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船舶電気装備技術講座 〔装備艤装工事編〕 (レーダー)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導等
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


1・3・5 電波法におけるレーダーの種別の変遷
 航海用レーダーの変遷については1・1・1節で述べたが、それに伴って電波法ではレーダーの種別に一部変化があった。それを以下の表に示す。
 
(拡大画面:46KB)
注(1)第3種の1などの「の1」は仮称である。
(2)別に自動レーダープロッティング機能を付加する装置(RP)がある。
(3)型式検定番号の記号
 
1・3・6 電波法によるレーダーの検査
(1)概要
 船舶に装備される航海用レーダーは、電波を利用した航法装置であるので、電波法の規定に基づき設置、運用される。
 したがって、無線局として総務大臣の免許を受けなければ、無線局の運用はできない。また、レーダーの操作及び保守を含め無線局を運用する者は、無線従事者の資格を有する者でなければならない。ただし、空中線電力が5kW未満のレーダーで技術基準適合証明又は型式検定に合格したレーダーは、無線従事者の資格を必要としない。
 船舶におけるレーダーの無線局は、無線航行移動局又は船舶局となる。船舶局の場合、レーダーは無線設備の一部となるので申請業務は、他の無線設備と一括して行われるのが一般的である。これらの申請業務は、無線機器メーカー等が船舶の所有者又は運航者の代行をしているのが通例である。
 レーダー及びその他の無線設備の装備が完了した後に、地方総合通信局による無線局の検査を受検しなければならない。
(2)関連法規
a)電波法
第二章 無線局の免許(第4条から第24条)
第五章 運用 (第52条から第55条及び第60条)
b)電波法施行規則(以下「施則」と称する)
c)無線局免許手続規則(以下「免則」と称する)
d)登録点検事業者等規則
(参考)
1 無線設備とは、無線電信、無線電話その他電波を送り、又は受けるための電気的設備をいう。
2 無線局とは、無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体をいう。但し、受信のみを目的とするものを含まない。
3 無線従事者とは、無線設備の操作を行う者であって、総務大臣の免許を受けたものをいう。
4 船舶局とは、船舶の無線局のうち、無線設備が遭難自動通報設備又はレーダーのみのもの以外のものをいう。(注参照)
5 義務船舶局とは、船舶安全法第4条(同法第29条の7の規定に基づく政令において準用する場合を含む。)によって無線電信などを義務づけられている船舶局をいう。
6 特定船舶局とは、空中線電力が5W以下の無線電話を使用する船舶局であって、総務大臣が別に告示するものをいう。
(注)無線設備が遭難自動通報設備のみの場合、無線局の種別は遭難自動通報局となり、レーダーのみの場合又はレーダー及び遭難自動通報設備のみの場合、無線局の種別は無線航行移動局となる。
(3)無線局の申請から免許までの概要
 無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。(電波法第4条)
 免許を受けないで無線局を開設し、又は運用した者は、電波法違反として罰則規定の対象となる。(電波法第110条)
 船舶局又は無線航行移動局の申請は、その船舶を運航する者とされている。また、無線局の免許に関する事項は、総務大臣から地方総合通信局長に権限が委任されているため、申請書類等は当該船舶の主たる停泊港の所在地を管轄する地方総合通信局長あてに提出する。
 免許の申請から開設までの概要は、以下に示すとおりである。
a)免許申請
 無線局免許手続規則の規定に従って、免許申請書に無線局事項書、工事設計書、図面、資料等を添付して申請する。(免則第3条、第4条)
 船舶局又は無線航行移動局の場合で、申請者と船舶の所有者が異なるときは、申請者が当該船舶を運用する者である事実を証する書面を添付しなければならない。(免則第5条)
 申請書類の様式は、無線局の区分によって相違する。(免則第3条、第4条)
b)予備免許の付与
 無線局免許申請書が受理されると、申請の内容について審査され、電波法第7条に適合していると認められれば、工事落成の期限、電波の形式及び周波数、呼出符号又は呼出名称、空中線電力、運用許容時間を指定して、予備免許が与えられる。(電波法第8条)
c)工事落成の届け及び落成後の検査
 予備免許を受けた者は、工事落成の期限内に無線設備の装備工事を完了させ、その旨を総務大臣に届け出て、検査を受けなければならない。(電波法第10条)
 この落成後の検査は新設検査といわれており、その無線設備、無線従事者の資格及び員数、並びに時計及び業務書類について、地方総合通信局により検査が行われる。
d)レーダーの検査
 船舶に装備された航海用レーダーの新設検査は、申請内容の事実の確認、当該レーダーの型式、構成、製造番号等の確認及び総合試験を行う。総合試験は、起動時間を計測した後に、距離レンジ、同調、利得調整、STC、FTCについて、指示器により動作状況を確認する。また、自動レーダープロッティング機能が付加されている場合は、目標の捕捉及び追尾、警報、表示の消去についてその動作を確認する。
e)無線局の開設
 地方総合通信局の検査に合格したとき、無線検査簿にその旨記載され、無線局免許状が交付される。すなわち、無線局が開設され運用可能となる。
 
