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(c)端末結線処理
イ. 端末結線は、一般的には圧着端子がよく用いられている。そのほかには、銅管端子やソルダレス端子又ははんだ付けタイプの端子等が、用いられる場合もある。
ロ. 圧着端子の取付け(例)
 導体絶縁ゴムを除去する長さは、使用する圧着端子の種類によって相違するが、原則として端子を取り付けた後に心線導体が約1mm程度接続側に出る長さとすること。この場合、心線導体を損傷しないように注意すること。(図3・41参照)
 
図3・41
(注)1.
圧着端子の圧着工具は、端子メーカー指定のものを使用すること。端子はケーブルの心線導体の太さに適合したものを使用のこと。
2.
番号スリーブは、機器結線部の端子番号と一致させる。多心ケーブルの場合で、保護テープに番号が付記されているものを、機器結線部の端子番号と一致させて結線する場合は、番号付きスリーブを用いなくてもよい。
3.
圧着が完了したら、端子が容易に抜けたりしないことを確認すること。

 特に心線導体が細い場合には、十分注意する必要がある。このようなときには心線導体を2重に折り返してから、圧着端子に圧着してもよい。
 
ハ. 裸圧着端子の取付け(例)
 裸圧着端子を使用する場合は、圧着した金属部分には熱収縮ビニルチューブや粘着ビニルテープを用いて絶縁と防湿の処理を行うこと。
 更に防水処理が必要な場合は、シール剤処理も行うこと。(図3・42参照)
 
図3・42
 
ニ. はんだ端子の取付け・・・図3・43による。
 
図3・43
(注)はんだはJISZ3282による55sn、50sn又は45snを用いること。
 
ホ. ケーブルの先端処理の色分けビニルチューブやビニルテープの色分けは下記のとおりとする。
(1)直流の場合
正極(P):赤
中性極(O):黒
負極(N):青
(2)交流の場合
第1相(R, U):赤  R, S, Tは負荷側
第2相(S, V):白  U, V, Wは電源側
第3相(T, W):青
ヘ. 特殊ケーブルの端末処理は、メーカーの指示に従うこと。
(d)高周波同軸コネクタの取付け(図3・44参照)
 
図3・44
 
イ. レーダー装備に使用する高周波同軸コネクタ類は、レーダーメーカー支給品で、その取付方法は、メーカー装備工事用図面等に記載されているのが一般的である。
ロ. 参考例(CO2形コネクタ、BNCプラグのオス型の場合)
 ケーブル外被を7mmだけ切り取る。
 このとき、編組を傷つけないこと。
 編組を解きほぐし、誘電体を先端から3mmだけ切り取る。
 解きほぐした編組の先端をつぼめ、締付け金具、座金、ガスケット、クランプの順にケーブルに挿入する。
 編組をクランプ上に折り返して切りそろえる。ケーブルの中心導体に予備のはんだ付けを行い、中心コンタクトを挿入してはんだ付けする。このとき、中心コンタクトは誘電体と透き間のないようにし、また、熱によって誘電体を溶かさないように注意すること。
 以上のように組み付けたケーブルをコネクタ本体の中に差し込み、締付け金具で固定する。
ハ. 同軸コネクタを取り付けるときの注意
(1)外被と誘電体を切断する長さは、コネクタの種類によって相違する。編組や中心導体を傷つけないよう注意する。
(2)中心コンタクトのはんだ付けは、コンタクトの外周にはんだを付け過ぎると、本体に入らなくなる。このとき、熱によって誘電体を溶かさないように注意すること。
(3)コネクタを取り付けてから、中心コンタクトが編組とショートしていないことをテスタで点検すること。
(4)がい装ケーブルの場合は、コネクタの手前でがい装を切断して、端末結束及びがい装に接地用リード線をはんだ付けして引き出す。
ニ. その他の電子機器用コネクタ類の取付け(例)(図3・45参照)
 
図3・45
 
 レーダーの形式によっては、ケーブル端末に、いわゆる「接栓」を取り付けて機器側の接栓座と結合するような場合がある。
 接栓の種類にも丸形や角形、オス形とメス形等の各種がある。
 接栓の取付け上の一般的な注意事項は以下のとおりである。
(1)ケーブル外被と導体絶縁物を切断する長さ(A及びB寸法)は、使用する接栓に適合させる。
(2)ケーブル導体は、丁寧によって予備はんだ付けをしておいてから、絶縁スリーブを通して、コンタクトにはんだ付けする。
(3)ケーブル心線番号又は色分けとコンタクトの番号は、図面指示どおり結線し、誤配線のないように注意する。
(4)接栓のキャップにケーブルクランプのあるものは、確実にケーブル外被を保持して締め付けること。
(8)ケーブルのクランプ方法
(a)レーダーユニットのケーブル導入部付近では、ケーブルに無理が掛からない位置で、できる限りユニットに近いところで必ずケーブルをクランプすること。
 レーダー空中線の場合などで、防振ゴム台を用いて装備されたユニットの場合は、防振性能を損なわないように注意しなければならない。
 この場合、第1クランプまでの寸法は450mm以上を標準とする。
(b)ケーブルのクランプ(例)
イ. 巻きバンド(図3・46参照)
 鋼又はSUS(ステンレス)製のテープ状のもので、電線馬などを用いてケーブルに巻き付けて使用する。止め金具(バンドバックル)と工具が必要である。
ロ. クリップ(図3・47参照)
 支柱又は馬を用いて、黄銅や軟鋼製クリップでケーブルをクランプする。
 
図3・46
 
図3・47







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