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海上退船システム積付ガイドライン
平成16年9月
国土交通省
I はじめに
 国土交通省は、平成15年6月北海道運輸局で実施した「降下式乗込装置・膨脹式救命いかだインターフェース検証試験」の結果を踏まえ、北海道運輸局が中心となり、独立行政法人海上技術安全研究所に委託し、降下式乗込装置を搭載している全国各地の主な旅客フェリーについて実態調査を行い、「海上退船システム」を構成する降下式乗込装置、膨脹式救命いかだ、救命いかだ支援艇、乗込用はしご等の効果的・効率的な連携が可能となるような積付方法について安全評価を行い、今後建造される降下式乗込装置を備えた旅客フェリー等において効果的な退船システムを構築するためのガイドラインを作成した。
II ガイドラインの基本的な考え方
1. 目的
 海上退船システムを構成する降下式乗込装置、膨脹式救命いかだ等については、個別の設備として規定されている能力を発揮し、さらに相互が有機的に連携した効果的なシステムを構築できるように、新造船の計画に際して特に留意すべき関係規則、船舶検査心得、推奨事項及び解説を示す。
2. 改正心得の適用対象船舶
 降下式乗込装置を搭載する
新造船:平成17年4月1日以後に建造に着手された船舶に全ての項目を適用。
現存船:平成17年1月1日より適用。ただし、ガイドライン(7)、(10)及び(11)の項目についてのみ
3. 対象設備
 降下式乗込装置、膨脹式救命いかだ、救命いかだ支援艇及び乗込用はしごを対象に規定する。
III ガイドラインの見方
●基本的な考え方
 心得及び推奨事項として記載した事項の背景にある基本的な考え方を示す。
●船舶救命設備規則
 心得及び推奨事項の根拠となる省令の該当部分を示す。
●心得
 心得は省令の解釈通達であり、通常、条約を根拠とするような強制要件を示す。また、「例えば」、「できる限り」等の用法で、省令要件の例示的仕様を示す場合もある。今回の改正では、退船システムの機能確保上、重要性の高い事項を心得として示す。
●推奨事項
 退船システムの機能確保上、措置することが望ましい事項を示す。
●図による解説
 心得及び推奨事項に関して、例示し分かり易く解説する。
●その他
 本ガイドラインは、平成15年度に実施した安全評価に基づき、新たに規定した心得等の内容を中心にまとめたものであるため、新造船等の計画に際しては、従前からの関係規則、心得等についても十分留意する必要がある。


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