日本財団 図書館


4.4 車いす利用者の駆動能力と通過難易度の関係
 手動車いすで段差・隙間を通過する場合、様々な通過パターンがあったことは前節で説明したが、この理由として、ハンドリム駆動能力が考えられ、駆動力によって通過難易度は変わると考えられる。
 そこで、前節の段差・隙間通過難易度の評価結果を、3.5で示した各被験者のハンドリム駆動力計測結果との関係で見ることにする。
 まず、全被験者の段差・隙間通過難易度を段差高ごとにまとめた結果を図4-5〜4-12に示す。横軸を隙間幅、縦軸を駆動力として、楽に通過を○、少し苦しいが通過を△、通過不可を×で示している。
 
図4-5 駆動力と難易度(段差高0mm)
 
図4-6 駆動力と難易度(段差高5mm)
 
図4-7 駆動力と難易度(段差高10mm)
 
図4-8 駆動力と難易度(段差高15mm)
 
図4-9 駆動力と難易度(段差高20mm)
 
図4-10 駆動力と難易度(段差高30mm)
 
図4-11 駆動力と難易度(段差高40mm)
 
図4-12 駆動力と難易度(段差高50mm)
 
 これらの図からは、○、△、×の間に良好な弁別は見られない。つまり、駆動力計測結果と段差・隙間通過難易度の間にあまり相関が見られない結論となった。このことは、車いす・搭乗者の総重量も何らかの形で考慮する必要があることを示唆している。


前ページ 目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION