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2.9.7 音響測深機の備付け
 音響測深機の備付けについては、設備規程第146条の23及び航海用具の基準を定める告示第17条による。
 
(音響測深機)
第146条の23 総トン数300トン未満の旅客船及び総トン数300トン以上の船舶であって2時間限定沿海船等以外のものには、機能等について告示で定める要件に適合する音響測深機を備えなければならない。ただし、管海官庁が当該船舶の設備等を考慮して差し支えないと認める場合には、この限りではない。
【航海用具の基準を定める告示】
(音響測深機)
第17条 規程第146条の23の告示で定める要件は、次のとおりとする。
(1)送受波器は、できる限り、船体、プロペラ等により生じる水流の影響を受けない位置に設置されていること。
(2)通常の音波の伝播状態において、送受波器の下方2メートルから200メートルまでの水深を測定することができるものであること。
(3)200メートルの水深に対応する測深レンジ及びその20メートルの水深に対応する測深レンジを有するものであること。
(4)音波を毎分36回以上発射することができるものであること。
(5)15分間の測深結果を表示することができるものであること。
(6)12時間の測深結果を記録することができるものであること。
(7)水深があらかじめ設定した値以下となった場合に、可視可聴の警報を発するもの(可聴警報を一時的に停止することができるものに限る。)であること。
(8)その機能に障害を生じるおそれのある給電の停止又は減少があった場合に、可視可聴の警報を発するもの(可聴警報を一時的に停止することができるものに限る。)であること。
(9)測深結果に係る情報を他の設備に伝達することができるものであること。
(10)船舶が5度縦揺れ又は10度横揺れしている状態においてもその機能に障害を生じないものであること。
(11)第6条第6号及び第8号から第14号まで、第8条第1項第4号、第13条第5号並びに第15条第6号に掲げる要件
(12)前各号に掲げるもののほか、水深の表示の方法その他の音響測深機が通常有すべき性能について、管海官庁が適当と認めるものであること。
 
(関連規則)
 設備規程第146条の23関係(船舶検査心得)
 
(音響測深機)
146-23.0(a)「管海官庁が当該船舶の設備等を考慮して差し支えないと認める場合」とは、国際航海に従事しない船舶(総トン数500トン未満のもの及び総トン数500トン以上の自ら漁ろうに従事するものに限る。)であって、「衛星航法装置及び海図」又は「魚群探知機」を備える場合をいう。
 
2.9.8 衛星航法装置等の備付け
 衛星航法装置等の備付けについては、設備規程第146条の24及び航海用具の基準を定める告示第18条、第19条及び20条による。
 
(衛星航法装置等)
第146条の24 国際航海に従事しない船舶であって総トン数500トン以上のもの及び国際航海に従事する船舶(総トン数300トン未満の第1種漁船(漁船特殊規程(昭和9年逓信、農林省令)第2条の第1種漁船をいう。以下同じ。)を除く。)には、機能等について告示で定める要件に適合する第1種衛星航法装置又は無線航法装置を備えなければならない。
2 国際航海に従事しない船舶であって総トン数500トン未満のもの(平水区域を航行区域とするもの及び第1種漁船を除く。)には、機能等について告示で定める要件に適合する第2種衛星航法装置又は無線航法装置を備えなければならない。
【航海用具の基準を定める告示】
(第1種衛星航法装置)
第18条 第1種衛星航法装置に係る規程第146条の24第1項の告示で定める要件は、次のとおりとする。
(1)自船の位置の測定のために適当な人工衛星の発射する電波をGPS受信機により有効に受信し、かつ、自動的に自船の位置を測定できるものであること。
(2)自船の位置、対地速力及び真針路の測定に係る演算処理を管海官庁が適当と認める速さで行うことができるものであること。
(3)ディファレンシャル方式による位置誤差を補正する信号を入力することができ、かつ、当該信号を入力した場合において第1号の測定した自船の位置を補正することができるものであること。
(4)次に掲げる事項を見やすい方法により表示できるものであること。
イ 測定した自船の位置(1000分の1分を単位とする緯度及び経度による表示)
ロ イに係る測定の時刻
ハ 測定機能の不良が生じた場合において、その旨並びに測定機能の不良が生じる直前に測定した自船の位置及び当該位置に係る測定の時刻
ニ ディファレンシャル方式による補正を行う場合において、位置誤差を補正する信号が入力されていること及び測定した自船の位置が補正されていること
(5)測定した自船の位置、時刻、対地速力及び真針路を航海用レーダーその他の航海用具に伝達する信号を出力することができるものであること。
(6)空中線回路及び信号の入出力端子が短絡又は設置した場合においても損傷を受けないような措置が講じられているものであること。
(7)第6条第6号、第8号から第11号まで及び第13号、第8条第1項第3号及び第4号並びに第13条第5号に掲げる要件
(第2種衛星航法装置)
第19条 第2種衛星航法装置に係る規程第146条の24第2項の告示で定める要件は、次のとおりとする。
1 自船の位置の測定に係る演算処理を管海官庁が適当と認める速さで行うことができるものであること。
2 測定した自船の位置の情報を航海用レーダーその他の航海用具に伝達する信号を出力することができるものであること。
3 前条第1号、第4号(イ及びロに掲げる要件に限る。)及び第7号(第6条11号及び第13号を除く。)に掲げる要件
(無線航法装置)
第20条 無線航法装置に係る規程第146条の24第1項及び第2項の告示で定める要件は、ロランC受信機であることとする。
 
(関連規則)
 設備規程第146条の24関係(船舶検査心得)及び航海用具の基準を定める告示第18条関係(心得)
 
(衛星航法装置等)
146-24.1(a)「管海官庁が当該船舶の設備等を考慮して差し支えないと認める場合」とは、次の場合とする。
(1)湖川のみを航行する船舶である場合
(2)施行日前に設置され、第146条の24に規定する要件には適合しないが、世界測地系での表示に対応し、正常に作動していることが確認されたGPS機器がある場合
【航海用具の基準を定める告示第18条関係(心得)】
(第1種衛星航法装置)
(衛星航法装置:Global Navigation Satellite System)
18.0(a)第1号の「自船の位置」を世界測位座標系により演算し、使用する航海用海図に変換することができる場合は、その旨及び表示する測地系を表示することができること。
(b)第1号の「適当な人工衛星」とは、GPS宇宙部が構成する24の衛星のうち自船の位置の測定のために用いることができる衛星をいう。
(c)第1号の「有効に受信」するとは、次に掲げる要件に適合することをいう。
(1)少なくとも1575.42MHz±1MHzの信号を受信することができること。
(2)C/Aコードを受信することができること。
(3)50Knot以内の船速において信号を受信することができること。
(4)-130dBmから-120dBmのレベルの信号を測位可能な感度で受信できること。-133dBm以上の信号を受信している間は、連続して信号を受信することができること。
(5)空中線は衛星の配置を見渡せることができる船上の適切な位置に設置すること。
(d)第2号の「管海官庁が適当と認める速さで行う」とは、次に掲げる状況に応じ、それぞれ次に掲げる時間内に測位できることをいう。
(1)有効な軌道情報がない状態で最初に測位する場合 30分
(2)有効な軌道情報がある状態で最初に測位する場合 5分
(3)電力を供給したまま、GPS信号が24時間妨害された後に最初に測位する場合 5分
(4)1分間の電力断の後に最初に測位する場合 2分
(5)連続して測位している場合 2秒
(e)第4号ハの「測定機能の不良が生じた場合」とは、次に掲げる場合をいう。
(1)位置精度劣化係数(HDOP)が4を超える場合
(2)2秒以内に新しい位置が測定されない場合







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