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別紙
相当確認、相当手引書の承認及び相当原動機証書の交付に関する取扱要領
 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律(平成16年法律第36号)附則第2条に基づく相当確認、相当手引書の承認及び相当原動機証書の交付については、次のとおり取扱うものとする。
 
I 全般
 本通達において用いる法令等の名称については、次に掲げる略称を用いる。
改正法 :海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律(平成16年法律第36号)
施行令 :海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令(昭和46年政令第201号)
改正政令:海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成16年政令第293号)
改正省令:海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行規則等の一部を改正する省令(平成16年国土交通省令第93号)
 
II 検査心得関係
(相当放出量確認対象原動機)
1. 改正法附則第2条第1項の相当確認及び相当手引書の承認の対象原動機は、定格出力が130kWを超えるディーゼル機関であって、次の用途に使用するもの以外の用途に供するものとする。
(1)海上自衛隊(防衛大学校を含む。)の使用する船舶への設置
(2)救命艇等の災害発生時のみに使用する船舶への設置
(3)船舶に設置され、災害発生時のみ使用されるもの
(4)海底及びその下における鉱物資源の掘採時のみに使用されるもの
(5)漁業法第66条第2項に規定される瀬戸内海機船船びき網漁業に用いられる船舶への設置
 
(申請者)
2. 改正法附則第2条第1項の相当確認及び相当手引書の承認を受ける者は、次に掲げるものとする。
(1)原動機の製作を業とする者
(2)国際大気汚染防止原動機証書の交付を受けていない原動機であって船舶に設置される前のものを輸入する者
(3)国際大気汚染防止原動機証書の交付を受けていない原動機が設置された船舶を輸入する者
(4)原動機を製作することを業とする者以外の者であって原動機を製作又は改造するもの
(5)法第5条に規定する船舶所有者
 
(相当排出基準)
3. 改正法附則第2条第1項の相当放出基準は、改正政令による改正後の施行令第11条の3に相当する排出基準とし、すべての海域において、次の表左欄に掲げる原動機の種類及び能力の区分ごとに、それぞれ同表右欄に掲げる基準とする。
 
原動機の種類及び能力 窒素酸化物の放出量に係る放出基準
(1)ディーゼル機関であって、定格出力が130kWを超え、かつ、定格回転数が毎分130回転未満のもの 1kW時当たりの窒素酸化物の放出量(単位は、グラムとする。以下同じ。)の値が17.0以下であること。
(2)ディーゼル機関であって、定格出力が130kWを超え、かつ、定格回転数が毎分130回転以上2,000回転未満のもの 1kW時当たりの窒素酸化物の放出量の値が45÷(毎分の定格回転数)0.2以下であること。
(3)ディーゼル機関であって、定格出力が130kWを超え、かつ、定格回転数が毎分2,000回転以上のもの 1kW時当たりの窒素酸化物の放出量の値が9.8以下であること。
(4)前3号に掲げるもの以外の原動機 窒素酸化物の放出量は、限定しない。
備考 1kW時当たりの窒素酸化物の放出量の算出方法は、4. (窒素酸化物の放出量の算出方法)に定める。
 
(窒素酸化物の放出量の算出方法)
4. 上記3. の表備考の算出方法は、次の表の左欄に掲げる原動機の使用形態に応じ、同表の中欄に掲げる原動機の運転状態ごとに当該運転状態で原動機を運転した際に放出される窒素酸化物がすべて二酸化窒素であると仮定して計算した一時間当たりの質量(単位は、グラムとする。)の値に当該運転状態に応ずる同表の右欄に掲げる係数を乗じて得た値のそれぞれを合計して得た値を、当該運転状態ごとの出力(単位は、キロワットとする。)の値に当該係数を乗じて得た値のそれぞれを合計して得た値で除することとする。
 
原動機の使用形態 原動機の運転状態 係数
定格回転速度に対する回転速度の比 定格出力に対する出力の比((4)にあっては、最大トルクに対するトルクの比)
(1)可変ピッチプロペラを有する主機、電気推進船の主機その他の一定の回転速度で運転される主機としての使用【記号:E2】 1.00 1.00 0.2
1.00 0.75 0.5
1.00 0.50 0.15
1.00 0.25 0.15
(2)固定ピッチプロペラを有する主機その他の出力が回転速度の三乗に比例した状態で運転される原動機としての使用【記号:E3】 1.00 1.00 0.2
0.91 0.75 0.5
0.80 0.50 0.15
0.63 0.25 0.15
(3)発電機を駆動する補助機関その他の一定の回転速度で運転される補助機関として使用(前号に掲げるものを除く。)【記号:D2】 1.00 1.00 0.05
1.00 0.75 0.25
1.00 0.50 0.3
1.00 0.25 0.3
1.00 0.10 0.1
(4)作業用機械を駆動するための補助機関その他の補助機関として使用(前二号に掲げるものを除く。)【記号:C1】 1.00 1.00 0.15
0.75 0.15
0.50 0.15
0.10 0.1
中速値 1.00 0.1
0.75 0.1
0.50 0.1
低速値 0.15
備考
(1)この表において「最大トルク」とは、定格回転速度に対する回転速度の比の区分ごとの運転状態におけるトルクの最大値をいう。
(2)この表において「主機」とは、船舶の主たる推進力を得るための原動機をいう。
(3)この表において「電気推進船」とは、推進機関に電動機を使用する船舶をいう。
(4)この表において「電気推進船の主機」とは、主発電機を駆動するための原動機をいう。
(5)この表において「補助機関」とは、主機以外の原動機をいう。
(6)この表において「中速値」とは、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に定める値をいう。
イ トルクが最大となる回転速度が、定格回転速度の75パーセントを超える原動機の場合 0.75
ロ トルクが最大となる回転速度が、定格回転速度の60パーセントから75パーセントまでの範囲にある原動機の場合 定格回転速度に対するトルクが最大となる回転速度の比
ハ トルクが最大となる回転速度が、定格回転速度の60パーセント未満である原動機の場合 0.60
(7)この表において「低速値」とは、原動機を無負荷運転している状慈における定格回転速度に対する回転速度の比をいう。
(8)この表において「【記号】」とは、各使用形態を便宜上、記号で呼称する際に用いるものをいう。
 
(相当確認及び相当手引書の承認の申請等)
5. 相当確認及び相当手引書の承認の申請等については、改正省令附則第2条から第10条までに規定されており、その取扱いについてはIV事務取扱要領関係によること。
 
(改正法の施行日においてみなされない事由)
6. 改正法附則第2条第3項のみなされない事由については次に掲げるものとし、再度相当確認及び相当手引書の承認又は改正法施行後の放出量確認及び原動機取扱手引書の承認を受けるよう指導されたい。
(1)原動機の連続最大出力を当該連続最大出力の10パーセントを超えて増加させる改造
(2)前号に掲げるもののほか、改正法附則第2条第1項の相当放出基準に適合しない可能性のある改造
 
7. その他の留意事項
 以下に掲げる場合にあっては、当該船舶に設置される原動機は施行日以降改正法の適用となることから、相当確認及び相当手引書の承認を受けるよう指導されたい。
(1)国際航海に従事する船舶であって、平成12年1月1日以後に建造され又は建造に着手された船舶に設置された原動機を、平成17年5月19日までに取り替える場合
(2)国際航海に従事しない船舶であって、平成12年1月1日以後に建造され又は建造に着手された船舶が、新たに国際航海に従事する船舶となる場合
 
<参考> 非国際船→国際船となった場合の適用例
(原動機を改造した場合を除く)


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