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2.9.9 その他計測機器の備付け
 船速距離計、回頭角速度計、音響受信装置、船舶自動識別装置、航海情報記録装置及び舵角指示器等の備付けについては、設備規程第146条の25、第146条の27から第146条の30、第146条43及び航海用具の基準を定める告示第20条から第22条、第32条による。
 
(船速距離計)
第146条の25 総トン数300トン未満の旅客船及び総トン数300トン以上の船舶であって2時間限定沿海船等以外のものには、機能等について告示で定める要件に適合する船速距離計を備えなければならない。ただし、管海官庁が当該船舶の設備、航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合は、この限りでない。
2. 遠洋区域、近海区域又は沿海区域を航行区域とする船舶(前項に規定する船舶、2時間限定沿海船及び沿海区域を航行区域とする帆船を除く。)には、船速距離計その他の自船の速力を測定することができる装置を備えなければならない。ただし、管海官庁が当該船舶の設備、航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合は、この限りでない。
(回頭角速度計)
第146条の27 総トン数50,000トン以上の船舶には、機能等について告示で定める要件に適合する回頭角速度計を備えなければならない。
(音響受信装置)
第146条の28 全閉囲型船橋(船橋から暴露部に直接至る出入口を有しない船橋をいう。)を有する船舶には、機能等について告示で定める要件に適合する音響受信装置を備えなければならない。ただし、管海官庁が当該船舶の設備等を考慮して差し支えないと認める場合にはこの限りでない。
(船舶自動識別装置)
第146条の29 総トン数300トン未満の旅客船及び総トン数300トン以上の船舶であって国際航海に従事するもの並びに総トン数500トン以上の船舶であって国際航海に従事しないものには、機能等について告示で定める要件に適合する船舶自動識別装置を備えなければならない。ただし、管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合には、この限りでない。
(航海情報記録装置)
第146条の30 総トン数150トン以上3,000トン未満の旅客船及び総トン数3,000トン以上の船舶(船舶安全法施行規則第1条第2項第1号及び第2号の船舶(同項第2号の船舶にあって自ら漁ろうに従事するものに限る。)を除く。)であって、国際航海に従事するものには、機能等について告示で定める要件に適合する航海情報記録装置を備えなければならない。
(舵角指示器等)
第146条の43 総トン数500トン以上の船舶及び国際航海に従事する総トン数500トン未満の旅客船には、舵角指示器、プロペラの回転数及び回転方向(可変ピッチプロペラにあつては、そのピッチ)並びに推力を表示する表示器並びにサイドスラスターを有するものにあつてはその運転状態を表示する表示器であって、その制御系統等について告示で定める要件に適合するものを備えなければならない。
 
【航海用具の基準を定める告示】
(船速距離計)
第21条 総トン数50,000未満の船舶に係る規程第146条の25の告示で定める要件は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1)速力及び距離の表示は、管海官庁が適当と認めるものであること。
(2)対水速力及び対地速力を測定することができるものにあつては、測定中の速力の種類を表示することができるものであること。
(3)総トン数10,000トン以上の船舶に備えるものにあつては、対水速力及び対水距離を測定することができるものであること。
(4)前進方向以外の速力を表示することができるものにあつては、当該速力の方向を表示することができるものであること。
(5)船体を貫通する計測部が損傷を受けた場合においても浸水を生じないような措置が講じられているものであること。
(6)計測部の保護のため、可動式計測部の状態を表示する装置を備え付ける等管海官庁が適当と認める措置が講じられているものであること。
(7)測定した速力及び距離に係る情報を自動衝突予防援助装置その他の必要な航海用具等に伝達することができるものであること。
(8)第6条第6号及び第8号から第14号まで、第8条第1項第4号並びに第13条第5号に掲げる要件
2 総トン数50,000トン以上の船舶に係る規程146条の25の告示で定める要件は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1)対地速力及び対地距離を測定することができるものであること。
(2)横方向の速力を表示することができるものであること。
(3)前項各号に掲げる要件
(回頭角速度計)
第22条 規程第146条の27の告示で定める要件は、次のとおりとする。
(1)回頭角速度の表示は、管海官庁が適当と認めるものであること。
(2)30度毎分以上の回頭角速度を表示することができ、かつ、回等角速度が目盛りの最大値を超えた場合には、そのことを表示することができるものであること。
(3)停止状態から4分以内に完全に作動するものであること。
(4)作動中であることを表示することができるものであること。
(5)入力信号に対する応答を調節することができるものであること。
(6)運動するジャイロコンパスの機能に障害を与えないものであること。
(7)第6条第8号から第14号まで及び第13条第5号に掲げる要件
(音響受信装置)
第23条 規程第146条の28の告示で定める要件は、次のとおりとする。
(1)周波数70ヘルツから820ヘルツまでの音響を受信することができるものであること。
(2)受信した音響を船橋内で再生することができるものであること。
(3)音響を探知した方位が、船首方向に対し前後左右いずれの方向であるかを表示できるものであること。
(4)音響を受信した場合に受信を示す表示を3秒以上行うものであること。
(5)表示器は、船橋の適当な位置に備え付けられたものであること。
(6)音量を調節できるものであること。
(7)第6条第8号から第14号までに掲げる要件
(舵角指示器等)
第33条 規程第146条の43の告示で定める要件は、次のとおりとする。
(1)船橋の適当な位置に設置されたものであること。
(2)舵角指示器にあっては、操舵装置の制御系統から独立したものであること。
 
