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取材――株式会社 サークオン
 
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水六訓
一、あらゆる生物に生命力を与えるは水なり。
 
一、常に自己の進路を求めてやまざるは水なり。
 
一、如何なる障害をも克服する勇猛心と、よく方円の器に従う和合性とを兼ね備えるは水なり。
 
一、自から清く他の汚れを洗い清濁併せ容るの量あるは水なり。
 
一、動力となり光となり、生産と生活に無限の奉仕を行い何等報いを求めざるは水なり。
 
一、大洋を充し、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変じ、霰と化してもその性を失わざるは水なり。
 
 水を心とすることが平和と健康と長寿の妙薬であります。
笹川良一
 
OPINION
明日への提言
 
人(ひと)もわれも
道(みち)を守り(まもり)て かはらずば
この敷島(しきしま)の 國(くに)はうごかじ
河田和良
 明治天皇のお歌です。明治天皇は、明治二十三年十月三十日、国民道徳の振興のため、「教育勅語」を発布されました。お歌は、この勅語とその心を一にするものと考えられます。
 去る五月五日(こどもの日)、熊本市民会館大ホールで開かれた平成十七年度全国名流吟剣詩舞道大会の企画構成番組「経国安民(けいこくあんみん)の大業(たいぎょう)」―横井小楠(よこいしょうなん)、維新の旅―の冒頭で謹詠させていただきました。
 当日は好天に恵まれ、大会は大盛況の裡に無事終了することができました。
 また、企画構成番組では、本誌四月号の本欄でもご紹介した幕末、維新期の思想家(熊本藩儒)、横井小楠の漢詩「送別の詩〈節録〉」が、吟詠と詩舞で演じられました。
 横井小楠の思想は、慶応二年(一八六六)、小楠の兄の子、佐平太(さへいた)と大平(だいへい)のアメリカ留学に際して彼が与えた、この「送別の詩」の中によく語られているといいます。詩の一節にある「大義(たいぎ)を四海(しかい)に布かん(しかん)のみ」の言葉は、東洋の思想を身に付け、進んだ西洋の技術を修得することが出来たなら、もう、日本を豊かにしようとか、強い軍隊を持とうとかと考えず、世界の平和のために貢献して行こうではないかという意味を語っています。
 横井小楠は、幕末の段階で、後の明治政府が究極の目標として追求することになる「富国強兵」の政策を、既にのり越えて、その彼方にある「経国安民」の大義、すなわち、世界平和を的確に見据えた、自らの経世論を持ち、この実践に懸命に取り組んだと言われています。
 横井小楠の残した「大義を四海に布かんのみ」の言葉は、奇しくも(くしくも)、財団創始会長笹川良一先生が生涯にわたり唱え、かつ訴え続けられた「世界は一家・人類皆兄弟姉妹」の精神そのものであることに驚き、また、感慨を深くしました。


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