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表紙説明◎名詩の周辺
辞世―吉田松陰 作
東京・荒川区・世田谷区
 
 吉田松陰は江戸末期の勤皇家ですが、明治維新の原動力となった多くの俊才たちに大きな影響を与えた教育家・思想家としてよく知られています。名は矩方(のりかた)、字は義卿、また子義、松陰はその号です。別に二十一回猛子とも号しました(因みに、小塚原回向院の墓地にある松陰の墓にはこの号が彫られています。表紙参照)。通称は初め虎之助、後に寅次郎と改めました(世田谷松陰神社の墓には吉田寅次郎矩方の名が刻まれています)。父は杉百合之助、六歳のとき叔父吉田大助の養子となり、吉田氏を称しました。吉田家は萩藩における山鹿流兵学の師範の家柄でしたから、幼少より兵学を学び、十一歳のとき兵書を藩主の前で講じ、十九歳で家学の師範となっています。
 松陰はひとり家学の兵学のみならず広く諸学の長所を採り、一流一派に偏することなく、そのうえ刻苦勉励し、その学識は精博を究めたといわれています。二十二歳のとき江戸に出て多くの師友に接しましたが、中でも佐久間象山に師事したことが、その生涯に大きな影響を与えました。嘉永六年六月アメリカのペルリが浦賀に来たとき、禁を犯して海外の情勢を探ろうとし、安政元年再び米艦が来たときは密航を計ろうとしましたが成功せず、藩の獄に幽囚されました。
 その後、禁錮の身でありましたが、安政四年松下村塾を開き、藩の子弟を教育しました。のち尊王攘夷派を幕府が弾圧するに及んで老中暗殺の血盟を結んだことで、藩によって投獄され、翌年幕命により江戸に護送、安政六年十月二十七日、小塚原で処刑されました。享年三十歳。
 松下村塾で教育した期間はわずか二年半余りでしたが門下生には、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、山県有朋、木戸孝允などの逸材が輩出、明治維新の大業達成に寄与した業績は多大です。松陰神社は郷里の萩と世田谷にありますが、萩の方はすでに掲載しましたので、今回は世田谷松陰神社を取り上げました。
 
小塚原刑場は鈴ガ森とともに江戸の二仕置場の一つで、ここで処刑された人物は約20万人ともいわれています。小塚原回向院の墓地には、写真のように(左から)「ねずみ小僧次郎吉の墓」や「直侍の墓」「高橋お伝の墓」「腕の喜三郎の墓」等当時話題の人物の墓もあります
 
【小塚原刑場跡】JR常磐線・地下鉄日比谷線南千住駅下車いずれの駅からも近く徒歩2〜3分です。
【世田谷松陰神社】東急世田谷線松陰神社前駅から北へ徒歩8分、世田谷区役所の北東の小高いところに立っています。
 
平成十七年度
吟剣詩舞道吟詠集
カセットテープ
2,000円(送料別・税込み)
 
コンパクトディスク(CD)
3,000円(送料別・税込み)
 
平成十七年度
全国剣詩舞・群舞コンクール指定吟題
《剣舞》
幼年・少年の部
1、鞍馬の牛若       松口 月城
2、家兄に寄せて志を言う  広瀬 武夫
3、八幡公         頼山陽
青年・一般の部
4、偶成       大鳥 圭介
5、戊辰の作     木戸 孝允
6、暁に発す     月田 蒙斎
7、児に示す     陸游
8、和歌・君がため  読人知らず
群舞
9、兵児の謡    末松 青萍
10、一の谷懐古  梁川 星巌
11、憤りを書す  陸游
《詩舞》
幼年・少年の部
12、問梅閣        高啓
13、太平洋上作有り    安達 漢城
14、春夜洛城に笛を聞く  李白
青年・一般の部
15、春日山懐古       大槻 磐渓
16、母を奉じて嵐山に遊ぶ  頼山陽
17、山行          杜牧
18、雪梅          方岳
19、和歌・淡路島      源兼昌
群舞
20、墨水秋夕  安積 艮斎
21、桜花の詞  作者不詳
22、曲江    杜甫
 
 吟詠鑑賞並びに剣詩舞・群舞コンクール用としての吟詠テープ及びコンパクトディスク(CD)、平成十七年度『吟剣詩舞道吟詠集』の申込みを受け付けています。
 
テープ及びCD収録曲
A面(テープの場合)
鞍馬の牛若      〈吟〉塚本 白光
家兄に寄せて志を言う 〈吟〉中澤 春誠
八幡公        〈吟〉大木 詠岳
偶成         〈吟〉中尾 仁泉
戊辰の作       〈吟〉白波瀬録斎
暁に発す       〈吟〉松葉 水勲
児に示す       〈吟〉宮野 鶴誠
和歌・君がため    〈吟〉阿部 吟鳳
兵児の謡       〈吟〉増田 鵬泉
一の谷懐古      〈吟〉辻島 鑑霊
憤りを書す      〈吟〉忽那 琥龍
 
B面(テープの場合)
問梅閣        〈吟〉伏尾 琵城
太平洋上作有り    〈吟〉中武 岳玲
春夜洛城に笛を聞く  〈吟〉塩澤 宗鳳
春日山懐古      〈吟〉奥村 龍愛
母を奉じて嵐山に遊ぶ 〈吟〉山岡 翆山
山行         〈吟〉橋本 龍淙
雪梅         〈吟〉河野 鶴声
和歌・淡路島     〈吟〉明神 春岳
墨水秋夕       〈吟〉藤原光伶子
桜花の詞       〈吟〉伊藤 契麗
曲江         〈吟〉杉山 翔鴻
 
編曲
舩川利夫
伴奏
箏・石垣清美
十七絃・井原潤子
尺八・古屋輝夫
監修・制作
財団法人 日本吟剣詩舞振興会
 
●ご希望の方は所属の都道府県総連盟へ
 ご購入のご予約は財団公認都道府県総連盟の事務局で受け付けています。希望される方は、所属の連盟へお申し込みください。
 なお、このテープは財団主催、平成十七年度全国剣詩舞・群舞コンクールで使用されます。


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