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(2)組成別の特徴
ア. プラスチック類
 プラスチック類は、漂着物全体に占める重量比率が平均18.1%(6.5〜95.8%)、個数比率が平均35.9%(0.6〜52.5%)であり、調査海岸によって違いがみられた。
 特に重量及び個数比率が高かったのは、ハバロフスク地方の「アンドレイ入江」(重量比率95.8%、個数比率50.0%)、沿海地方の「ポポフ島ポグラニチナヤ入江」(重量比率33.9%、個数比率52.5%)であった。
 昨年度のプラスチック類の重量比率は平均33.0%(2.2〜61.9%)、個数比率が平均38.5%(2.7〜71.5%)であり、本年度の漂着物に占める比率は、重量、個数とも減少傾向がみられた。
 本年度の調査では、ハバロフスク地方の「アンドレイ入江」でプラスチック類の占める割合が高かった。
 
イ. ゴム類
 ゴム類は、漂着物全体に占める重量比率が平均1.9%(0〜5.5%)、個数比率が平均1.0%(0〜1.4%)とともに低い比率であった。
 昨年度のゴム類の重量比率は平均2.9%(0〜10.3%)、個数比率が平均2.2%(0〜3.6%)であり、本年度の調査とほぼ同じ結果であった。
 
ウ. 発泡スチレン類
 発泡スチレン類は、漂着物全体に占める重量比率が平均1.2%(0〜6.0%)、個数比率が平均6.7%(0〜9.5%)とともに低い比率であった。
 昨年度の発泡スチレン類の重量比率は平均0.8%(0〜5.4%)、個数比率が平均2.6%(0〜3.2%)であり、本年度の調査とほぼ同じ結果であった。
 
エ. 紙類
 紙類は、漂着物全体に占める重量比率が平均0.8%(0〜2.1%)、個数比率が平均2.0%(0〜5.4%)とともに低い比率であった。
 昨年度の紙類の重量比率は平均0.8%(0〜1.6%)、個数比率が平均6.3%(0〜23.9%)であり、本年度の調査では個数比率が昨年度に比べ低かった。
 
オ. 布類
 布類は、漂着物全体に占める重量比率が平均2.0%(0〜4.0%)、個数比率平均0.8%(0〜1.4%)とともに低い比率であった。
 昨年度の布類の重量比率は平均3.3%(0〜7.3%)、個数比率平均1.2%(0〜2.8%)であり、本年度の調査とほぼ同じ結果であった。
 
カ. ガラス・陶磁器類
 ガラス・陶磁器類は、漂着物全体に占める重量比率が平均38.0%(3.1〜62.0%)、個数比率が平均34.3%(13.3〜94.2%)であり、調査海岸によって違いがみられた。
 特に重量及び個数の比率が高かったのは、ハバロフスク地方の「ムチケ入江」(重量比率62.0%、個数比率61.3%)、「トキ入江」(重量比率34.9%、個数比率94.2%)であった。
 昨年度のガラス・陶磁器類の重量比率は平均31.4%(0.2〜62.3%)、個数比率が平均35.4%(10.2〜79.1%)であり、本年度の調査とほぼ同じ結果であった。
 ハバロフスク地方の「トキ入江」は、昨年度の調査と同様にガラス・陶磁器類の占める割合が高かった。また、ハバロフスク地方の「ムチケ入江」では、本年度の調査では、ガラス・陶磁器類の占める割合が高かった。
 
キ. 金属類
 金属類は、重量比率が平均10.7%(0〜28.9%)、個数比率が平均2.1%(0〜4.6%)とともに低い比率であった。
 比較的重量比率が高かったのは、ハバロフスク地方の「トキ入江」(重量比率28.9%、個数比率2.9%)であった。個数比率は、全ての海岸で10%以下と何れも低い比率であった。
 昨年度の金属類の重量比率は平均11.5%(0.2〜31.1%)、個数比率が平均5.0%(3.4〜9.1%)であり、本年度の調査とほぼ同じ結果であった。
 
ク. その他の人工物
 その他の人工物は、重量比率が平均27.3%(1.0〜50.2%)、個数比率が平均17.2%(0.6〜28.2%)であり、調査海岸によって違いがみられた。
 比較的重量比率が高かったのは、沿海地方の「ウスリイスキー湾エンゲリマ入江」(重量比率50.2%、個数比率28.2%)であった。
 昨年度のその他の人工物の重量比率は、平均16.3%(1.8〜79.9%)、個数比率が平均8.7%(3.2〜31.3%)であり、本年度の漂着物に占める比率は、重量、個数とも増加傾向がみられた。また、昨年度の調査で重量比率が高かったハバロフスク地方の「アンドレイ入江」では、本年度のその他の人工物の占める割合は低かった。
 
(3)詳細な組成別分類の特徴
ア. プラスチック類
 プラスチック類の総量は、2,517.0g、513個であり、図3.2.2-5にその内訳を示す。
 個数比率は「破片類」が56.3%と最も高く、次いで「雑貨類」12.5%、「容器類」12.3%、「袋」8.2%、「ひも類」5.3%の順であった。
 
図3.2.2-5 プラスチック類内訳比率
 
 これらの「小分類」に個数を集計し、プラスチック類項目別上位5品目を図3.2.2-6に示した。
 「プラスチックの破片」217個が最も多く、次いで「シートや袋の破片」72個、「ふた・キャップ」52個、「タバコのフィルター」51個、「ひも」27個の順であり、日本海沿岸の海岸で広く確認された「レジンペレット」は7個採集された。また、「その他」の内訳としては、「注射器」、「パイプ」が採集された。
 昨年度の調査結果では、「シートや袋の破片」167個が最も多く、次いで「ひも」153個、「プラスチックの破片」68個、「タバコのフィルター」54個、「ふた・キャップ」38個の順であり、両年度とも「プラスチック破片」及び「シートや袋の破片」などが、プラスチック類の項目別の上位として出現した。
 
図3.2.2-6 プラスチック類項目別上位5品目


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