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2・10 三相交流電力の測定
三相電力 P=(W1の読み)+(W2の読み)〔w〕
(注)負荷が△結線の場合も同様である。
 
三相電力 P=(P1のWの読み)+(P2のWの読み)〔w〕
 2電力計法または1電力計法のW1及びW2(又はP1及びP2)から、力率を次の計算式から求められる。
(注)1. W1、W2ともに正方向に針が振れるときは、W1、W2との和が三相電力を示す。
2. W1、W2ともに負方向に針が振れるときは、電力計の接続が誤っているから電圧コイル又は電流コイルの一方を接続替えする。
3. W1が正、W2が負に針が振れるときは、W2を読むとき電圧コイルを接続し替えて読み、W1とW2との差をとると三相電力を示す。
4. W1が負、W2が正に針が振れるときは、W1を読むとき電圧コイルを接続し替えて読み、W1とW2との差をとると三相電力を示す。
 2・3項から2・11項の詳細については、初級指導書「電気機器」第3項「指示電気計器と計測」を参照のこと。
 発電機装置の調速機、負荷試験などに負荷として水抵抗器を使用する場合、この水抵抗器の抵抗値の概算計算式を次に示す。
二極間の抵抗
ただし極間の電流分布が容器壁面によって乱されないものとする。
ρ:液の固有抵抗〔Ωcm〕、L:電極間距離〔cm〕
A:電極浸水面積〔cm2
 
各相間の抵抗
、D、dはそれぞれ上図により〔cm〕単位とする。
ρ:液の固有抵抗〔Ωcm〕
ただしの場合は誤差を生ずるから注意を要する。
 
 
各相間の抵抗
2・12・1式を適用する。
 
(1)清水
 20〔℃〕における抵抗率は普通2,000〜5,000〔Ωcm〕であり、温度による抵抗率の変化は次の式による。
Rt:t℃における抵抗〔Ω〕、R20:20℃における抵抗〔Ω〕
(2)食塩水
 清水だけでは抵抗が大である場合には、食塩水とする場合がある。この場合の抵抗率は次による。
食塩含有量〔%〕 抵抗率18℃〔Ωcm〕 抵抗温度係数α〔18℃〕  5%以下における抵抗率はほぼ含有量に逆比例する
〔t℃の抵抗〕
 ={1+α(t-18)}×(18℃の抵抗)
5 14.9 -0.022
10 8.25 -0.021
15 6.09 -0.021
20 5.10 -0.022
25 4.68 -0.023
 
 清浄水では、電極面の電流密度が約0.6〔A/cm2〕以上でアークを発生するが、普通の水では0.15〔A/cm2〕以下にとるのが安全である。ただし流水を使用しかつ流水速度が相当大きいときには、この限度は3倍ぐらいまで高めることができる。
(1)指示計器の確度上から分類し、許容される誤差を示せ。
(2)最大目盛150〔V〕、抵抗10,000〔Ω〕の直流電圧計がある。これで最大電圧600〔V〕の回路の電圧を測定するにはどうすればよいか。
(3)電圧計と電流計と各1〔個〕によって直流電力を測定する場合の2種の接続法を図示し、どんな場合にどれを使用するのが良いかを説明せよ。
(4)ある交流負荷の電力を測定したら、電圧計は103〔V〕、電流計は26.5〔A〕、力率計は遅れの0.85を図示した。その電力はいくらか。ただし各計器の損失は無視する。
(5)三電圧計法で単相電力を測定する場合、V1の読み100〔V〕、V2の読み80〔V〕、V3の読み150〔V〕で、Rの値50〔Ω〕ならば、電力はいくらであるか。
(6)2〔個〕の電力計をもって三相誘導電動機の電力を測定したら一方の電力計の指示が他方の指示の2倍になった。その場合の電動機の力率はいくらか。
(7)無負荷における三相誘導電動機の電力を2〔個〕の電力計で測定して、それぞれの読みがW1と-W2であった。その場合の電力及び力率はいくらか。







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