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(ブリッジ等レイアウト、搭載機器)
●ブリッジは、中央がキャプテン席、両側はチーフ・オフィサーとチーフ・エンジニアの席。
●キャプテン椅子の右肘に設置されたジョイスティックで操船を行う。操船性は良いが、ウォータージェット3基、ラダー2基、バウ・スラスター2基という構成のため、カタマランよりも複雑である。
 
メイン・ブリッジ・コンソール
 
●ブリッジ・ウィングのない四角いブリッジで、離着桟時の操船はメイン・コンソールの真後ろに位置するコンソールでカメラ・モニター3台を見ながら行う。ブリッジからは船首、船尾、船体側面とも見えない。
 
離着岸用ブリッジ・コンソール
 
離着岸時の操船
 
●航海機器システムはDecca(Sperry)のレーダー×2とTransas Navi-Sailor3000 ECDISを中心とした統合航海システム。
●Austalは搭載システムの優先サプライヤー・リストを提示した。SperryとTransasが選ばれたのは、既に当社のINCAT製カタマランで使用されている慣れたシステムだからであろう。システムはアップグレードされており、レーダーとECDISの薄型スクリーンはカラー調節が可能で、夜間でも見やすい。
●造船所がオーストラリアのため、搭載機器や設備はオーストラリア製品、アジア製品が使われることも多いが、できれば機能性が高く、メンテナンスが容易なヨーロッパ製又はヨーロッパ仕様の製品を使いたい。
●暗視装置はCurrent社のNight Navigatorシステムを使用。高価な製品である。船首近く設置されており(前述Current社の写真参照)、夜間航海中はブリッジのモニター画面でモニタリングする。同海域を運航する高速船は全て暗視装置を搭載している。搭載が義務化されているのではないか。
●ブリッジのレイアウトは、我々ユーザーの意見と人間工学を考慮し、当社技術チームがAustalと協力して決定した。例えば、当社カタマランに比較して、コンソールの位置を高くし、椅子とのバランスを改善した。しかし、その分、元々狭い視界が一段と狭まった感がある。理想としては、レーダー等の画面の位置をもう少し低くして欲しかった。
 
キャプテン(右)とチーフ・エンジニア
 
●ブリッジの椅子はノルウェー製(メーカー不明)。操船は座って行うため、座り心地も重要な要素だ。乗客用椅子はBeurteaux製。
●独立したエンジン・コントロール・ルームはなく、チーフ・エンジニアはブリッジからエンジンの駆動、モニタリングを行う。
●エンジン・コントロール、モニター、アラームはAusta1のMarine Linkシステムに統合されている。グラフィック化された見やすいディスプレイで全てのエンジン関連機能のコントロールとモニタリングが可能。画面のプリントアウト機能もよく利用している。当社カタマランのコントロール・システムよりも使いやすい。
 
エンジン・コントロール・システム


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