日本財団 図書館


表紙説明◎名詩の周辺
松竹梅―松口月城作
正月を祝う松竹梅
 明けましておめでとうございます。今回の表紙は正月を寿ぐ意味を込めて、松口月城作「松竹梅」を取り上げました。この詩はもともと月城が、吟界の求めに応じ、祝宴吟として作詩したもので、祝宴の席での吟詠、また剣舞・詩舞にあわせて舞えるよう、縁起のよい詩語を並べ、祝福の気持ちを述べたものです。
 
 
 松と竹と梅は、三つとも寒に耐えるので「歳寒の三友」と呼び、めでたいものとして昔から慶事に用いられてきました。「松」は年中青く、雪にも耐えて青の緑を変えぬばかりか、千年の寿を保つ、艱難辛苦の象徴とされ、「竹」はしなやかさを持つのに固い、外剛内柔の象徴として、また、節目と節目の間は“中空”となっており、悪意や邪念の無い象徴とされています。さらに「梅」は、早春の寒風にめげず咲く“木の花”として高貴さの象徴にもなっています。
 これらはすべて中国から来た儒教の影響ですが、それが江戸時代、一般にも普及し、その代表的な例が正月に飾る「門松」です。
 門松は「歳神(お正月様)を迎える依代(よりしろ)」で、祝いものとしての松竹梅に、真心の象徴である赤い実の南天やセンリョウを加え、玄関や門に置き、歳神を迎える祝意を表したものです。
 作者・松口月城は、医者で作詩家。名は栄太。月城は号です。福岡市有田に生まれ、熊本医専(現在の熊本大学医学部)を卒業。宮崎来城に漢詩を学び、医師として活躍するかたわら詩作にふけり、標題の詩のほか、吟剣詩舞道家になじみの深い数多くの漢詩を残しています。昭和四十三年十月、財団法人日本吟剣詩舞振興会設立とともに元老に就任。昭和四十九年春、詩作を通じて吟剣詩舞に尽くした功績により、文部大臣表彰を受けています。著作に「松口月城詩集」があります。
 
皇居外苑(皇居前広場)の松。
この広場の中央を祝田門へ抜ける通りがあり、自動車の交通量は多いが、松は常に手入れされ年中青々としている
 
湯島神社(湯島天神)の梅。
東京の梅の名所として名高い
 
【皇居外苑】JR東京駅丸の内側下車、徒歩5分。地下鉄千代田線二重橋前下車徒歩5分。
【湯島天神】地下鉄千代田線湯島駅下車、西へ徒歩5分。
 
ハンセン病制圧に関するご報告
世界のハンセン病回復者、その子どもたちのために、今後も一層のご支援を!
WHOハンセン病制圧特別大使
日本財団会長
笹川陽平
 
 全国の吟剣詩舞愛好者の皆様、お元気でしょうか。
 皆様がハンセン病について関心をもたれご寄付くださった総額は五一〇万円になりました。私はこの貴重な寄付金を一円たりとも無駄使いせず、すべてインド・中国・ミャンマーなどの国々の、恵まれないハンセン病回復者や学校に行けないその子どもたちのために活用させていただいております。寄付金の使途につきましては、後日詳しくご報告いたします。
 
コンゴ民主共和国東部ルムンバシ州の村「カポロウェ」のハンセン病センターにて。カゴを手編みする現場を見学
 
 私は年間四カ月、海外で活動しています。皆様の心強い支援があればこそのことです。いわれない差別に苦しんでいる人々のために世界からハンセン病をなくしたいという父・笹川良一の遺志を継いで、私は仕事をさせていただいていることに感謝をしながら活動しております。
 世界のハンセン病回復者は、皆様の想像を絶する環境の中で、仕事もなく極貧の生活をしております。その子どもたちも学校に行けず、悲しい生活を強いられております。
 お元気でご活躍の皆様方、彼らのためにも今後も一層のご支援をお願いいたします。
 
同センターにて、現場担当者を激励
 
「日本財団会長笹川陽平ブログ」のお知らせ
 笹川陽平会長のハンセン病制圧活動関連記事が、「日本財団会長笹川陽平ブログ」として、氏の日々の活動とともに紹介されています。ぜひご覧ください。
 
ハンセン病回復者支援事業に引き続き協賛戴きました
 現在、開発途上国におけるハンセン病回復者自立支援事業における「(財)日本吟剣詩舞振興会」を通じてご寄付いただいた額は、五、一〇三、四三九円(十月末日現在)となっております。
■募金の振込についてのご案内
 ハンセン病回復者自立支援募金は、本誌最終頁に貼付の「専用振込用紙」をご利用いただき、最寄りの郵便局からお振込ください。送金手数料はかかりません。皆さまの温かいご支援をお顧いします。
ハンセン病回復者 自立支援事業 スタッフ一同
 
十月中にご寄付いただいた方のお名前(敬称略)
〔大分〕
笠置 一郎
伊地知 隆輝
(二件)
船瀬 清子
(二件)
〔京都〕
細身 照代
〔宮城〕
高橋 澄也


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