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 主な実験結果を以下に示す。
1)溝幅、溝深さの影響
 Fig. 6に最大荷重比と溝幅との関係を、また、Fig. 7に最大荷重時変位と溝幅との関係を、それぞれ溝幅を横軸に示す。Fig. 8, Fig. 9にそれぞれ前報2)で得られた同じく最大荷重比や最大荷重時変位と溝幅との関係を示す。これらの図から、自立型の場合(Fig. 2参照)も前報2)のウェブに横倒れ拘束がある場合(Fig. 1参照)と同様、溝幅が大きくなると最大荷重、最大荷重時変位とも急激に減少することが分かる。ここに、自立型の場合も以下に示す前報2)の条件と同様のことが予測される。
(i)例えば、建造時強度の75%以上を確保する条件は、“溝部板厚が建造時の75%(L75)で、W/T0<10、50%(L50)で、W/T0<3”
(ii)例えば、建造時(:L100%,W0mm)の50%以上の最大荷重時変位を確保するには、”溝部板厚が、50%(:L50)ではウェブ板厚に対する溝幅の比が3以上。
 
Fig. 6  Effect of grooving width on max. load
(T-Shape Specimen)
 
Fig. 7  Effect of grooving width on deflection at max. load (T-Shape Specimen)
 
Fig. 8  Effect of grooving width on max. load (Small Model Specimen)2)
 
Fig. 9  Effect of grooving width on deflection at max. load (Small Model Specimen )2)
 
2)傾斜角度の影響
 傾斜角度(20°)の影響をTable 3に示す。隅肉溶接のウェブが20°傾斜した場合の最大荷重は、溝幅Wや溝深さ(ΔT)にあまり影響を受けず、直角隅肉溶接の場合の0.78から0.9である。最大荷重時変位は0.58から1.03の範囲にあり、最大荷重の場合よりも若干ばらつきが大きい。
 
Table 3 Effect of inclined angle (20°)
Upper side: Ratio of Max. Load
Lower side: Ratio of Deflection at Max. Load
 
3)フェイス形状の影響
 Table 4に示すように、W/T0=1の最大荷重比が、フェイスが無い場合:0.95、片側(L型):0.94、両側(T型):0.87とほぼ0.9前後であることから、フェイス形状による最大荷重の違いはあまり大きくないようである。
 
Table 4 Effect of Face Shape
Upper side: Ratio of Max. Load
Lower side: Ratio of Deflection at Max. Load
 
4)試験片変形状況
 Photo 2とPhoto 3で示したように、ウェブの中央部の外板側でウェブが横方向に面外変形しているが、隅肉溶接部の変形は少ない。また、溝幅が大きい場合(W/T0=5,10)にはウェブの溝端部が面外変形の屈曲点になることが分かる。


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