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 式典では西川一誠福井県知事が挨拶に立ち、浄瑠璃や歌舞伎を書いた近松門左衛門、近代医学の基礎を築いた杉田玄白、五箇条の御誓文を起草した由利公正、茶の本を著した岡倉天心など、多様な文化を育んだ福井県を紹介しながら、開催にあたってご苦労された方々の労をねぎらわれました。また、主管団体として河田和良財団会長が壇上に上がり、吟剣詩舞の全国的発展のために、財団としてさらなる努力を続けていくことを強く約束されました。
 
式典であいさつされる西川一誠福井県知事
 
財団を代表してあいさつする河田和良大会特別顧問
 
「日本の改革」で梶凰映氏の吟詠、見城星舟氏とその社中の皆さんの舞による「和歌・親思ふ」(吉田松陰作)
 
 第二部は財団法人日本吟剣詩舞振興会が企画した構成吟「『日本の改革』――松平春嶽の藩政改革と維新の計――」が披露されました。この企画は今年五月、熊本県で開催された名流大会における企画構成吟「『経国安民の大業』――横井小楠、維新の旅――」(福井藩主・松平春嶽に見出され、福井藩の藩政改革、日本の改革に活躍の場が与えられた横井小楠がテーマ)を引き継ぐ形で、松平春嶽の人材登用の慧眼とその活躍を綴ったリレー企画番組として披露されました。西川一誠福井県知事が「五箇条の御誓文」の直筆草稿を先ごろオークションで落札したとき、県民に対するメッセージとして「郷土の先人が近代国家をつくった気概を感じてほしい」と発表しましたが、まさに松平春嶽が行なおうとしていた「日本の改革」そのものであり、その気概を表現したのが今回の企画構成吟でした。河田和良財団会長を始め、財団役員の方々、また少壮吟士や東西随一の剣詩舞道家が顔をそろえ、さすがと思わせる、観ごたえ聴きごたえ十分の舞台がつづきました。


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