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7 船舶消防設備規則(電気関係)
7.1 規則の種類と内容概略
7.1.1 適用規則
船舶消防設備規則
船舶設備規程
7.1.2 規則の内容概略
(1)船舶消防設備規則
(a)告示第16条 自動スプリンクラ装置
(b)告示第34条 火災探知装置
(c)第52条、第63条の4、告示第35条 手動火災警報装置
(d)第50条、第63条の2 自動スプリンクラ装置及び火災探知装置
(e)第51条、第63条の3 自動スプリンクラ装置及び火災探知装置の備付方法
(f)第52条の2 船員の招集のための警報装置
(g)第52条の3 係留船に対する緩和
(h)第69条 無人の機関室における火災探知装置等
(i)第69条の2 機関区域無人化船等の消防設備
(2)船舶設備規程
(a)第286条 通風機、ポンプ等の非常停止
(b)第289条 防火に対する電源
(c)第298条 火災探知装置の電源
7.2 防火に対する考慮
7.2.1 電気機器の設計上の考慮
(1)電気機器の設計に当っては難燃性材料を使用し防火に対する考慮を払うこと。
(a)配電盤の盤材料は、非吸湿性のものであり、かつ、難燃性のものでなければならない。〔設規213条〕
(b)区電盤及び分電盤は、配線するのに十分な空間をもった金属製箱又は難燃処理を施した箱に収めなければならない。・・・〔設規222条〕
(c)接続箱及び分岐箱は金属製又は難燃性及び非吸湿性の材料で作られ、かつ、配線するのに十分な空間を持ったものでなければならない。・・・〔設規226条〕
(d)電熱設備は、通常の使用状態において火災の生ずるおそれのないものであり、かつその充電部を必要に応じて難燃性材料で保護したものでなければならない。・・・〔設規290条〕
注(1)本章では船舶設備規程を設規と略記する。
(2)本章では船舶消防設備規則を消規と略記する。
(2)埋込形の区電箱、分電箱などは、船体(船楼、隔壁、甲板、甲板室を含む)の防火構造と同等材料を用い防火構造とせねばならない。
(3)爆発性のガスの蓄積する場所には防爆形の機器を使用せねばならない。・・・〔設規174条〕
7.2.2 電気機器の配置に対する考慮
 電気機器は適切な対策を講ずる場合を除く外、次の場所に装備してはならない。・・〔設規174条〕
(a)通風が悪く引火性ガスがうっ積する場所
(b)油、熱により障害を生ずるおそれのある場所
(c)燃焼し易いものに近接する場所
(d)爆発し、又は引火し易い物質が発生し、蓄積し、又は貯蔵される場所
7.2.3 電装設計に対する考慮
(1)次に掲げる電路は第1種配線工事によらなければならない。・・・〔設規247条〕
(a)爆発し又は引火し易い物質が発生し、蓄積し又は貯蔵される場所に布設する電路
(b)自動スプリンクラ装置に給電する電路
(2)油タンク又は防油区画には電路を布設してはならない。・・・〔設規258条〕
(3)外洋航行船にあっては安全上必要な動力設備照明設備、船内通信及び信号設備に給電する電路は、調理室、特定機関区域内の閉囲場所その他火災の危険の多い閉囲された場所に配置してはならない。・・・〔設規260条〕
(4)給電路は船体から十分絶縁し、かつ、必要な個所には常に漏電の有無を表示する装置又は接地警報器を備え付けなければならない。・・〔設規264条〕
(5)消防設備に使用する電動機で連続運転を行うものは連続定格とする。・・・〔設規275条〕
7.3 火災に対する設備計画
7.3.1 電源及び給電
(1)自動スプリンクラ装置
 船舶消防設備規則告示第16条の自動スプリンクラ装置の電気式のものであるときは、常用の電源のほか予備の独立の電源からも給電することができるものでなければならない。この場合外洋航行船のスプリンクラポンプの常用電源は主電源でなければならない。なおこれが国際航海に従事する旅客船である場合は次の要件に適合すること。・・・〔設規289条〕
(a)ポンプの電源は主電源及び非常電源であること。
(b)ポンプの給電は主配電盤及び非常配電盤からこの目的のために備える独立の電路によって行われるものであること。
(c)前(b)の電路には、スプリンクラ・ポンプの近くの場所に次に掲げる要件に適合する自動切換開閉器を備え付けること。
 
自動切換開閉器
 
(イ)主配電盤から給電することができる間は主配電盤からの電路に閉じられていること。
(ロ)主配電盤からの給電が停止した場合には、非常配電盤からの電路に自動的に切り換えられること。
(d)(b)の電路には(c)の開閉器以外のいかなる開閉器も備え付けないこと。
(e)主配電盤及び非常配電盤上のスプリンクラ・ポンプの開閉器は、その用途及び通常は閉位置に保つ旨の表示を設けること。
(f)自動警報装置(消規告示第16条第4号の自動警報装置をいう。以下同じ)は常用の電源のほか非常電源からも給電することができるものであること。
(2)火災探知装置
 船舶消防設備規則告示第24条の火災探知装置は、次に掲げる要件に適合するものであること。〔設規第298条〕
(a)常用の電源のほか予備の独立の電源からも給電することができるものであること。
(b)給電は、この目的のためにのみ備える独立の電路によって行われるものであること。
(c)前(b)の電路には、制御場所に切換開閉器を備え付けること。
7.3.2 遠隔停止装置(設規286条)
(1)機関区域に使用する電動通風装置は機関区域内外のいずれにおいてもこれを停止できるものでなければならない。この場合の停止装置は他の区域に使用する電動通風装置に備える停止装置と独立したものでなければならない。
(2)機関区域に使用する電動通風装置以外の電動通風装置〔国際航海に従事しない船舶であって旅客船以外のものに設備する電動通風装置にあっては調理室及び貨物区域(船舶防火構造規則第2条第17号の貨物区域をいう。以下この条において同じ。)に使用するものに限る。)〕はそれぞれ使用する場所の外部からこれを停止できるものでなければならない。
(3)前2項の規定により電動通風装置を使用する場所の外部に備える停止装置は、当該場所の火災によりその操作を妨げられない位置に設置しなければならない。
(4)旅客船に設備する電動通風機であって、機関区域貨物区域又は制御場所に使用する電動通風装置以外のものはできるだけ離れた二つの場所のいずれにおいても、これをすべて停止できるものでなければならない。ただし国際航海に従事しない旅客船であって管海官庁が承認したものについては、この限りではない。
(5)調理室のレンジからの排気に使用する電動通風装置は、調理室の内部のいずれからでもこれを停止できるものでなければならない。
(6)燃料油装置のポンプ又は貨物油ポンプが電動式のものである場合には、これらの設置場所の内外いずれにおいてもこれを停止できるものでなければならない。







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