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4. 平成17年度研究内容
 陸用の排煙処理装置は、ACF反応器とその入口に設置された排ガスの増湿冷却装置から構成される。舶用へ適用する際、これまでの検討結果から、C重油焚ディーゼルエンジンの後流ではACF触媒に排ガス中のばいじんが付着し圧力損失が上昇することが判明した。そのため、船舶用での実用化に際してはACF触媒へのばいじん付着・閉塞対策が不可欠であり、H17年度研究(本研究)ではばいじん除去機能を有するジェットスクラバ(1),(2)を増湿冷却装置として設置することとした。ジェットスクラバ導入のメリットとしては高ばいじん除去率の他、低圧力損失であることや、高流速のガスを処理できることがある。また、L/G(液ガス比)を大きく取れるため、海水を使用すれば高SOX除去率が期待できる。
 本研究では、排ガス処理量200Nm3/h規模の陸上試験装置を設計・製作し、ばいじん除去性能、SOX除去性能、圧力損失とL/G(液ガス比)との関係について検討した。
 
4.1 陸上試験装置の製作
 本装置は、ジェットスクラバ、ACF反応器及び付帯設備から構成される。ジェットスクラバでは高温排ガス中に水(海水)を高速で噴射し、ばいじん除去と増湿冷却、一次SOX除去を行う。次いで、ACF反応器では、ジェットスクラバからの排ガスをACF触媒を使用して所定値以下までSOX除去する。ACF反応器は少量の水の添加のみで硫酸H2SO4を連続回収できることを特徴としている。
 本装置は、小型発電機用ディーゼルエンジン(A重油燃料)の排ガス、又は大型発電機用4サイクルディーゼルエンジン(C重油燃料)の排ガスの一部を使用する。尚、本装置において回収した排水はすべてタンクに回収し、必要量を排水処理試験用の供試液として使用する。
 本装置の計画に当たっては、SOX除去率、ばいじん除去率が評価できるよう、ジェットスクラバ入口、出口(ACF反応器入口)及びACF反応器出口にガスサンプリング座を設けた。
 試験装置のフローを図4.1.1に、外観イメージを図4.1.2に、外観写真を図4.1.3〜6に示す。
 
図4.1.1 舶用ACF陸上試験装置のフロー図
 
図4.1.2 舶用ACF陸上試験装置のイメージ図
 
図4.1.3 舶用ACF陸上試験装置 全景写真


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