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 これらの利用案内は、当然であるが利用者が一目で分かるようにした標語が多い、また、一部文章で説明書きのあるものもあった。なお、和文表記のものに関しては子供達ができるだけ読める必要があることから、振り仮名を付けたり、難しい漢字を避けるなどの配慮が必要であろう。加えて、外国人の利用者がいることを考慮すると、英文表記した利用案内の設置が望まれるが、現状では外国語表記のある利用案内が少ないようである。そこで、外国語表記の案内を行う場合の参考例として、国外の利用案内についても、以下に示す。
 
図−2.4.36 利用案内(英文表記)1
 
図−2.4.37 利用案内(英文表記)2
 
図−2.4.38 利用案内(英文表記)3
 
図−2.4.39 利用案内(英文表記)4
 
表−2.4.9 海岸利用の安全管理に関する標語および説明(英文表記)
・STAY ALIVE! SWIM BETWEEN THE FLAGS
・DANGER
・WARNING
・ENJOY A SAFE DAY AT THE BEACH
・CAUTION
・RIP CURRENT WARNING
・NO LIFEGUARD ON DUTY
・DO NOT SWIM HAZARDOUS CURRENTS
・SWIM AT OWN RISK
・NO BATHING
・NO SWIMMING
 
2.4.5 研究結果のまとめ
 平成17年度は、超音波流向流速計(ADCP)や波高計・電磁流速計などを使用した現地観測を、鹿児島県大島郡笠利町土盛海岸、宮崎市赤江海岸、沖縄県石垣市吉原海岸の各海岸で実施した。これらの現地観測のうち、土盛海岸と吉原海岸では、岩礁海岸のリップチャンネルとも言えるリーフギャップ周辺での流れに関する観測結果が得られた。しかし、海岸構造物付近の流れを計るためにADCPを設置した赤江海岸では、今年度九州に唯一上陸した台風0514号による高波浪のために海域に埋没し、現状では機材が回収できていない。
 数値計算に関しては、志布志湾押切海岸で測深された弧状沿岸砂州地形(リップチャンネル地形)が離岸流を発生しやすいことは知られているので、押切海岸の弧状砂州とほぼ同じスケールの波長400mを持つ弧状沿岸砂州とラージカスプが共存するモデル地形に、一般的な海浜の遊泳利用での上限に近いと考えられる波高1.5mの風波(不規則波)とうねり(規則波)、および、より発生頻度が高いと考えられる波高0.5mの風波とうねりを、直角入射および斜め入射(波角10°)の条件で海岸に入射させ、海浜流(離岸流)の発生状況について計算した。その結果、うねり性の波が斜め入射(θ=l0°)した場合の方が離岸流の流速が大きくなることが分かった。また、波が弧状沿岸砂州の沖合斜面で砕波する条件下では、砂州沖合に弧上砂州の半波長スケールを持つ循環流パターンの流れが形成された。よって、弧状砂州内では弧状砂州が沖側に湾曲した場所の背後、つまり、砂州中央に位置するリップチャンネル部分から離岸流が沖へ流出する。しかし、離岸流が、弧状砂州付近にさしかかる手前で、弧状砂州が陸側に湾曲した箇所を経由して沖に流出することが分かった。ただし、本計算ではリップチャンネルを含む弧状砂州地形が左右対称型のものを用いており、今後、リップチャンネルが斜めに配置された海底地形での計算も行う予定である。なお、平均水位(潮位)が一定として数値計算を行っているが、今後、潮位に見合うような水位変動も計算条件に加味した計算を追加する予定である。


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