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(2)組成別の特徴
ア. プラスチック類
 プラスチック類は、漂着物全体に占める重量比率が平均52.2%(11.4〜80.3%)、個数比率が平均21.0%(4.7〜81.8%)であり、海岸によって違いがみられた。
 特に重量及び個数比率とも高かったのは、江原道の「望祥(マンサン)海水浴場」(重量比率80.3%、個数比率81.8%)であり、重量比率が高かったのは、忠清南道の「椿長臺(チュンジャンデ)海水浴場」(重量比率70.9%、個数比率4.7%)であった。
 昨年度のプラスチック類の重量比率は平均14.1%(0.1%未満〜81.1%)、個数比率が平均65.4%(3.6〜81.9%)であり、このうち江原道の「望祥(マンサン)海水浴場」は、本年度の調査と同様にプラスチック類の占める割合が高かった。
 
イ. ゴム類
 ゴム類は、重量比率が平均0.6%(0〜1.1%)、個数比率が平均1.2%(0〜9.1%)とともに低い比率であった。
 昨年度のゴム類の重量比率は平均2.7%(0〜6.3%)、個数比率が平均3.5%(0〜8.5%)であり、本年度の調査とほぼ同じ結果であった。
 
ウ. 発泡スチレン類
 発泡スチレン類は、重量比率が平均1.8%(0〜5.9%)、個数比率が平均0.5%(0〜3.0%)とともに低い比率であった。
 昨年度の発泡スチレン類の重量比率は平均0.8%(0〜6.4%)、個数比率が平均6.9%(0〜10.3%)であり、本年度の調査は、昨年度の調査に比べ個数比率がやや低い結果であった。
 
エ. 紙類
 紙類は、重量比率が平均18.0%(0〜88.6%)、個数比率が平均2.5%(0〜20.0%)であり、海岸によって違いがみられた。
 特に重量比率が高かったのは、江原道の「鏡浦(キョンポ)海水浴場」(重量比率47.8%、個数比率11.4%)、忠清南道の「大川(デチョン)海水浴場」(重量比率88.6%、個数比率20.0%)であった。
 昨年度の紙類の重量比率は平均0.2%(0〜1.4%)、個数比率が平均2.6%(0〜5.8%)であり、本年度の調査は、昨年度の調査に比べ重量比率がやや高い結果であった。
 
オ. 布類
 布類は、重量比率が平均0.1%未満(0〜0.1%未満)、個数比率が平均0.1%(0〜0.8%)とともに低い比率であった。
 昨年度の布類の重量比率は平均1.9%(0〜3.0%)、個数比率が平均1.9%(0〜3.4%)であり、本年度の調査とほぼ同じ結果であった。
 
カ. ガラス・陶磁器類
 ガラス・陶磁器類は、重量比率が平均7.8%(0〜11.2%)、個数比率平均1.1%(0〜5.0%)とともに低い比率であった。
 昨年度のガラス・陶磁器類の重量比率は平均36.0%(0.6〜85.4%)、個数比率平均4.6%(1.7〜9.4%)であり、本年度の調査は昨年度の調査に比べ、重量比率、個数比率ともやや低い結果であった。
 
キ. 金属類
 金属類は、重量比率が平均17.9%(0〜50.5%)、個数比率平均70.3%(0〜93.0%)であり、調査海岸によって違いがみられた。
 比較的重量比率が高かったのは、江原道の「河趙臺(ハゾデ)海水浴場」(重量比率49.5%、個数比率25.0%)、慶尚北道の「コレブル海水浴場」(重量比率50.5%、個数比率21.2%)、個数比率が高かったのは、忠清南道の「椿長臺(チュンジャンデ)海水浴場」(重量比率19.7%、個数比率93.0%)であった。
 昨年度の金属類の重量比率は平均9.1%(5.4〜57.5%)、個数比率平均8.8%(1.8〜71.4%)であり、本年度の調査は昨年度の調査に比べ、個数比率が高い結果であった。
 忠清南道の「椿長臺(チュンジャンデ)海水浴場」では、個数は、突出して多い傾向であった。「金属類」の内訳としては、その約9割が「ふた・キャップ」(個数平均:176個/100m2)で占めており、採集個数は1区画にそれぞれ2個、349個であり、堆積する漂着物のなかにパッチ状にあった「金属類のふた・キャップ」を採集したものと考えられる。
 
ク. その他の人工物
 その他の人工物は、重量比率が平均1.6%(0〜11.0%)、個数比率が平均3.3%(0〜17.4%)とともに低い比率であった。
 昨年度のその他の人工物の重量比率は平均35.4%(0〜57.0%)、個数比率が平均6.3%(0〜17.1%)であり、本年度の調査は昨年度の調査に比べ、重量比率、個数比率とも低い結果であった。
 
(3)詳細な組成別分類の特徴
ア. プラスチック類
 プラスチック類の総量は、605.0g、162個であり、図3.3.2-5にその内訳を示す。
 個数比率は「雑貨類」42.6%と最も多く、次いで「破片類」が25.9%、「容器類」11.1%の順であった。
 これらの「小分類」に個数を集計し、プラスチック類項目別上位5品目を図3.3.2-6に示した。
 「タバコのフィルター」61個が最も多く、次いで「プラスチックの破片」34個、「ロープ」10個、「ふた・キャップ」8個、「シートや袋の破片」8個の順であり、日本海沿岸の海岸で広く確認された「レジンペレット」は採集されなかった。
 昨年度の調査結果では、「タバコのフィルター」108個が最も多く、次いで「プラスチックの破片」88個、「ロープ」54個、「シートや袋の破片」32個、「ひも」20個の順であり、両年度とも「タバコのフィルター」、「プラスチックの破片」、「ロープ」、「シートや袋の破片」が、プラスチック類の項目別の上位として出現した。
 
図3.3.2-5 プラスチック類内訳比率
 
図3.3.2-6 プラスチック類項目別上位5品目


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