(関連規則)
 設備規程第146条の25、第146条の28関係(船舶検査心得)及び航海用具の基準を定める告示第21条、第23条関係(心得)
 
(船速距離計)
146-25.0(a)「管海官庁が当該船舶の設備、航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合」とは、国際航海に従事する旅客船以外の船舶(総トン数300トン未満のものに限る。)又は国際航海に従事しない船舶(総トン数500トン未満のもの及び総トン数500トン以上の自ら漁ろうに従事するものに限る。)であって、「衛星航法装置及び潮汐表」を備える場合をいう。
146-25.2(a)「その他の自船の速力を測定することのできる装置」とは、船舶の最大航海速力までの速力を計測できる装置をいい、「船底測程機械」又は「衛星航法装置及び潮汐表」のいずれかの装置とする。
(b)「管海官庁が当該船舶の設備、航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合」とは、次に掲げるいずれかの場合とする。
(1)次に掲げる船舶であって、「船速図及び潮汐表」を備えるものである場合。この場合において、船速図とは、各船舶ごとにプロペラの回転数及び載貨状態等に応じて計算により求められた船速を明瞭かつ簡易にわかるように表した図表等をいう。ただし、当該図表等は航海中必要に応じて船橋で確認できるよう表示又は保管されたものであること。
(i)最大航海速力が20ノット以下の船舶
(ii)瀬戸内のみを航行区域とする船舶
(iii)沿海区域を航行区域とする船舶であって沿海区域における航行予定時間が2時間未満のもの
(2)沿海区域を航行区域とする船舶であって(x)及びの要件に適合するものである場合
(i)当該船舶の航海用レーダーが、航海用具告示第8条の規定に適合するもの又は船上で航海用レーダーを作動させた場合に当該船舶の周囲にある20海里以遠の適当な陸地若しくは物標を表示できるものであること。
(ii)(イ)又は(ロ)に適合するものであること。
(イ)当該船舶の最高速力が12ノット以下であるか、又は当該船舶の航行区域が海上交通安全法(昭和47年法律第115号)第2条に定める航路の全部又は一部を含まないものであること。
(ロ)適当な対水速力計を備え付けていること。この場合において、対水速力計については、資料を添えて、管轄の地方運輸局又は運輸支局に相談すること。
(c)船舶の用途又は航法を考慮して、(a)又は(b)(1)によることが不合理と認められる場合には、資料を添えて、管轄の地方運輸局又は運輸支局に相談すること。
(音響受信装置)
146-28.0(a)「管海官庁が当該船舶の設備等を考慮して差し支えないと認める場合」とは、国際航海に従事しない船舶であって、開放できる窓等がある場合とする。
 
【航海用具の基準を定める告示第21条及び第23条関係(心得)】
(船速距離計:Speed And Distance Measuring Device)
21.0(a)第1号の「管海官庁が適当と認める」表示は次に掲げるところによること。
(1)船首尾方向以外の方向の速力を表示できるものにあつては、対水速力を船首方向の速力成分及び横方向の速力成分によつても表示することができること。
(2)測定中の速力の種類(対水速力又は対地速力)を表示すること。
(3)測定した速力の有効性
(b)第7号の「測定した速力及び距離に係る情報」は次に掲げるところによること。
(1)接点信号により情報を伝達するものにあつては、速力に係る情報は前進速力の情報のみを伝達できるものであること。
(2)逐次(シリアル)デジタルインターフェースにより情報を伝達するものにあっては、当該速力の方向も伝達できるものであること。
(音響受信装置:Sound Reception System (SRS))
23.0(a)スピーカの位置は、第2号の規定により再生される音響が、船橋内のすべての位置で聞こえるように配置すること。
(b)第5号の「適当な位置」とは、音の来た方向を示す表示が、通常操船を行う位置に置いて視認できる位置をいう。







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