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4-2-3-2 私立大学
(1)マサチューセッツ工科大学
Massachusetts Institute of Technology(MIT)
(1)研究センター:材料科学工学センター
The Center for Materials Science and Engineering(CMSE)
住所:77 Massachusetts Ave. Room 13-2106, Cambridge, MA 02139
電話:617-253-6850
電子メール:cmse-www@mit.edu
プロフィール:
 NSFが資金提供をして設立されたMRSECの1つである。個人の研究者レベルでは困難な、学際的な共同研究でしか成し得ない科学における基本的な疑問を追求し技術的な目標を達成することを目的としている。
 センターの研究グループは、大きく分けて、Interdisciplinary Research Groups / IRGs(学際的研究グループ)等3つに分かれ、IRGsはさらに4つのグループに分かれているが、その中でナノテクに関連したグループは、Nanostructured Polymer Assemblies(ナノ構造ポリマー複合)と、Electronic Transport in Mesoscopic Semiconductor and Magnetic Structures(メゾスコピック半導体と磁気構造における電子輸送)になる。
 前者のグループは、分子・ナノレベルにおけるポリマーシステムを制御している基本的な要因を研究し、その成果をこれらポリマー系の材料に基づく電子、磁気、バイオセンサー及び光学デバイスの機能を強化するために活用することを目指している。
 後者は、構成単位がナノサイズである固体電子構造における電荷とスピンの輸送を研究し、未来の電子デバイスの構成単位内と間における輸送を制御している物理的原則を理解することを目的としている。
 研究者はMITの11の各学部、研究所、センターから約110名が参加、さらに客員学者、博士過程修了者や学生が加わっている。
 
(2)研究センター:兵士ナノテク研究所
Institute for Soldier Nanotechnologies(ISN)
住所:MIT Building NE47, 4th Fl, 77 Massachusetts Ave, Cambridge, MA 02139
電話:617-324-4700
電子メール:isn@mit.edu
プロフィール:
 2002年、米陸軍との5年間5,000万ドルの契約によって設立された研究所。企業からも5年間4,000万ドルの資金提供を受けている。ナノテクを用いて、ハイテク装備と軽量かつ着心地のよさを兼ね備えた21世紀の戦闘服を作り出すことを目的としている。
 現在の綿・ナイロン製の戦闘服及び装備は、生物化学兵器に対してほとんど無防備であり、防弾性も十分ではなく、また兵士が背負う45〜65キロもあるさまざまな装備は重く、かつ相互にうまく連動して作動しない。これらの欠点をナノテクによって克服することを目指している。
 例えば、重くかさばるラジオをボタンサイズの物に変え、防水用コートの代わりに兵士携帯物はすべてナノサイズの防水コーティングを施したものに、また超人的な力を兵士に与える防弾ジャンプスーツを作り出す等である。
 研究チームは7つに分かれ、計37のテーマを追究している。研究者はMITの10学部から45名、業界・政府関係・学会から9名、そして100名以上の学生と博士過程修了者によって構成されている。業界のパートナーは、レイセオン(Raytheon)、デュポン(DuPont)、パートナーズ・ヘルスケア(Partners Healthcare)の3社である。
 
図9: MITのナノテク研究の組織図
 
(2)コーネル大学 Cornell University
(1)研究センター:ナノスケール科学・加工施設
The Cornell Nanoscale Science and Fabrication Facility(CNF)
住所:250 Duffield Hall, Cornell University, Ithaca, NY 14853
電話:607-255-2329
電子メール:information@cnf.cornell.edu
プロフィール:
 2004年に米国科学財団(NSF)によって選定された、全米ナノテク基盤ネットワーク(NNIN)を構成する13大学の研究施設の1つ(コーネル大学はリーダー校である。25年以上の歴史を持ち、物理科学、生命科学、エンジニアリング等の研究者に施設を提供してきた。フォトリソグラフィ、電子ビーム・リソグラフィ、炉内プロセス、測定法、薄膜エッチング、薄膜形成等の分野に渡った設備を備えている。ちなみに2002年の利用者は、コーネル大学関係者350名、外部研究者350名にのぼる。
 CNFは、NSF、ニューヨーク州科学・技術・学問研究局(NYSTAR)ほか、関連業界及び利用者から支援を受けている。
 
(2)研究センター:ナノスケール・システム・センター
Center for Nanoscale Systems(CNS)
住所:636 Clark Hall, Cornell University, Ithaca, NY 14853
電話:607-255-3732(CNSディレクター:Robert Buhrman)
電子メール:rab8@cornell.edu(同上)
プロフィール:
 NSFが最初の資金提供をして、2001年に設立されたナノスケール科学工学センター(NSEC)の1つである。
 電子工学、光、磁気における刷新的なナノスケール・システムを開発して、それらを総合的に用いることで、電子工学、コミュニケーション、情報保存、センサーを含む情報科学の革新を目指すとともに、大学、大学院レベルの学生への教育指導も目的としている。研究グループは、シリコン・ナノ電子工学、カーボン・ナノ電子工学、ナノ光通信学、ナノ磁気学、ナノ特性と加工の5つに分かれており、研究者はコーネル大学から23名、他の5大学から5名が参加している。
 CNSは、全米科学財団(NSF)とニューヨーク州科学・技術・学問研究局(NYSTAR)から支援を受けている。
 
(3)研究センター:ナノバイオテクノロジー・センター
(Nanobiotechnology Center: NBTC)
住所:350 Duffield Hall, Cornell University, Ithaca, NY 14853
電話:607-254-5393
電子メール:bab13@cornell.edu(NBTCディレクター:Barbara Baird)
プロフィール:
 NSFが基本的な資金提供をして、2000年に設立されたSTC科学工学センターの1つである。
 生命科学者、物理学者、エンジニアが共同で研究を行うことで、ナノレベルで生命システムがどのように機能するかを明らかにし、それらの研究成果とナノ・マイクロ加工技術を統合して全く新しいデバイスを作ることを目指している。研究課題は、生体分子デバイスと分析、細胞ダイナミクス、細胞表面相互作用、ナノスケール細胞生態学、ナノスケール材料の5つに分かれている。研究者はコーネル大学から31名、他の4大学から8名、ニューヨーク州衛生局から6名が参加している。
 
(4)研究センター:コーネル材料研究センター
Cornell Center for Materials Research (CCMR)
住所:627 Clark Hall of Science, Cornell University, Ithaca, NY 14853
電話:607-255-4272
電子メール:director@ccmr.cornell.edu(CCMRディレクター:Frank DiSalvo)
プロフィール:
 米国国防総省によるIDL(Interdisciplinary Laboratory)プログラム(材料研究とそれに関連した教育を全国に普及させる目的で始まったプログラム)から資金提供を受けて、1960年に設立されたCornell Material Science Centerがもともとの組織で、NSF等からの資金提供によって設立された材料研究科学工学センター(MRSEC)の1つである。
 個人や小グループでは不可能なナノレベルでの材料研究を行い、結晶質及び不規則な構造双方のナノ材料の行動を理解し、制御し、デザインすることを目的としている。研究チームは5つのIRGs(Interdisciplinary Research Groups)――ナノ構造材料:電子とスピン輸送、ナノスケール・ポリマー、無機ハイブリッド材料、活動的表面加工の基本、ナノスケール材料のダイナミック機械的特性、ナノ構造材料からの光形成ブロック等と、数多くの小グループから成り、コーネル大学の10学部から約100名の研究者が参加している。その他にも教育プログラムを実施し、関連業界との提携も行っている。また、NSF、NYSTARから支援を受けている。
 
図10: コーネル大学のナノテク研究の組織図


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