I. 浮世絵にみる江戸時代、明治初期の漁業
浮世絵は、江戸時代前期に生まれ、中・後期に全盛を迎え明治20〜30年代に終わりを告げます。房州の風景を描いた浮世絵も多く、現在に残された風景や地名もみられます。またその中で、海辺や房州の漁業の様子を紹介できるものがあります。
ここでは、歌川広重(初代・三代)や葛飾北斎などの浮世絵を通して、描かれた海辺の風景や漁業に携わる人々について理解を深めていただきたいと考えます。
房州は浮世絵に多く登場します。上総地方の沖合は海上交通のメインストリートでした。葛飾北斎は江戸時代後期の浮世絵師で葛飾派の開祖です。
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3. 歌川広重(初代)
不二三十六景 上総木更津海上
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木更津船と呼ばれる五大力船が停泊しています。海中の海苔ヒビが描かれています。歌川派の祖は歌川豊春で、歌川広重(初代)は風景画家として名声を得ました。
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4. 歌川広重(初代)
不二三十六景 上総天神山海岸
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トアミを打っている漁夫と海藻採りの女性がみられます。天神山は、富津市のほぼ中央を流れる湊川(みなとがわ)の南岸の地域です。
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舳(みよし)で網を持つ漁師を描いています。銚子沖は波の激しさで知られていました。千繪の海は、葛飾北斎の代表作の一つです。
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6. 歌川広重(初代)
富士三十六景 上総黒土の浦
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黒土は現在の木更津市畔戸(くろと)で歌川広重は房総に旅行したおり立ち寄っています。
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7. 歌川広重(初代)
富士三十六景 房州保田海岸
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安房郡鋸南町の保田海岸から富士山を描いたもの。この付近は交通の難所でした。
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館山市の鏡ヶ浦(館山湾)を描いたものです。古くから水深が深く風や波の穏やかなことで知られていました。小林清親は、斬新な風景画を描いた明治初期の浮世絵師です。
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9. 歌川広重(初代)
六十余州名所図会 安房小湊内浦
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鴨川市の内浦海岸を描いたものです。日蓮ゆかりの小湊山誕生寺が見えます。
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