◎無線局申請から免許までの手順
 
注)変更の場合は、上図において免許申請→変更申請、予備免許→変更免許、工事落成→変更工事完了と読み替える。 
 
(4)登録点検事業者制度
 登録点検事業者制度は、無線局の検査において民間の能力を一層の活用をするため、平成10年4月1日に導入された認定点検事業者制度を平成16年1月26日に登録点検事業者制度に改正されたものである。
 一般に、官立合いの検査を「国の検査」と呼び、登録点検事業者制度を利用した検査を「書面検査」と呼んでいる。
a)対象となる検査
 新設検査(電波法第10条第2項)、変更検査(電波法第18条第2項)及び定期検査(電波法第73条第3項)
b)対象となる無線局
 登録点検事業者等が無線設備等の点検を行うことができる無線局は、国が開設するもの以外のものとする。(登録事業者等規則(以下登録点検規則と称す)第14条第3項)
c)点検員の要件
 次に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有するもの。
1〜3級総合無線通信士、1、2、4級海上無線通信士、1、2級陸上無線技術士、1級陸上特殊無線技士、1級アマチュア無線技士及び同等の資格を有する者(電波法第24条の2第4項1号)
 ただし、1級陸上特殊無線技士、1級アマチュア無線技士は海岸局、航空局、船舶局及び航空機局以外の無線設備等の点検に限る。(登録点検規則第2条第3項)
d)登録点検事業者制度の利用手順
 
 
(5)船舶局等の免許の有効期間
a)義務船舶局の免許の有効期間は、無期限とする。(電波法第13条)
b)非義務船舶局の免許の有効期間は、免許の日から起算して5年間とする。(施則第7条)
 免許の有効期間の満了後においても引き続き運用したい無線局は、その旨を申請することにより再免許を受けることができる。この場合、再免許申請書の提出は、免許の有効期間満了前3ヶ月以上6ヶ月を超えない期間において行わなければならない。(免則第17条)
c)無線航行移動局等の免許の有効期間は、すべてが同時に有効期間が満了するように一定の時期が定められており、その満了の日は免許の期日に関係なく一斉に再免許される。平成4年11月30日から実施されている。
 再免許手続きについてはb)の場合と同じである。ただし、免許の有効期間が一年以内である無線局については、免許を受けた後、直ちに再免許の申請を行わなければならない。
(6)免許後の変更と変更検査
a)免許人は、通信相手方、通信事項若しくは無線設備の設置場所を変更し、又は無線設備の変更の工事をしようとするときは、あらかじめ総務大臣の許可を受けなければならない。(電波法第17条)
b)総務省令で定める軽微な事項について工事設計を変更したときは、遅滞なくその旨を総務大臣に届け出なければならない。(電波法第17条第2項)
c)変更工事の許可を受けた免許人は、総務大臣の変更検査を受け、当該変更又は工事の結果が許可の内容に適合していると認められた後でなければ、許可に係わる無線設備を運用してはならない。(電波法第18条)
(7)定期検査
 総務大臣は、総務省令で定める時期ごとに、あらかじめ通知する期日にその職員を無線局に派遣し、その無線設備等の検査をさせる。(電波法第73条)
 定期検査の時期は、下記に示す無線局ごとに定められた期間を経過した日の前後3ヶ月を超えない時期とする。(施則第41条の4)
・義務船舶局(旅客船及び国際航海に従事する船舶) 1年
・義務船舶局(上記以外の船舶及び遭難自動通報設備義務の船舶) 2年
・その他の船舶局(特定船舶局等) 3年
・無線航行移動局(遭難自動通報設備義務の船舶) 2年
・その他の無線航行移動局 5年
 
(8)臨時検査
 総務大臣は、下記の場合に、その職員を無線局に派遣して臨時検査をさせることができる。(電波法第73条)
a)総務大臣が、無線局の発射する電波の質が総務省令で定めるものに適合していないと認め、電波の発射の停止を命じたとき。
b)上記の命令を受けた無線局から、その発射する電波の質が総務省令で定めるものに適合するようになった旨の申し出があったとき。
c)無線局のある船舶、若しくは航空機が外国へ出港しようとするとき。
d)その他、電波法の施行を確保するため特に必要があるとき。







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