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九州圏における海運振興関連施設整備の成果
1. 生鮮食料品輸送・保管のための冷凍コンテナ・保冷コンテナの整備
(1)冷凍コンテナの整備 (10個)
 九州本土までの航海便数が少なく、かつ長時間の航海を要する離島においては、島内で生産される生鮮物の輸送や本土からの冷凍食品等、冷凍輸送ニーズは高いが、冷凍コンテナが高価なため、数量が不足しているのが現状である。
 本事業は、生鮮物や冷凍食品等を長時間にわたり良好な状態で輸送できるよう冷凍コンテナを配備することにより、離島住民の食生活の安定、向上に寄与している。
 
(2)保冷コンテナの整備 (6個)
 離島で消費される野菜・果物・乳製品等の生鮮食料品は、その大部分を本土から海上輸送で行っており、食料品の鮮度維持、品質低下防止のために保冷コンテナは不可欠である。しかしその数量は不足しており、通常のコンテナでは悪天候による遅延等の場合などには品質低下はもとより腐敗してしまうこともある。
 本事業は、保冷コンテナを配備することにより、食料品の鮮度等を長時間維持することができるだけでなく、荷役時間の短縮並びに輸送の安定を図ることとなり、離島住民の消費する生鮮食料品の安定供給、物価の安定等に寄与している。
 
2. 離島航路整備のための浮桟橋及び渡り橋の整備
(1)浮桟橋及び渡り橋の整備 (各1基)
 対馬市は、昭和31年から離島住民の大切な交通手段として樽ヶ浜〜仁位航路を経営し、寄港地は、卯麦、貝口、佐志賀、嵯峨、貝鮒、水崎、加志々の地域で、使用船1隻(19トン)をもって1日2往復の運航を行なっている。
 このうち卯麦桟橋は、昭和62年に建造、平成7年に大きな修繕を行なったが、傷みが激しくこれ以上の修繕が不可能な状況にあった。
 本航路の利用客は、そのほとんどが高齢者であり、病院に通うために利用していることから、航路運営の安全上からも問題があり、地元住民及び利用客から早急に新たな浮桟橋を設置するよう要望がなされていた。
 こうしたことから、今回、貴財団の助成を賜わり、FRP製のサンドイッチ構造による耐久性の優れた浮桟橋と鉄製の渡り橋を整備することにより、地元住民や一般利用客(特に高齢者)の安全確保に役立ち、関係者から感謝されていることは大きな成果と考えられる。
 
「生鮮食料品輸送・保管のための冷凍コンテナ・保冷コンテナの整備 写真」
冷凍コンテナ L3658×W2438×H2591mm
 
保冷コンテナ L2550×W1650×H2438mm
 
「離島航路整備のための浮桟橋及び渡り橋の整備 写真」
浮桟橋 L10000×W4500×H900mm
渡り橋 L10300×W1070×H1150mm


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