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2.2.3 連続定格及び短時間定格
 「連続定格」及び5「短時間定格」については、設備規程第171条の第8号及び第9号の規定による。
 
第171条
(8)「連続定格」とは、管海官庁の指定する条件のもとに連続使用しても本編に規定する温度上昇限度その他の制限を超過することのない電気機械及び電気器具の定格をいう。
(9)「短時間定格」とは、冷状態より始めて、管海官庁の指定する条件のもとで、その指定する時間中使用しても、本編に規定する温度上昇限度その他の制限を超過することのない電気機械及び電気器具の定格をいう。
 
(関連規則)
(1)設備規程第171条関係(船舶検査心得)
 
171.0(d)連続定格、短時間定格において管海官庁の指定する条件とは、一般的に定格電流、定格回転数において運転することであるが、このほかに次の条件が指定される。
(1)温度上昇限度を適用するためその機器を設置する場所の周囲温度を決定すること。
(2)強制通風のもの又は軸流式のものについては、実際の冷却状態を想定すること。
 
(2)設備規程第171条関係(JISC)
 
 JIS C 4034-1:99(回転電気機械−第1部:定格及び特性)の一部抜粋を次に示す。
(a)連続定格
 この規格の要求事項に適合しており、回転機を無期限に運転できる定格。
 この定格のクラスは、使用形式S1に対応し、使用形式と同じように指定する。
使用形式S1−連続使用
 一定な負荷で、回転機が熱平衡に達する時間以上に継続運転する使用をいう。図1参照。記号はS1。
(b)短時間定格
 この規格の要求事項に適合しており、回転機を周囲温度で始動し、限定された期間だけ運転できる定格。
 この定格のクラスは、使用形式S2に対応し、使用形式S2と同じように指定する。
使用形式S2−短時間使用
 一定な負荷で、回転機が熱平衡に達しない範囲の指定時間継続運転した後に、回転機を停止し、次の始動時までに回転機の温度と冷媒温度との差が2K以内までに降下する使用をいう。図2参照。記号はS2で、その後に負荷継続期間を付記する。
例 S2 60分
(c)反復定格
 この規格の要求事項に適合しており、回転機を使用の周期で運転できる定格。
 この定格のクラスは、反復使用形式S3からS8のいずれかに対応し、対応する使用形式と同じように指定する。特に規定がない限り、一周期は10分であり、負荷時間率は、次のいずれかの値とする。
 15%、25%、40%、60%
使用形式S3−反復使用*
 一定負荷の運転期間及び電圧を印加しない停止期間を一周期としこれを反復する使用をいう。この場合、電気制動を含まず、始動条件が温度上昇に与える影響を無視できるものとする。図3参照。記号はS3で、その後に負荷時間率を付記する。
例 S3 25%
*)反復使用とは、負荷時に熱的平衡に到達しないことを指す。
 
図1 連続使用−S1
P:負荷
Pv:損失
θ:温度
θmax:到達最高温度
t:時間
 
図2 短時間使用−S2
P:負荷
Pv:損失
θ:温度
θmax:到達最高温度
t:時間
Δtp:一定負荷での運転期間
 
図3 反復使用−S3
P:負荷
Pv:損失
θ:温度
θmax:到達最高温度
t:時間
Tc:一周期
Δtp:一定負荷での運転期間
ΔtR:停止及び電源切断期間
負荷時間率=Δtp/Tc×100(%)







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