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「人権問題としてのハンセン病制圧」に向けて
WHOハンセン病制圧特別大使
日本財団理事長
笹川陽平
 
 吟剣詩舞の皆様、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 新年にあたり、今日は、ハンセン病制圧に向けての日本財団の取り組みについてお話したいと思います。
 
インド・ジャカルカンド州のハンセン病回復者居住地域内にある小学校にて、回復者の子どもたち
 
 日本財団は、創立当時(一九六二年)からハンセン病制圧を使命の一つに掲げ、様々な活動に取り組んできました。ハンセン病は患者の風貌や、病気の原因が分からなかったことから、不治の病や天刑病と言われ、差別や偏見に満ちた病気として扱われた時代がありました。しかし一九八〇年にMDT(多剤併用療法)が確立したことで、ハンセン病は医学的には治る病気になりました。早期に診断を受けてこの治療薬を飲めば、一年以内に簡単に治るのです。
 日本財団は一九九四年から五年間、全世界にMDTの無料配布を行った結果、WHOが掲げた二〇〇〇年末までに公衆衛生上の問題としてハンセン病を制圧する(世界の総人口の一万人に一人以下)という目標の達成に貢献しました。そして新たに二〇〇五年末までに、全ての国でハンセン病を制圧するという目標が設定されました(二〇〇四年現在、主要未達成国数は六カ国)。
 医学問題としてのハンセン病の糸口が見え始めた中、これからは社会的問題の解決に向けて大きな活動を展開していく必要があります。社会的問題としてのハンセン病問題は、特定な個人や団体が対応するのではなく、患者・回復者を含む社会全体で、それぞれが同等のパートナーとして考え、支えあって行く事が大切です。そこで日本財団では、海外の患者・回復者と子弟の職業、教育のための募金活動を二〇〇三年九月から開始しました。この募金を通じて社会的問題としてのハンセン病を理解していただき、偏見・差別の無い社会の実現に向けて共に考え行動していきたいと考えています。(「日本財団トピックス」より)
 また、本誌十二月号巻頭の河田和良会長の「明日への提言」の中で、昨年十月の第十一回読売新聞国際協力賞受賞のご紹介をいただきありがとうございました。正賞と合わせて頂戴した副賞五〇〇万円は、さっそく、インドや中国などハンセン病の親を持つ子どもたちの教育の機会や回復者の就業の場を与えるために活用する資金として全額を寄付させていただきましたことをご報告申し上げます。
 どうぞ、今後とも一層のご支援をお願いいたします。
 
ハンセン病回復者支援事業に引き続き協賛戴きました
 現在、開発途上国におけるハンセン病回復者自立支援事業における「(財)日本吟剣詩舞振興会」を通じてご寄付いただいた額は、三、九七四、四三九円(十月末日現在)となっております。
■募金の振込についてのご案内
 ハンセン病回復者自立支援募金は、本誌最終頁に貼付の「専用振込用紙」をご利用いただき、最寄の郵便局からお振込ください。送金手数料はかかりません。皆さまの温かいご支援をお願いします。
ハンセン病回復者 自立支援事業 スタッフー同
 
十月中にご寄付いただいた方のお名前(敬称略)
〔埼玉〕
内藤 吟州/匿名一
〔東京〕
成田佳奈枝
  
財団法人 日本吟剣詩舞振興会関連行事予定表(平成17年2月)
時間 大会名 開催場所 責任者
11日(祝) 9時00分〜16時30分 第38回愛媛県名流吟剣詩舞道大会 松山市民会館 大ホール 石丸翠風
11日(祝) 10時00分〜17時00分 第35回心嶺流吟剣詩舞道大会 千代田区公会堂 増沢心嶺
12日(土) 13時00分〜19時00分 故初代会長渡辺国城師追悼 国風流京都吟詠会創立45周年記念祝賀会 京都ホテルオークラ4F暁雲の間 森本国祐
13日(日) 9時30分〜18時00分 第28回愛知県吟剣詩舞道総連盟 吟剣詩舞道大会 名古屋地区大会 名古屋港湾会館大ホール 武田禧洲
13日(日) 9時30分〜18時00分 第28回愛知県吟剣詩舞道総連盟 吟剣詩舞道大会 尾張地区大会 尾西市民会館ホール 武田禧洲
13日(日) 9時30分〜18時00分 第28回愛知県吟剣詩舞道総連盟 吟剣詩舞道大会 三河地区大会 岡崎市せきれいホール 武田禧洲
20日(日) 9時00分〜17時00分 奉観流詩吟道総本部創立20周年記念大会 三重県 津センターパレス 矢橋奉城
28日(月) 吟剣詩舞 日本チャリティー公演 ニュージーランドクライストチャーチタウンホール 入倉昭星
山岡哲山
 
