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平成17年門審第70号
件名

漁船第6宮地丸乗揚事件(簡易)

事件区分
乗揚事件
言渡年月日
平成17年10月27日

審判庁区分
門司地方海難審判庁(清重隆彦)

副理事官
園田 薫

受審人
A 職名:第6宮地丸船長 操縦免許:小型船舶操縦士

損害
船尾部船底に破口及び舵板曲損等

原因
水路調査不十分

裁決主文

 本件乗揚は,水路調査が十分でなかったことによって発生したものである。
 受審人Aを戒告する。
 
裁決理由の要旨

(事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
 平成16年4月30日13時30分
 福岡県宗像市大島西岸

2 船舶の要目
船種船名 漁船第6宮地丸
総トン数 11トン
登録長 13.40メートル
機関の種類 ディーゼル機関
漁船法馬力数 160

3 事実の経過
 第6宮地丸(以下「宮地丸」という。)は,中型まき網漁業船団の灯船として操業に従事するFRP製漁船で,昭和54年7月に一級小型船舶操縦士免許を取得したA受審人ほか1人が乗り組み,まき網漁期開始前の各機器類の点検及び試運転を行う目的で,船首0.45メートル船尾1.50メートルの喫水をもって,平成16年4月30日13時10分福岡県大島漁港を発し,同県大島北方7海里ばかりの海域に向かった。
 ところで,A受審人は,大島漁港を基地として漁業に従事していたので,同島の西岸には多数の浅礁が存在することを知っていた。しかし,ほとんどの浅礁が耳鐘鼻と浜男ノ鼻の見通し線の沿岸寄りにあったことから,同島の西岸沖を北上する際には同見通し線の西側を航行すれば大丈夫と思い,地元の漁業協同組合支所が作成した大島周辺の瀬の位置を記載した平面図を閲覧するなり,海図に当たるなりして,同沿岸周辺の浅礁の分布を調べるなど,水路状況の調査を十分に行っていなかったので,同見通し線西側の浜男ノ鼻の南西方600メートルばかりのところにオゴウ瀬が存在することを知らなかった。
 発航後,A受審人は,平素,北方の漁場に向かうときは大島の東岸沖を航行していたものの,当日は,同島の西岸沖を北上して目的地に向かうこととし,舵と機関とを適宜使用して低速力で防波堤内を航行したのち,13時17分防波堤の外に至って14.5ノットの対地速力とし,手動操舵で同島南部沿岸沖を西行した。
 A受審人は,13時28分少し過ぎ耳鐘鼻西方沖の,筑前大島灯台から210度(真方位,以下同じ。)1,700メートルの地点に達し,針路を浜男ノ鼻の沖に向く004度に定めたところ,オゴウ瀬に向首する状況となったが,このことに気付かず続航中,13時30分筑前大島灯台から227度1,100メートルの地点において,宮地丸は,オゴウ瀬に乗り揚げた。
 当時,天候は晴で風力1の北北西風が吹き,潮候は上げ潮の初期であった。
 乗揚の結果,船尾部船底に破口及び舵板曲損等を生じたが,来援した僚船によって大島漁港に引き付けられ,のち修理された。

(原因)
 本件乗揚は,まき網漁期開始前の各機器類の点検及び試運転を行う目的で,大島西岸沖を航行するにあたり,水路調査が不十分で,同島西岸沖のオゴウ瀬に向かって進行したことによって発生したものである。

(受審人の所為)
 A受審人は,まき網漁期開始前の各機器類の点検及び試運転を行う目的で,大島漁港から大島北方の海域に向けて発航する場合,同島西岸沖を北上する予定であり,同沿岸周辺には多数の浅礁が存在することを知っていたのであるから,それらの浅礁に著しく接近することのないよう,地元の漁業協同組合支所が作成した大島周辺の瀬の位置を記載した平面図を閲覧するなり,海図に当たるなりして,同沿岸周辺の浅礁の分布を調べるなど,水路状況の調査を十分に行うべき注意義務があった。しかるに,同人は,ほとんどの浅礁が耳鐘鼻と浜男ノ鼻の見通し線の沿岸寄りにあったことから,同見通し線の西側を航行すれば大丈夫と思い,同沿岸周辺の水路状況の調査を十分に行わなかった職務上の過失により,同見通し線の西側にオゴウ瀬が存在することに気付かず進行して乗揚を招き,船尾部船底に破口及び舵板曲損等を生じさせるに至った。
 以上のA受審人の所為に対しては,海難審判法第4条第2項の規定により,同法第5条第1項第3号を適用して,同人を戒告する。





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