青梅市との契約を更改し二月二節より実施されたが、一般宣伝並びにファン用バスの操配、運営は、従来通り当社において行なうことになった。
 
上 レース中のアトラクション
下 宣伝に繰り出すチンドン屋


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