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4. 原動機グループ
4.1 概念の適用
 主機として使用される原動機は、船内での使用条件に応じた原動機性能の改良を目的とした調整又は改造が不可欠である。原動機グループの概念の適用は、製造時、又は使用中の原動機の改造に対する相当確認の合理化の可能性を与えるものである。
 
4.2 原動機グループの選択指針
 原動機グループは、3.2に示す原動機ファミリーの基本特性に加えて、以下の基本特性がグループに属する全ての原動機に共通しなければならない。
1)シリンダの内径及び行程の寸法
2)過給及び排ガスシステムの方法及び設計上の特徴
(1)静圧過給
(2)動圧過給
3)過給空気冷却システムの方法及び設計上の特徴
(1)空気冷却器あり
(2)空気冷却器なし
4)NOxの放出量に影響する燃焼室の設計上の特徴
5)NOxの放出量に影響する燃料噴射システム、プランジャ、噴射カムの設計上の特徴
6)定格回転速度におけるシリンダ当たりの定格出力。なお、原動機のディレーティングはその許容範囲が適切であると船舶検査官が判断する場合には認めて差し支えない。
 
<参考> シリーズの範囲を示す資料(例)
(* ディレーティングにより、出力及び
回転速度が異なる原動機グループの場合)
 
4.3 代表原動機の選択指針
 原動機グループの代表原動機の選択は、原則として3.3の規定によること。ただし、NOxの放出量が最も多くなる原動機を代表原動機として選択することが難しい場合には、初号機を代表原動機として選択して差し支えない。
 
4.4 原動機グループに許容される調整又は改造の指針
1)調整又は改造の許容範囲
 相当確認後であっても、以下のいずれかに該当すると船舶検査官が判断する場合、原動機グループに属する原動機に対する調整や改造を認めて差し支えない。
(1)原動機グループに属する他の原動機(試験用原動機の場合もある)で実施された結果によって、調整又は改造された原動機が当該原動機に適用されるNOxの放出基準値に適合していると判断できる場合。
(2)船上でのNOx計測、又はパラメータ・チェックにより、調整又は改造された原動機が当該原動機に適用されるNOxの放出基準値に適合していることが確認される場合。
2)調整又は改造の例を以下に示すが、これらの例に限定されるものではない。
(1)船内での使用条件にあわせるための調整
・燃料性状の差を補償するための噴射タイミング
・最大筒内圧力を最適化するための噴射タイミング
・シリンダ間の燃料供給量の差
(2)性能最適化のための改造
・過給機
・噴射ポンプの部品(プランジャ、吐出弁の細目)
・噴射ノズル
・カムの仕様(吸気弁、排気弁、噴射カム)
・燃焼室
 
 


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