一月のテレビ・ラジオ番組案内
NHK教育テレビ
新春吟詠放送
「故郷の香」
一月二日(日)午前六時四五分〜七時○○分
(1)和歌・ひとはいさ(紀貫之)
ひとはいさ 心(こころ)もしらず
ふるさとは 花(はな)ぞむかしの
かににほひける(繰り返し)
〈吟〉河田 神泉
(2)桂林荘雑詠諸生に示す その二(広瀬淡窓)
〈吟〉鈴木 吟亮
(3)親を夢む(細井平洲)
〈吟〉林 鳳俊
(4)春日家に還る(正岡子規)
〈吟〉箕輪 緑崇
(5)帰省(狄 仁傑)
〈吟〉藤原光伶子
   八代光晃子
   久保 草風
 
新春吟詠放送
「春の野辺」
一月三日(月)午前六時四五分〜七時○○分
(1)和歌・きみがため(光孝天皇)
きみがため 春(はる)の野(の)にいでて
わかなつむ 我(わが)衣手(ころもで)に
雪はふりつつ(繰り返し)
〈吟〉工藤 龍堂
(2)花朝澱江を下る(藤井竹外)
〈吟〉清水 照鵬
(3)春を探る(戴益)
〈吟〉山岡 哲山
(4)長安春望(盧綸)
〈吟〉忽那 琥龍
   横山 寿城
   山口 華雋
(5)春夜洛城に笛を聞く(李白)
〈吟〉岡山県吟剣詩舞道総連盟 女性合吟
   井上 芳優 清水 凰城
   苔口 芳純 板谷 咲泉
   竹内 芳光 橋本 采泉
   熊沢 芳劭 元宗 
   山崎 芳廷 猪谷 媛照
   角本 芳寿 内田 育照
   武田 鏡芳 小林 勁照
   江國 典芳
 
NHKラジオFM放送
「新春吟詠」(一)
一月二日(日)午前六時○○分〜同一五分
(再放送は同日NHKラジオ第二放送、午前八時五〇分〜九時〇五分)
(1)和歌・春くれば(源 実朝)
春(はる)くれば なほいろまさる
山城(やましろ)の ときわの森(もり)の
あをやぎのいと(繰り返し)
〈吟〉山中 梅鈴
(2)春暁(孟 浩然)
〈吟〉福永 瀧霊
(3)春の花を尋ぬ(菅 三品)
〈吟〉伊東 昴峰
(4)汪倫に贈る(李白)
〈吟〉北川 哲水
(5)春夜(蘇軾)
〈吟〉梶 凰映
(6)夜直(王 安石)
〈吟〉宮田 実龍
 
「新春吟詠」(二)
一月三日(月)午前六時〇〇分〜同一五分
(再放送は同日NHKラジオ第二放送、午後八時五〇分〜九時〇五分)
(1)和歌・春の野に(山部 赤人)
春(はる)の野(の)に すみれつみにと
来し(こし)われぞ
野(の)をなつかしみ
ひと夜(よ)ねにける(繰り返し)
〈吟〉菅原 雪山
(2)江上の船(嵯峨天皇)
〈吟〉吉見 芳蘭
(3)江畔独歩花を尋ぬ(杜甫)
〈吟〉益中 鵬山
(4)春日偶成(夏目漱石)
〈吟〉星野 紫虹
(5)三樹の酒亭に遊ぶ(菊池渓琴)
〈吟〉森川 精修
(6)江南の春(杜牧)
〈吟〉河野 鶴声
 
「邦楽のひととき」
一月二十日(木)午前十一時○○分〜同三〇分
再放送 一月二十一日(金)午前五時二〇分〜同五〇分
(1)和歌・春の苑(大伴家持)
春(はる)の苑(その) 紅(くれない)にほふ
桃(もも)の花(はな) 下(した)照る(てる)道(みち)に
出で(いで)立つ(たつ)をとめ(繰り返し)
春流(北条時頼)
〈吟〉杉山 翔鴻
(2)和歌・春霞(明治天皇)
春霞(はるがすみ) たなびく山(やま)は
とほけれど 雲(くも)ともみえぬ
花(はな)の色(いろ)かな(繰り返し)
春暁(日柳燕石)
〈吟〉池田 嶺煌
(3)新正口号(武田信玄)
春初感を書す(安積艮斎)
〈吟〉大澤 雅翠
(4)逸題(山内容堂)
折楊柳(楊 巨源)
〈吟〉後藤 娟桜
(5)芳野懐古(藤井竹外)
金谷園(杜牧)
〈吟〉辻本 水晴
(6)香炉峰下の山居(白 居易)
〈吟〉田中 国臣


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